2017年11月14日 (更新:2018年05月23日)
純正インタークーラーVS社外インタークーラー!改造例や洗浄のやり方も紹介!
ターボ車には必ずと言っていいほど装着されているインタークーラー。ボンネットを開けると存在感を放っていることも多いです。今回はそんなインタークーラーの構造や仕組みを知りながら、洗浄のやり方などを知っていきましょう!
インタークーラーの効果・役割
早速インタークーラーの役割を見ていきたいところなのですが、インタークーラーを知るためにはターボ車の仕組みについて知る必要があります。まずはそこからおさらいしていきましょう。
ターボ車の仕組み
以前のスーパーチャージャー特集でも紹介しているのですが、ノーマルの車のエンジンというのは排気量以上の空気を吸い込むことができません。この状態がNA(自然吸気, Natural Aspiration)と呼ばれるものです。ですがより多くの空気があれば、それだけ大きくたくさんの爆発が起こせます。そこで、通常よりも多くの空気を送り込んであげるために考えられたのがターボチャージャー(過給器)です。排気ガスでタービンを回して空気をたくさんエンジン内部に送り込んであげます。
どうして空気を冷やす必要があるの?
では、インタークーラーはターボ車にどうして、どのように装着されているのでしょうか。インタークーラーの役割としては、文字通り「タービンとエンジンの中間で空気を冷やす」というものです。これだけで言ってしまえば簡単な役割に聞こえてしまいますが、実は非常に重要な役割を務めているんです。
ターボ車はタービンで空気をよりたくさん送り込んであげる、と説明してきました。実は、空気を過給する過程で熱が発生しているんです。タービンで空気を圧縮することで送る空気の量を増やしますが、圧縮された空気は熱も圧縮しています。同じ体積の圧縮されていない空気よりも熱い状態です。
しかし、エンジンにとって送り込まれてくる空気が熱いというのは百害あって一利無しです!熱い空気というのは気球のように膨張していくので、酸素が散らばってしまいます。冷たい空気の方が酸素がギッシリ詰まっているので、しっかりと爆発してくれるのです。そのため、熱い空気をエンジンに送り込んで上手く爆発が起きない(ノッキング)のを防ぐためにインタークーラーが用意されているんですね。
インタークーラーのカスタム
そんなインタークーラー、実は車のカスタムでも人気のパーツだったりします!しっかり冷やせれば冷やせるほどパワーを出すことができるので、ブーストアップやタービン交換とはセットでカスタムしている方も多いみたいですね!ここではユーザーさんの愛車と共に、改造例をご紹介していきましょう。
前置きインタークーラー
インタークーラーの改造と言えば!の定番カスタム。バンパーのダクトから見えるインタークーラーがカッコいいですよね。
こちらはユーザー・Tsubasaさんの愛車GT-Rです!キレイなNISMO製のインタークーラーがカッコいいですね!性能アップだけではなく、ドレスアップの面でも大きく活躍してくれるのが前置きインタークーラーの特徴でもあります。
そしてこちらはユーザー・ぬぬぬぬさんのアルトワークスR。オイルクーラーも前方に設置しており、冷却系をフロントに集めているところに本気度を感じますね!
インタークーラーを前に設置するメリットとしては、走行中に最も風が当たる位置に変わるので冷却効率が大きく向上します。純正ではボンネットのダクトからしか来なかった風がガンガンと当たることになるので、冷却効率としては最高クラス。ですが、一般的にラジエーターの前に設置することが多いのでエンジンの水温管理にはより注意する必要があります。同時にラジエーターのサイズアップも検討してあげないといけませんね。
純正流用
インタークーラー改造のもう一つの定番です。サイズやパイプ経が同じで、より容量の多い車種のインタークーラーを装着してしまうというカスタムです。このカスタムは特別な改造が不要で取り付けられる、いわゆるポン付けであることがほとんどです。中古で購入すれば、社外品と比べてコストパフォーマンスは抜群!そんなマニアックな純正流用カスタムをご紹介します!
こちらは、ユーザーのKA@ep91さんが購入したFC3S用のインタークーラー。これを流用して、トヨタ・スターレットに装着することができるとのことです。
元の位置に装着されていますね!見るからに容量も大きくなっているのにそのまま付いているのは驚きです。他にも、レガシィにインプレッサの物を、180SXにシルビアS15の物を装着することができるという話もありますので、インタークーラーを強化したいという方は純正流用についても調べてみるとお手軽にパワーアップできるかもしれませんね。
インタークーラーのカスタムの注意点
容量を上げることでパワーも耐久性もアップ!という良いことづくめに見えるインタークーラーカスタムではありますが、実は気をつけなければならない点もあります。それは、「重量アップ」と「フィーリング」です。 インタークーラーの容量をアップすると、当然ですが重量も増えてしまいます。社外品はほとんどが前置きになるので、車の最先端に重量物を設置することになります。フロントが重くなるとそれだけフロントの向きを変えるのに大きな力が必要になるので、単純に曲がりにくくなってしまいます。
そして、容量を増やす時にパイプの経を大きくしたり位置が遠ざかったりすると吸排気のバランスが崩れます。それまでに同じタイミングで適切な量が送られていたところが社外品に交換したことで崩れてしまい・・・ということにもなりかねません。するとフィーリングが純正とは変わってしまい、パワーはあるけど乗りづらいということになりかねませんので要注意です。
インタークーラーのメンテナンス
インタークーラーはエンジンへ送られる空気の通り道なので、エンジンから出た汚いブローバイガスで段々と汚れていきます。ブローバイガスにはオイルや不純物が含まれていますので、それらがインタークーラーに詰まってしまうと冷却効率が下がり、最悪の場合ノッキングでエンジンブローということにもなりかねません。ハードな使い方をしているようであればメンテナンスをしたいところです。
インタークーラーの洗浄のやり方
インタークーラーの中を掃除する際は、ブローバイガスが通って溜まった汚れを溶かしたりすることで落とします。ここでは錆が発生する原因になるので、水を流し込むことはやめましょう。ホースや高圧洗浄機はフィンを潰すのでもっとNGです。インタークーラー洗浄の定番では、パーツ洗浄剤やホワイトガソリンを中に流し込むことで汚れを溶かします。これらの液体は揮発性が非常に高いので、火気には充分に注意してくださいね。洗い落とした液体の色が綺麗になってきたらしっかりと乾かして洗浄完了です。
インタークーラーの洗浄の注意点
インタークーラーの洗浄ですが、エンジンに空気を送り込むものですので清掃した後は万全の状態にしてから装着しましょう。中にゴミがあったり液体が残っていると、エンジンを壊すことになりかねません。清掃はインタークーラーの中と外、どちらを綺麗にするとしてもフィンを潰さないようしてくださいね。また、インタークーラーを外した後は車体のパイプをテープで防ぐなりして、ゴミが混入するのを防止してください。
終わりに
いかがでしたでしょうか。インタークーラーについて、少しでも情報が得られていれば幸いです。冷却系はエンジンを壊さないために非常に重要なパーツですので、小まめに状態を確認してあげてくださいね。カッコよくインタークーラーをカスタムしたいなら、まずは改造例をCARTUNEで探してみましょう!あなたもアプリをインストール!