2018年02月27日 (更新:2020年07月06日)
純正ミッションVSクロスミッション!なぜクロスミッションを組むのか、徹底解説
クロスミッションという言葉を聞いたことありますか。ゲームや、雑誌などに掲載されているのを目にしたり、実際に自分の車に搭載している人もいるかと思います。逆に言葉は聞いたことあるけれども、あまり深く理解はしていないという人も多いのではないでしょうか。今回はそんなクロスミッションの仕組みやメリット・デメリットそしてCARTUNEユーザーのカスタム例を紹介していきます。
クロスミッションとは?
変速比
クロスミッションについて説明する前に、まず変速比(ギア比)について知っておく必要があります。変速比(ギア比)とは簡単に説明すると、(1)入力側のギアの歯数と、(2)出力側のギアの歯数の比を表します。例えばインテグラDC2(タイプR)の1速の変速比は3.230です。これは、エンジン側が3.230回転すると、ミッションの出力側が1回転するということです。
そのため、例えば1速と2速の変速比が離れていれば離れているほど、変速時の回転数の差は大きくなります。
変速比とクロスミッションの関係
クロスミッションとは、純正の変速比に比べて、ギア間の変速比が近いものを指します。例えばインテグラDC2(タイプR)の場合を考えてみましょう。純正の変速比は以下の通りです。
- 1速:3.230
- 2速:2.105
この時2速の変速比を2.30に変えてあげると、1速から2速にシフトアップした際の回転数の差が約1割ほど小さくなります。インテグラDC2(タイプR)のレブリミットは8500rpmです。純正のギア比だと、1速8500rpmからシフトアップすると、2速では5540rpmになります。2速のギア比を2.30のクロスギアに変更すると、1速8500rpmからシフトアップすると、2速は6070rpmでつながるようになります。
クロスミッションのメリット
クロスミッションのメリットとしては、パワーバンドを外さずに走行できるという点です。例えば純正ギアだと、1速から2速に上げた際、どうしても回転数が落ちすぎてパワーバンドを外してしまいますよね。車には、エンジンのトルクとパワーのピーク値があります。この二つの要素は、エンジン回転数によって決まります。例えば、インテグラDC2(タイプR)の場合だと以下のようなエンジンパワーとトルクの値になります。
- 200ps(147kW)/8000rpm
- 19.0kg・m(186.3N・m)/6200rpm
つまりインテグラDC2(タイプR)の場合パワーバンドは大体6000rpm~8000rpmとなります。そのためインテグラDC2(タイプR)の純正ギアを使用している場合、2速が5540rpmで繋がるので、パワーバンドを外してしまうことになります。2速をギア比2.30のクロスギアに変更し、1速からのシフトアップ時6070rpmで繋げてあげるようにすることで、パワーバンドを外さずに走行することが可能になります。
クロスミッションのデメリット
クロスミッションのデメリットは大きく分けると二つあります。
- コース別のセッティングになる。
クロスミッションのギア比は通常、走行するコースに合わせることが一般的です。例えばきついコーナーが続くようなコースレイアウトでは、ギア比を近づけてあげることが一般的です。しかしこのようなクロスギアで、高速コースレイアウトは走りづらいでしょう。なぜなら時にはシフトアップ・シフトダウンの回数が増えることは、タイムロスにつながるからです。一つのコースでは最適なギア比でも、別のコースには合わないというのがクロスミッションのデメリットの一つです。
- 燃費の悪化
もう一つのデメリットは燃費の悪化です。街乗りでは、通常ギア比よりも回転数が高めで走行することになるため、燃費の悪化は避けられません。
CARTUNEユーザーのクロスミッションカスタム例
juuuunさんのトヨタ カローラレビン ハチロクカスタム事例
タカタテクノサービス 3速クロスミッション
1速 2.718 2速 1.871 3速 1.381
4〜5速はノーマル。
3速ギアはビッグモジュールタイプとかいう強化ギア。
ファイナルは現在4.778
クロスにしてとても走りやすくなりました。 街乗りも余裕です。あとは壊れないで欲しいです...