2018年10月15日 (更新:2024年08月09日)
DIYでボディ傷や凹みを直す!補修方法を解説します!
買ったばかりで感覚がつかめていないうちのバックや狭い路地でのすれ違い、サーキットやドリフトなどモータースポーツの際などにぶつけてしまった愛車。事故処理が必要なものから、車に少しキズや凹みが付いてしまっただけのものまで状況によって様々です。特に単独での軽い衝突の場合は、「車の修理はお金もかかるし面倒・・・」と、放置してしまう方も少なくないでしょう。しかし、キズや凹みをそのままにしてしまうのは見た目の悪さだけでなくその後のボディにも悪影響。今回は「DIYでの板金修理の方法」についてご紹介します。
修理の際の注意点
車をぶつけてしまい車体についてしまった傷や凹みには、範囲や深さなどの程度によって対処が異なります。
相手がいる事故となってしまった場合は、お互いに任意保険などを使用してどちらが修理費を負担するかの話し合いが行われるわけですが、単独でポールにぶつけてしまった等の場合は自分で修理するほかありません。
損傷した箇所や範囲、程度によって直し方は変わってきますし、自分での修復が難しい場合には自費もしくは保険適用でのプロによる板金修理が必要となります。
自分で直せるキズや凹みとは?
何事もなかったかのようにきれいにするのは、やはりプロに依頼するのが良いでしょう。
仕上がりの良さよりも修理の安さや自分で作業することに重きを置いている方は、ある程度の状態まではご自身でも対処が可能です。
自分で直すことが出来るキズ
レベル1.薄い線キズ
レベル2.狭い範囲の塗装が削れてしまっている傷(鉄部分)
レベル3.傷口が少しえぐれて凹凸が出来ている狭い範囲のキズ(樹脂部分)
ドアについてしまった線状のキズや、飛び石などによる一部分の塗装はげ、バンパーなどを擦ってしまったことによるざらつきのあるキズなどは、DIYでも目立たなくすることが可能です。
自分で直すことが出来る凹み
バンパー等の樹脂パーツのへこみ
凹みの修理は材質によって対処が変わってきたり、ボディと合わせた再塗装などが必要となるため、出来る限り板金修理に出すことが望ましいといえます。
下手に自分で挑戦してしまったことによって収拾が付かない状態になると、手付かずの状態で修理に出すよりも修理費が高くついてしまい、時間もお金も損をします。
バンパーなどの樹脂パーツの場合はご自身でも直せることがありますが、鉄部分の凹みは保険を使って修理を行うことをおすすめします。
保険を使う場合、車両保険などへの加入が必要となってきますので、ご自身の任意保険の内容をご確認ください。
また、修理に保険を使うと等級が変わり保険料が上がってしまうので、修理の見積もりを出してから保険を使うか決めたほうが良いでしょう。
擦り傷の直し方
それでは、キズの直し方をご紹介します。
レベルに応じて必要なもの、手順が変わりますのでそれぞれみていきましょう。
レベル1.薄い線キズ
ドアについてしまった木の枝などによる線キズ。
薄いものは、「コンパウンド」で磨くだけできれいに直すことが可能です。
必要なもの
- コンパウンドセット(チューブや液体の3本セット)
- 施工スポンジ
- クロス
- パーツクリーナー
- いつも使っているワックスやコーティング剤
施工手順
- 水洗いもしくはパーツクリーナーで修理箇所を洗浄する
- 一番目の細かいコンパウンドを塗りこみ、キズを磨いていく
- 薄くなってきたら2番目に細かいコンパウンドで更に磨いていく
- それでも消えない傷は一番粗いコンパウンドで磨く
- キズが目立たなくなったら2番目に細かいコンパウンドでまた更に磨く
- 最後に一番細かいコンパウンドで表面を磨き上げる
- いつものワックスやコーティング剤で修理箇所の表面を保護して完了
DIY修理のもっとも初歩的な方法です。
線キズ以外でも、頑固な水垢などボディ表面にこびりついた固形の汚れを取り除く場合にも応用できます。
レベル2.塗装はげ(小)
高速道路を走ったあとや、スタッドレスタイヤの季節になると増えてしまう飛び石によるキズ。
範囲は狭いものの、威力がすさまじく黒い車体では「星空?」といいたくなるほどに無数の白い塗装はげの点々が現れてしまうことも。
そのようなスポット的な塗装はげのキズもご自身で修復できます。
必要なもの
- コンパウンドセット(液体の3本セット)
- タッチペン
- シリコンオフ
- 飛び石キズ補修キット
ソフト99 99工房 飛び石キズ補修キット
施工手順
- 補修箇所周辺にシリコンオフを塗り、油分を落とす
- ボディ色と同じカラー番号のタッチペンを補修箇所に塗っていく(薄く何回も塗り重ねるように。一度で塗ろうとしない)
- 1~2週間そのままにし、塗装を完全に乾かす
- 飛び石キズ補修キットに付属されているマスキングシートを補修箇所に貼る
- 飛び石キズ補修キットに付属されている耐水ペーパーで水を掛けながら表面の凹凸を削る
- マスキングシートをはがし、研磨した補修箇所周辺を「仕上げ用」「鏡面用」の液体コンパウンドで磨く
塗装が入るのでその日のうちには作業完了は出来ませんが、洗車ついでに見つけた傷にタッチペンを仕込んでおき、翌週きれいに処理をするという流れだと考えれば作業時間的にも違和感はないでしょう。
タッチペンはカー用品店でボディカラーの番号と同じものを作ってくれますので、店頭に自分の愛車と同じものがないからといって似た色を買う前に店員さんへ相談しましょう。
カラーナンバーはボンネットフードをあけるとフードの裏側やフレーム周辺に記載がありますので事前に確認しておきましょう。
レベル3.塗装はげ・表面凹凸あり
バンパーなどの樹脂パーツで、コンクリートで擦ってしまったようなえぐれたような傷。
そのようなキズでも修復が出来ます。
傷の周りにまで研磨を行い、再塗装が必要となる修復ですのでDIY難易度はやや高めです。
必要なもの
- 耐水ペーパー(150番~1000番)
- シリコンオフ
- バンパープライマー
- バンパーパテ
- コンパウンドセット
- マスキングテープ・マスキングシート
- プラサフ
- スプレー塗料
- クリア塗料
- ぼかし剤
施工手順
- カッターナイフ等でキズ周辺のバリを取り除く
- 150番の耐水ペーパーでキズの範囲よりも少し広めに研磨する
- シリコンオフで脱脂し、バンパープライマーを吹き付ける
- バンパーパテの1剤と2剤を同じ長さで出し、付属のへらで練り合わせる
- 練り合わせたパテを少しずつキズを埋めるように補修箇所に乗せていく(深いキズを埋め広範囲にならすように薄く塗っていく)
- 1~2時間ほどおきパテを硬化させる
- パテが硬化したら320番の耐水ペーパーで段差をなくしていくように磨いていく
- パテとバンパーの段差がなくなってきたら600番の耐水ペーパーで表面を滑らかする
- シリコンオフで脱脂し、バンパープライマーを吹き付ける
- 補修箇所を塗装するため、周囲をマスキングする
- プラサフを薄く塗り重ね下地を作る
- マスキングをはずし、1000番の耐水ペーパーでプラサフを吹いた部分を磨く
- 再度マスキングしなおす
- シリコンオフで脱脂し、ぼかし剤を吹きかける
- 塗料を薄く塗り重ね、補修箇所の色をなじませていく
- クリアを塗り重ね、ツヤを出す
- ぼかし剤を吹き付け、スプレーダストをなじませる
- 一週間ほどで完全乾燥させ完成
工程は多くなりますが、少しずつ丁寧に行うことによって自然な仕上がりになります。
手を抜かずにしっかりと作業していきましょう。
凹み傷の治し方
ここでご紹介する凹みキズの直し方は、バンパー等の樹脂パーツを基本とします。
バックの際にフェンスやポールにぶつけたであろう、リアバンパーのど真ん中がへこんでいる車、たまに見かけますよね。
また、フロントバンパーの左右どちらかが凹んでしまっている車もたまに見かけますが、バンパーのへこみは意外と簡単に直すことが出来ます。
必要なもの
- ドライヤーまたはヒートガン
施工手順
- バンパーのへこんだ部分にドライヤーの温風を当て続ける
- バンパーの裏側から軽く押すと「ベコッ!」っと元に戻る
- バンパーを冷却させればへこみの修復は完了
- 必要に応じてキズ修理と同様手順でキズや塗装の修復を行う
修理工場でも同様の手法で修理しています。
温めて裏から押すだけで直せるので、これからバンパーがへこんだ車を見かけるたびに「簡単に直るのに・・・」と思ってしまうことでしょう。
ご自身や家族の車のバンパーがへこんでしまったらぜひ試してみてください。
まとめ
キズ・凹みの修復方法についてご紹介しました。
塗装が絡むと手数が増えて大変に見えますが、一番根気の要る作業は耐水ペーパーやコンパウンドでの磨き作業です。
傷を消すため!と手を抜くことなく頑張れば、きれいな愛車を取り戻せることでしょう。
どうしても失敗が怖い、仕上がりに妥協は許されないという方はプロへ依頼することがもっともですが、チャレンジ精神旺盛、節約第一という方は挑戦してみてくださいね。