2020年08月05日
ホンダS2000の中古車を買いたい!購入時に確認すべきポイントとは?
VTECエンジンで世界を唸らせたホンダが20世紀最後にリリースしたスポーツカー。それがS2000です。オープンエアドライブの楽しみとFR・VTECエンジンの走りの愉しみを組み合わせた最強コンビで今も根強い人気を誇ります。そんなS2000を今から手に入れたいあなたのために、中古車選びのポイントをまとめました。
S2000ってどんなクルマ?
S2000は本田技研工業の創立50年の節目となる1998年に発表されました。S500、S600、S800に続くホンダの「S」シリーズとして29年ぶりとなるFRスポーツカーの誕生でした。
2L(後期型は2.2L)VTECエンジンに6速MTを組み合わせ250PSを発揮。スポーツ志向を示すように最後までATの設定はありませんでした。
また、オープンカーでありがちな剛性不足を解消すべくフレームに大規模な補強を加えクローズドボディ並の剛性を実現しています。
あのNSXと同じ工場(高根沢・鈴鹿)で2009年まで生産されていました。
AP1・AP2などの生産時期によるS2000の違いとは?
ひとくちにS2000といっても、多くのクルマがそうであるように生産時期によって細かい違いがあります。中古車選びの前におさえておきましょう。
前期型(AP1)1999/04~2005/11
一般にAP1と呼ばれるのが前期型のS2000。2LのF20Cを搭載し排気量では後期型に及びませんが、レッドゾーンが9000回転からに設定されておりより高回転型のパワーユニットとなっています。
ライト・バンパー類の意匠変更はAP2になってからではなく、AP1の時期のマイナーチェンジで行われています。
AP1-100、110(1999.4~2001.9)
最初期生産モデル。リアウィンドウはアクリル製です。
可変ギアレシオステアリング“VGS“を搭載した「タイプV」も設定されています。
- 中古車相場:120万円~150万円
AP1-120、130(2001.9~2003.10)
リアウィンドウが熱線入りのガラス製に変更されました。また、フロントウィンドウ周りがブラックアウトからボディ同色に塗装されるようになりました。
- 中古車相場:160万円~190万円
AP1-130、135、200(2003.10~2005.11)
ビッグマイナーチェンジとして外観を大幅に刷新。前後バンパー、ヘッドライト、リアコンビネーションランプが変更に。メーターデザインも一部変わっています。更にタイヤサイズも16インチから17インチへ。
- 中古車相場:180万円~250万円
後期型(AP2)2005/11~2009/09
後期型のS2000はAP2と呼ばれ、2.2Lに排気量を拡大したF22Cが搭載されています。
AP1と比べレッドゾーンが8000回転からに設定され最高出力も若干ながら落ち込んでいますがその分、常用域の低中速トルクを豊かにすることで乗りやすさも向上させています。また、スロットル制御が機械式から電子式のDBWとなったのもトピックです。
AP2-100(2005.11~2007.10)
AP1最後期からの変更点は外観上はほとんどありません。
- 中古車相場:200万円~300万円
AP2-110(2007.10~2009.9)
スタビリティコントロールシステム”VSA”が標準装備に。アルミホイールのデザインが変更。専用フロントスポイラーと大型リアスポイラーが特徴的な「タイプS」が設定されました。
- 中古車相場:320万円~370万円
- 中古車相場(タイプS):400万円
購入前にここをチェック!S2000のウィークポイント
幌の状態
購入後にハードトップを装着するにしても、幌の状態を確認することでその個体がどのような保管状態にあったかがおおよそわかります。新品交換されているものも多いので確認しておきましょう。
シフトフィール
冷間時だけでなく、試乗をお願いして温間時のシフトの入りも確認しておきましょう。
吹け上がり
高回転型のエンジンを搭載しているため低回転域中心に使用していたクルマは吹け上がりがスムーズでないことがあります。
またVTECの切り替わりを制御するスプールバルブ関係はトラブルになりやすい箇所なので可能であればきちんと切り替わるかどうか確かめさせてもらいましょう。
サーキット走行履歴があるかどうか
S2000の中古車で多いのがサーキット走行経験アリの個体。足回り中心にダメージが進行しているものと考えてください。目視や試乗では確認しづらいので長く乗られるつもりなら避けたほうが無難でしょう。
S2000に限った話ではないですが、
- 油脂類の漏れチェック
- 修復歴のあるクルマはきちんと治っているか(履歴が残っているか)
も忘れずに行いましょう。
予算別!あなたにオススメのS2000は?
予算~150万、とにかくS2000が欲しい!
最初期型のAP1-100/110をおすすめします。
年式、距離はかさんでいる個体がほとんどですが、タマ数も一番多く、選ぶ幅は広いでしょう。
予算200~250万、S2000の「美味しいトコロ」を味わいたい!
こんなあなたにはAP1最終型、AP1-130/135/200をおすすめします。
人気のマイナーチェンジ後のデザインと9000回転まで吹け上がるF20Cエンジンを両立している点が魅力です。中古市場でも人気なようでやや高値傾向ではありますが、高年式のAP2と比べればお得感があります。
同じF20Cエンジン搭載の初期型を購入し、余った予算を各部レストア・ドレスアップに回すのも賢い選択肢と言えます。
予算にはこだわらない!最良のS2000が欲しい!
最後期型のタイプSをおすすめします。外見上の変更点だけでなく専用チューニングのサスペンションなどまさにS2000の集大成的モデルです。