2018年06月20日 (更新:2022年10月20日)
2L国産スポーツカーの雄、ランサーエボリューションⅨを徹底解説します!
ランサーエボリューションⅨは、2005年から販売された三菱自動車のスポーツセダンです。ベース車両のランサーにモータースポーツで戦うための装備を搭載したスポーツカーで、競技で勝利するために登場した車です。このモデルは年式も新しく、イベント等でもよく目にすることが多いでしょう。今回は、ランサーエボリューションⅨのスペックやカスタム例を紹介します。
ランサーエボリューションⅨってどんな車?
ランサーエボリューションシリーズ
ランサーエボリューションⅨは、高性能なターボエンジンを搭載した4輪駆動モデルとして有名なランサーエボリューションシリーズの9代目に相当します。
ランサーエボリューションは「ランエボ」や「エボ」と呼ばれることが多く、ランサーエボリューションⅠからランサーエボリューションⅩまで全部で10代にわたって販売されました。一般的に、ⅠからⅢ、ⅣからⅥ、ⅦからⅨ、そして最後のⅩの4世代に分けられます。今回紹介するランサーエボリューションⅨ(以下、ランエボⅨ)は、第3世代の最終型です。
なお、CARTUNEではランエボⅦ、頭文字Dに登場するランエボⅢ、頭文字DのランエボⅣからⅦのカスタム記事も公開しています。こちらもぜひご一読ください。
ランサーエボリューションⅨ
ランエボⅨは、三菱自動車が2005年から販売したスポーツセダンです。ランエボⅠの時代から受け継がれてきた名機4G63エンジンを搭載する最後の型であり、限定生産という販売形式をとった最後のランエボでもあります。
歴代ランエボの中でも人気が高く、自動車愛好家からは親しみを込めて「エボⅨ(ナイン)」と呼ばれることが多いです。後述のように、ワゴンモデルやAT仕様の設定などでランエボの間口を広げたモデルでもありました。
2Lターボ最強エンジン!4G63
ランサーエボリューションⅨの心臓は、4G63型2L直列4気筒ターボエンジンです。その特徴である鋳鉄製の頑丈なエンジンブロックは、過激なチューニングに耐えることを可能にしています。また、ランエボⅨから搭載されたMIVEC(連続可変バルブタイミング機構)のおかげで、マニュアルトランスミッション車の最高トルクがランエボⅧの40.8kg・mから41.5kg・mまで向上しました。
残念ながら、ランサーエボリューションⅩにはオールアルミブロックの4B11エンジンが搭載されたため、ランサーエボリューションシリーズに4G63エンジンが搭載されるのはこれが最後になりました。しかしながら、熟成された完成度の高さとアフターパーツの豊富さが魅力でもあります。
ランサーエボリューションⅨのグレード&スペック
グレード紹介
ランエボⅨの主要グレードは以下の通りです。ここでは、それぞれの価格や装備を比較検討します。
- 公道走行を前提に快適装備を備えたランサーエボリューションⅨGSR
- 快適装備を採用しつつ価格を抑えたランサーエボリューションⅨGT
- 競技用ベースモデルで快適装備や電子制御を取り除いたランサーエボリューションⅨRS
- ランエボ史上初めてのワゴンモデルとなるランサーエボリューションワゴンGT
- ATのランサーエボリューションワゴンGT-A
基本スペック
全てのグレードで以下のスペックは共通です。
- エンジン種類:直列4気筒DOHC16バルブICターボ・1997cc
- エンジン形式:4G63MIVECターボ
- 駆動方式:フルタイム4WD
- サイズ:全長4490~4530mm×全幅1770mm×全高1440~1480mm
- ホイールベース:2625mm
ランサーエボリューションⅨGSR(2005年3月)
ランサーエボリューションⅨGSRは、快適装備を搭載した最上級グレードです。快適装備のために車重が重くなっていますが、それでも十分以上の性能を誇ります。なお、セダンで6速マニュアルトランスミッションを選択できるのは、GSRだけです。
- 新車価格:3,570,000円
- 最高出力:280ps(206kW)/6500rpm
- 最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/3000rpm
- 車両重量:1410kg
- 変速機:6MT
- 標準装備:フロントフォグランプ、キセノンヘッドライト、助手席エアバッグ、ABS、EBD(電子制御動力配分装置)、エアコン(フルオート)、パワーウインドウ、集中ドアロック
ランサーエボリューションⅨGT(2005年3月)
ランサーエボリューションⅨGTは、快適装備と値段のバランスの取れたグレードです。ランエボⅧまではGSRとRSの二本立てだったランエボに新しく追加されました。
- 新車価格:3,138,000円
- 最高出力:280ps(206kW)/6500rpm
- 最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/3000rpm
- 車両重量:1390kg
- 変速機:5MT
- 標準装備:助手席エアバッグ、ABS、EBD(電子制御動力配分装置)、エアコン(フルオート)、パワーウインドウ、集中ドアロック
- オプション装備:フロントフォグランプ、キセノンヘッドライト
ランサーエボリューションⅨRS(2005年3月)
ランサーエボリューションⅨRSは、競技走行のベース車両です。国内のラリーやダートトライアルで活躍するランサーエボリューションⅨは、ほとんどRSでしょう。軽量化のためにエアコンやパワーウインドウまで排除した仕様は、戦う車としてのランエボらしい姿を見せてくれます。
- 新車価格:2,940,000円
- 最高出力:280ps(206kW)/6500rpm
- 最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/3000rpm
- 車両重量:1320kg
- 変速機:5MT
- オプション装備:助手席エアバッグ、ABS、EBD(電子制御動力配分装置)、パワーウインドウ、集中ドアロック
ランサーエボリューションワゴンGT(2005年9月)
ランサーエボリューションワゴンGTは、実用性の高さが魅力です。フラットで広い荷室があるだけでなく、ラゲッジスペースにアクセサリーソケットが用意されるなど、アウトドアでの利便性も考慮された設計となっています。グレード名はGTですが、6速マニュアルトランスミッションが採用されるなど、装備面ではセダンのGSRに近いグレードです。
- 新車価格:3,465,000円
- 最高出力:280ps(206kW)/6500rpm
- 最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/3000rpm
- 車両重量:1500kg
- 変速機:6MT
- 標準装備:フロントフォグランプ、キセノンヘッドライト、助手席エアバッグ、ABS、EBD(電子制御動力配分装置)、エアコン(フルオート)、パワーウインドウ、集中ドアロック
ランサーエボリューションワゴンGT-A(2005年9月)
ランサーエボリューションワゴンGT-Aは、オートマチックトランスミッション仕様です。「ランエボに乗りたいが、AT車限定免許しかない」「高出力の車をマニュアルトランスミッションで乗りこなせるか不安だ」という声に答えたモデルとなっています。ナンバープレート取付位置がバンパー中央にある点が、ランサーエボリューションワゴンGTとの違いです。
- 新車価格:3,412,500円
- 最高出力:272ps(200kW)/6500rpm
- 最大トルク:35.0kg・m(343N・m)/3000rpm
- 車両重量:1540kg
- 変速機:5AT
- 標準装備:フロントフォグランプ、キセノンヘッドライト、助手席エアバッグ、ABS、EBD(電子制御動力配分装置)、エアコン(フルオート)、パワーウインドウ、集中ドアロック
ランサーエボリューションⅨ MR(2006年8月)
2006年8月に、ランサーエボリューションⅨに代わってランサーエボリューションⅨ MRが登場しました。Mitsubishi Racingの名前を冠したモデルで、GSR・RS・ワゴンGT・ワゴンGT-Aの4モデルが販売されました。エンジンや足回りのチューニング変更だけでなく、空力や内装まで全面的に改良が施され、総合力がさらに向上しています。
希少価値の高さから中古車価格もランエボⅨより高価です。ランエボⅨのバージョンの一つという位置づけながら、ランエボ9.5と表現されることもあります。
カスタム紹介
CARTUNEユーザー所有のランサーエボリューションⅨを編集部が紹介します。新しいカスタムの方針に悩んでいる皆さん、参考になるカスタムを見つけてください!
ふりすくさんのランサーエボリューションⅨ カスタム例
ふりすくさんのランエボⅨは、オーバーフェンダー・カナード・ボンネット・ウイングなど、あちこちに速さを感じさせるカスタムが施されています。銀に黒というシンプルな色の組み合わせも相まって、圧倒的な存在感を放っています。
doridori101さんのランサーエボリューションⅨ カスタム例
doridori101さんのランエボは、三菱自動車がSUVに設定したアクティブギアシリーズのオレンジ色をアクセントカラーとして使用しています。おしゃれに存在感を演出できるこのカスタムは、カスタム初心者にもお勧めです。エアロミラーやバンパーダクトの装着も特徴的です。ダイヤモンドテクニックのウイングとWRカー風のALEX製ライトカバーは、この車の印象をがらりと変えるアイテムでしょう。
koodaiさんのランサーエボリューションワゴン カスタム例
低い車高に深いリムが印象的なホイールで圧倒的な存在感を感じさせます。ボディサイドやウィンドウに貼られたステッカーも個性を主張しています。スーパーカーや音響にこだわった車が多い大黒PAでもひときわ目立つ一台です。
のすおぢさんのランサーエボリューション
まずはのすおぢさんのランエボⅨを紹介します。このランエボに組み合わされているホイールはレイズのVOLKRACING TE37SLです。走り向けのモディファイが主に行われているのすおぢさんのランエボですが、とても綺麗に仕上げられているためドレスアップカーとしても通用しそうです。そんなランエボに走り向けホイールの定番であり、かつシンプルで美しくデザインされたTE37が見事に花を添えていますね。
おわりに
いかがでしたか?ランサーエボリューションⅨは、比較的新しい車両で中古車も比較的たくさん存在します。また、硬派なスポーツモデルだけではなく、AT車や実用性の高いワゴンモデルも設定されました。興味を持った方は、是非情報を探してみてください。