2017年11月16日 (更新:2020年06月03日)
ダブルウィッシュボーンサスペンションVS普通のサスペンション!実は種類もいろいろあります!
スポーツカーや高級車に使われるダブルウィッシュボーンのサスペンション。どのような利点があるのでしょうか。思わぬ欠点も?構造から詳しく解説します!
ダブルウィッシュボーンとは?
そもそもダブルウィッシュボーンとは、サスペンションの形式のひとつです。サスペンションは車を支える重要な部品ですが、その形状によっていくつかの種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
ストラット
サスペンション自体がアッパーアームを兼ねる構造のサスペンションです。部品点数が少なく、コストが安く抑えられるため多くの量産車に採用されています。とはいっても、決してスポーツ性能に劣るということはなく、バネ下重量も削減できることからスプリンタートレノやシルビア、インテグラタイプR(DC5)などスポーツカーでの採用例も多いです。構造が単純なので、カスタマイズ・セッティングの幅も広いのもいいところですね。
ダブルウィッシュボーン
今回ご紹介するサスペンション形式です。
マルチリンク
ダブルウィッシュボーンのサスペンションを発展させ、さらにアームの数を増やした構造になっています。複数のアームでサスペンションを支持しているので路面追従性に優れ、アライメントの変動の少ない安定した走行を実現しています。
欠点はやはり部品点数が多く構造が複雑なこと。重量もコストもかさんでしまいます。開発したメルセデス・ベンツの車や、ポルシェ911など、採用されるのはリアが多いです。国産車ではR32以降のスカイラインGT-R(フロント・リアとも)が有名です。
トーションビーム
他のサスペンション形式とことなり、左右で一体型となっている「車軸懸架式」と呼ばれるサスペンションです。(ダブルウィッシュボーンは、左右それぞれに独立した構造をもつ「独立懸架式」に分類されます。)構造が一番単純でコストも安く、省スペース性にも優れていることから、軽自動車から普通乗用車まで幅広く採用されています。
とはいえ、デメリットもあり、路面追従性に劣る事が挙げられます。そのため、殆どの場合リアに採用されています。かつてはスポーツ性に欠けるサスペンション形式として評価は芳しくありませんでしたが、技術開発が進み、よりスポーツ走行に適したセッティングを与えられるようになったことから、新型シビックタイプRやスイフトスポーツなどスポーツカーでの採用例も増えてきました。
ダブルウィッシュボーンはどんな構造なの?
ダブルウィッシュボーンのサスペンションでは、タイヤが取り付けられるハブを含む「ナックル」という部品を、V字型の2つの「アーム」という部品で上下から挟むように支持することで車体を支えています。
この2つのアームが鳥のさ骨(ウィッシュボーン)に見えることから、ダブルウィッシュボーンの名前が付けられました。
ダブルウィッシュボーンのメリット・デメリットとは?
ダブルウィッシュボーンのサスペンションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ダブルウィッシュボーンの一般的なメリットは、
- 多数の部品で構成されているので剛性が確保しやすい→操縦安定性の向上
- タイヤの上下動によるキャンバー角(正面から見たときの地面との角度)の変化が少ない→安定したグリップ力、乗り心地の向上
- サスペンション設計・チューニングの自由度が高い
といった点が挙げられます。
一方で、
- 部品点数が多いためコストが嵩む
- 部品点数が多いためばね下重量もかさむ
- 構造が複雑なため搭載に必要なスペースも多く必要になる
といったダブルウィッシュボーンのデメリットもあります。以上の特徴から、ダブルウィッシュボーンのサスペンションは、細かいセッティングの変更が求められるレーシングカーを始め、コストをかけることのできる高価格帯のスポーツカーや搭載スペースに余裕のある高級車に採用されることが多いです。
終わりに
車好きコミュニティ『CARTUNE』には、車の投稿がたくさん!ダブルウィッシュボーン方式のサスペンションを搭載した車も多数投稿されているので、チューニングの参考になるかも?あなたもアプリをインストールして参加しましょう!