2017年10月31日 (更新:2020年06月02日)
知っておけばドヤ顔で自慢できるカスタムシリーズ〜ヘルパースプリング編〜
レーシングカーやラリーカーのサスペンションに、メインスプリングとは別の小さいスプリングが付いているのを見たことはないでしょうか。ヘルパースプリングやアシストスプリングと呼ばれるこのスプリングは、サスペンションのセッティングの幅を広げてくれます。そしてヘルパースプリングは競技車だけでなく、一般車にも使用し、効果を得ることができます。今回はこのヘルパースプリングについて徹底解説させて頂きます。
ヘルパースプリングとは
概要
ヘルパースプリングとは、メインスプリングとは別に装着するサブのスプリングのことです。主に車高調整式サスペンションに装着します。ヘルパースプリングを装着することで、サスペンションセッティングの幅が広がります。異なる二つのバネレートを持つスプリングをサスペンションに装着することになるからです。
メインスプリングとヘルパースプリングの動き
バネレートの面でいうと、メインスプリングの方がヘルパースプリングよりも固いです。そのため、荷重をサスペンションにかけた際の動きとしては、まず最初にヘルパースプリングが線間密着します。ヘルパースプリングが線間密着するまでの間、バネレートは、合成ばね定数と呼ばれるものを計算して求められます。線間密着後はメインスプリングのバネレートで作用します。
合成ばね定数は、メインスプリングのバネレートよりも低くなります。そのためヘルパースプリングが線間密着するまでは、メインスプリングのバネレートよりも低いばね定数でスプリングが作用します。
ヘルパースプリングのメリット
ヘルパースプリングで車高調整の幅が広がる
ヘルパースプリングのメリットとしては車高調整の幅が広がるということです。例えば上記の画像を見てください。ヘルパースプリングなしの0G状態ではスプリングに遊びが発生しています。これではスプリングとしての機能を果たせていないので、スプリングシートを上げ、スプリングにプリロードをかけてあげる必要があります。しかしそうすることで、車高は上がってしまいます。ヘルパースプリングを入れた場合、ヘルパースプリングが遊びの部分を埋めてくれます。
ヘルパースプリングで乗り心地が良くなる
ヘルパースプリングを装着すると、ヘルパースプリングが線間密着するまでは、合成ばね定数が適用されると上記で述べました。合成ばね定数はメインスプリングのバネレートよりも小さくなります。基本的には1Gかかっているときのヘルパースプリングはすでに線間密着しています。ヘルパースプリングが伸びるのはサスペンションのストロークが伸びたときです。サスペンションのストロークが伸び、そして沈むまでの間、合成ばね定数が作用し、乗り心地がよくなります。
ヘルパースプリングで伸び側のストロークが確保できる
競技面のセッティングとしては、スプリングの自由長を変えることなく、伸び側のストロークを確保することができます。例えばダートトライアルやグラベルラリーでは伸び側のストロークも重要になってきます。バンプが多い道ではストロークが大きいほうがグリップが安定しやすいからです。
ヘルパースプリングのデメリット
ヘルパースプリングのデメリットとしては、セッティングを出すのが難しいということです。まず伸び側のストロークが足りない際、原因は多岐に及びます。原因を解決するための一つの選択肢としてヘルパースプリングを入れることが挙げられますが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
しかし、デメリットとしては以上です。そのため一般的な用途(車高を下げる、乗り心地を向上させる)といった点に関しては優れている製品だということができます。
ヘルパースプリングの主なメーカー
Swift springs
競技用スプリングメーカーとしてはとても有名なSwift springs。Swift springsの良いところはヘルパースプリングだけでなく、アシストスプリングというラインアップも揃えていることです。アシストスプリングはヘルパースプリングよりもバネレートが高いのが特徴です。
Tein
サスペンションでお馴染みのTein。ラインアップはSwift springsに比べ少ないものの、なんといっても値段が安いです。車高調整や乗り心地改善だけならTeinで十分かもしれませんね。
終わりに
いかがでしたでしょうか。車高調整や乗り心地で悩んでいる人は是非、装着してみてはどうでしょうか。どのヘルパーを入れればよいかはその車のレバー比やメインスプリングのバネレート等が関係してきます。不明な場合はショップ等に聞くようにしましょう。
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