2018年08月19日 (更新:2024年08月08日)
ホイールの塗装方法を徹底解説!ホイールの塗装で人と差をつけよう!
ホイールを塗装してイメージチェンジがしたい!と思っても、プロに依頼すると結構な費用がかかります。しかし、流れとコツさえ覚えてしまえば、実はホイールの塗装は挑戦しやすいDIYカスタム!ここではホイールの塗装方法をご紹介します。
ホイールを塗装するときはどんなとき?
ホイールの塗装をしようと思うのはどのようなときでしょうか?
- 安く購入した中古ホイールをきれいに見せたい
- デザインは気に入っているけど色でイメージチェンジがしたい
- 他の人とかぶらない個性的なホイールにしたい
ホイールの塗装は専門業者に依頼するか、自分でDIYで塗装するかで必要な費用が大きく変わってきます。それぞれのメリット・デメリットからご紹介していきましょう。
DIYのメリットとデメリット
DIYでホイール塗装をするメリット
DIYでホイール塗装をするメリットは2つ。それは「費用を抑えられる点」と「自分で作業することでさらに愛着が湧く点」です。塗料や必要な道具はすべてホームセンターやカー用品店でそろえることが出来ますし、1からすべてそろえても費用は4本分で5,000~8,000円ほど。
塗料代を抑えればさらに安く出来ます。そして、自分で作業することにより愛車にもホイールにも愛着が湧きます。「自分で塗った世界で1つだけのホイール」ですからね。
DIYでホイール塗装をするデメリット
しかし、デメリットも2つあります。ひとつは「プロレベルの仕上がりにすることは難しい点」、もうひとつは「失敗すると悲惨な状態になることがある点」です。
筆者もホイール塗装をしたことがありますが、油分の除去を確実にしないと、仕上がりが悲惨なことになります。缶スプレーの場合は塗るときのコツをおさえておかないと、液垂れで目も当てられない仕上がりになることも。
私のような失敗をしなくて済むように、それぞれのポイントなどもご紹介していきますが、ドレスアップを本気で仕上げている方などクオリティ重視の方は、やはり費用を出してプロに依頼したほうが確実です。ある程度知見のある方や、仕上がりはあまり気にしないから自分でやってみたいという方はぜひ挑戦してみてください。
塗装業者のメリットとデメリット
塗装業者のメリット
塗装業者に依頼するメリットは2つ、「仕上がりがきれい」「ホイール専門業者の場合はガリキズやゆがみの修復にも対応してくれる」という点です。やはりプロなので仕上がりはとてもきれいです。
キャンディカラーなどの難しいカラーや、車体に合わせた塗り分けなどもしっかりと仕上げてくれます。また、ホイール専門業者の場合は、塗装の他にもホイールリペアを行っている店舗もあり、ひどいガリ傷やクラック、軽微な歪みなどは別料金ですが新品同様に修復してくれます。
塗装業者のデメリット
デメリットは「費用が高い点」に尽きます。ホイール塗装の料金相場は1本15,000円~30,000円ほど。塗り分けや特殊カラーでは追加料金が発生することもあります。
また、タイヤがすでに組まれている場合はタイヤを一度はずして塗装する業者がほとんどなので、その作業工賃も発生します。もともと修復が必要な場合や、仕上がりにこだわりのある方は業者に依頼したほうが良いでしょうが、そうでなければ、やはり割高に感じるかもしれませんね。
DIYでのホイール塗装方法の全体の流れ
このあと必要な道具と手順をご紹介しますが、簡単に全体の流れをご説明します。
- 必要な道具をそろえる
- ホイールをきれいに洗浄する
- ホイールの塗装を耐水ペーパーで削り落とす
- ホイールをマスキングする
- サフェーサーで下地を作る
- 下地処理を行う
- シリコンオフで油分をふき取る
- 塗料で色を乗せていく
- クリアでコーティングする
- 目の細かいやすりやコンパウンドで表面を磨く
全体としてはこのような流れで行っていきます。
塗装を行う際の注意点
塗装を行う際は以下の点に注意しましょう。
- 屋外で塗装する際は風の強い日、湿気の高い日は避ける
- ラッカー系プラサフの上にウレタン系カラーを塗ったらクリアはウレタン系にする
- 塗料が付いて欲しくない場所は必ずマスキングやシートをかぶせるなどして保護する
風の強い日は、塗料が風で流されてしまい、うまくホイールに乗らない上に周囲に付着してしまう恐れがあります。湿気の高い日は、塗料が乾きにくくなってしまいます。「今日は穏やかないい天気だなぁ」という日に塗装しましょう。
ラッカー系塗料はラッカー成分同士が合わさろうとする働きがあるので、間にウレタン系塗料を挟んでしまうと塗装面が荒れてしまいます。クリアはウレタン系を選ぶことで防ぐことが出来ます。
また、風が強くない日だとしても、塗料が飛んで付着して欲しくないもの(近くに停めている車や家の塀など)は必ず覆っておきましょう。少しの風でも塗料は乗っていってしまうので、塗装が終わって愛車を見たら「粉のような落ちない汚れが!」ということになりかねません。
それでは、必要な道具をご紹介していきましょう。
DIYでのホイール塗装に必要な道具
ホイールの塗装に必要な道具は次の8つです。それぞれご紹介していきます。
- ホイールクリーナー
- 耐水ペーパー
- シリコンオフ
- マスキングテープ&マスカー
- プラサフ(サフェーサー)
- 塗料
- クリア
- コンパウンドセット
ホイールクリーナー
塗装下地をキレイにするためにのホイールクリーナーです。普段カーシャンプーで洗っていても、ホイールにはブレーキダストなどがたくさん付着しているため塗装前の洗浄は必ず丁寧に行いましょう!
ワックス効果のあるカーシャンプーなどでの洗浄は塗装には逆効果となるので注意が必要です。洗剤のほかにもホイールを洗うためのスポンジやブラシ、そして水分をふき取るための吸水タオルやマイクロファーバークロスホイール洗浄用品として必要でしょう。
耐水ペーパー
400番、800番、1000番もしくは1500番、2000番の4種類を用意しておくことをおすすめします。最初にホイールの塗装を落とす為に400番と800番、プラサフを塗ったあとに表面を整える為に1000番もしくは1500番、クリアを塗ったあとの表面処理に2000番といった流れで使用します。
シリコンオフ
塗料をはじかないようしっかりと油分を落とすための大事なアイテムです。パーツクリーナーでもある程度の油分は落とせますが、本来は金属の洗浄剤なのでシリコンオフとは異なります。
マスキングテープ&マスカー
よく見る黄色のマスキングテープだけでも頑張れますが、タイヤが付いたままなどの場合はかなりの量を消費しなければなりません。養生テープにビニールが付いているマスキングシートを使用すると広範囲をカバーすることが出来ます。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、タイヤ付きのホイールを塗装するときのマスキング技として、トランプを使用するのもおすすめです。マスキングテープなどはタイヤにしっかり貼り付いてくれないときがあり、塗っている途中ではがれてきてしまうこともあります。
そのようなことがないのがトランプを使った方法です。トランプをホイールとタイヤの間に差し込み、花びらのように覆うことでタイヤとホイールの境目をマスキングすることが出来ます。
あとは新聞紙やマスキングシートでタイヤを覆ってしまえばタイヤは塗料から守られます。もうひとつ、屋外で塗装する際にスポークの隙間から道路に塗料が付いてしまうのを防ぐため、新聞紙やブルーシートなどを敷きましょう。
マスカーはマスキングテープにポリエチレンのフィルムが付いた便利アイテムです。細かくマスキングしたマスキングテープの上に貼り、フィルムを伸ばせば新聞紙などでの養生の必要もなくなるのでDIY塗装におすすめのアイテムです。
プラサフ(サフェーサー)
塗料の発色と定着を良くするために使用します。カラーは白やグレーがありますので、明るい色の場合は白、暗い色の場合はグレーと塗装したい色に合わせましょう。目安の本数はホイール4本で3~4本です。
塗料
今回の主役となる塗料。車体用、アルミサッシ用、ラッカースプレーなどさまざまな種類がありますが、どれでも塗装は可能です。アルミホイールの場合はアルミサッシ用の塗料、スチールホイールは鉄なので車体用の塗料が相性がいいといえます。
ブロンズなどのメタリック系カラーはどちらかを使用したほうがきれいに仕上がりやすいです。とにかく費用を抑えたいという方は1缶300円ほどでホームセンターに売っているラッカースプレーでもOKです。特に白や黒などのソリッドカラーであれば仕上がりに大きな差はありません。
目安の本数はホイール4本で4~6本です。
クリア
クリアコート塗料です。おすすめは耐久性のある「ウレタンコート」タイプです。完全に乾いて硬化するまでに時間はかかりますが、厚く塗り重ねることでガソリンやブレーキフルードなどがかかっても塗膜を保護してくれます。
ラッカー系クリアでもきれいに仕上げることが出来ますが、注意点でもご紹介したとおり、ウレタン系のカラー塗料の上には塗らないほうがベターです。ラッカー系の上にウレタン系が来るのは問題ないので、「クリアはウレタン」と覚えておきましょう。目安の本数はホイール4本で4~5本です。
通常のクリア
コンパウンドセット
車体のキズ消しに使用する7500番と9800番があるとクリア後の表面をつるつるに磨き上げるときに便利です。液体なのでセットに付属しているクロスなどで磨きます。
塗装の手順
それでは塗装の手順をご紹介していきます。
1.必要な道具をそろえる
まずは必要な道具をそろえます。ホームセンターやカー用品店、ネット通販で購入できるものばかりです。ご紹介した道具で欠けても作業が滞りなく出来るのはサフェーサーだけですので、それ以外は確実にそろえましょう。サフェーサーはよりきれいに仕上げるためには必要ですので、用意しておくことをおすすめします。
2. ホイールをきれいに洗浄する
ホイールクリーナーなどブレーキダストも洗浄できるタイプの洗剤でしっかり洗いましょう。砂やブレーキダストが付いたままになっていると表面がざらざらになってしまうので注意が必要です。
3. ホイールの塗装を耐水ペーパーで削り落とす
サンドペーパーを使って、ホイールをひたすら磨いていきます。この磨き作業には、ホイールについたガリ傷を滑らかにする目的とホイールの塗装を落とす目的の2つがあるので、手を抜かずに行いましょう。どうしても埋めたい深い傷がある場合は、補修用パテを使ってみるといいかもしれません。
耐水ペーパーの400~600番を使用して表面に傷をつけていきます。完全に塗装を削り落とす必要はありませんので均等に削って塗料が乗りやすくなるようにしましょう。削り終わったら水でカスをきれいに洗い流し、水分を良くふき取ります。
4. ホイールをマスキングする
ホイール以外の部分に塗料が付着しないように、マスキングをする必要があります。今回の手順ではボディからホイールを取り外しているので、タイヤ全体と塗装したくない部分(センターキャップやエアバルブキャップなど)を養生シートなどで覆い、マスキングテープで固定しましょう。
塗料がタイヤにつかないようにすればいいので、いらない新聞紙や段ボールを使うのもひとつの手です。画像のようにマスカーを使用すると効率的に作業が行えるのでおすすめです。
5. サフェーサーで下地を作る
サフェーサー(プラサフ)を吹き付けていきます。スプレーを吹くときは扇風機の首振りのように、左右に動かしながら吹くと均一になります。
一気にスプレーするのではなく、薄めに何度も塗り重ねるようなイメージで少しずつスプレーしていくのがコツです。塗料の厚さを均一にすることが最終的な仕上がりの良さに繋がります。
サフェーサーを全体に塗り終わったらしっかりと乾かします。サフェーサーによって、乾燥時間は異なります。スプレー缶の説明事項に記載されている通りの乾燥時間をきちんと守ってください。
6. 下地処理を行う
サフェーサーが乾燥したら、本塗装のための下地処理を行います。下地処理をすることで本塗装の足付けがよくなるので、丁寧な作業を心がけましょう。水をかけながら、1,000番前後のサンドペーパー(耐水ペーパー)で下地を撫でるように研磨していきます。
最初は下地が水を弾きますが、研磨を重ねるごとに水を弾かなくなります。それが下地処理完了の目安です。最後はシリコンオフでキレイに脱脂してください。
7. シリコンオフで油分をふき取る
シリコンオフをキッチンペーパーなどにつけてホイール全体を拭き上げます。このときに油分が残っていると、塗料をはじいてしまいますので入念に拭いていきましょう。ティッシュなどで拭く場合はホコリが付きやすく、塗装にごみが巻き込まれやすくなりますので注意してください。
8. 塗料で色を乗せていく
サフェーサーが乾いたら塗料をサフェーサーと同様に左右に振りながら吹いていきます。塗料は一度に塗りすぎると液が垂れてしまったりムラになったりするので、「色付いてる?」と思うくらいの薄さで塗り重ねていくと失敗しにくくなります。均一に色が乗ったらしっかりと乾かしていきます。
9. クリアでコーティングする
塗料が乾いたらクリアを吹きます。塗料と同様に、均一に薄く塗り重ねていきます。ウレタンクリアの場合は、厚く塗り重ねることで硬化したときの耐久性が上がりますので、塗って乾かして塗って乾かして・・・と何層にも重ねていきましょう。そして塗料以上に時間をかけてしっかりと乾燥させます。
10. 目の細かいやすりやコンパウンドで表面を磨く
クリアが乾いたら表面を滑らかにしていきます。液体コンパウンドセットのSTEP1(3000番)で全体を磨きます。このときに塗装を削り過ぎないように気をつけましょう。そしてSTEP2、STEP3と磨きこんでいくことでツヤと深みが増していきます。表面がつるつるしてきたら完成です。
DIYのホイール塗装の事例
実際にDIYでホイール塗装をされた方の投稿をご紹介していきましょう。
ホイール塗装の人気色、ブラックへの塗装事例です。もともとはシルバーリムにレッドディスクのホイール。リムのシルバーを残してディスクを黒にすることでより引き締まった印象になりますね。
リムをゴールドにした個性的な塗装です。他人とは違う個性のあるホイールに仕上げられるのもDIY塗装の楽しみの一つです。
シルバーのディスク面をレッドに塗り替えた事例です。ブラック部分を丁寧にマスキングをして2トーンカラーに仕上げ、より個性的で目を引くデザインへと変貌を遂げています。
鮮やかな蛍光グリーンへの塗装です。蛍光カラーは目を引くので愛車への注目度も上がりますね!蛍光ホイールのFR車は、なんとなくドリフトが上手そうな雰囲気が出ますよね。
まとめ
ホイール塗装の手順、道具、メリット・デメリットについてお伝えしてきました。ホイールの塗装はボディよりも粗が目立ちにくいということもあり、初心者でも挑戦しやすいDIYだといえます。
塗装はコツをつかむことと慣れることで上達していきますから、ホイール塗装で慣れておけばグリルやスポイラーなどの塗装も出来るようになっていきますよ。自分で塗った世界にひとつのホイールを装着して愛車をドレスアップしてみましょう!
CARTUNEにはホイール塗装DIYの投稿がたくさん寄せられています。