オイルキャッチタンクの効果的な簡単カスタムを解説! | CARTUNEマガジン
オイルキャッチタンクの効果的な簡単カスタムを解説!

2017年10月31日 (更新:2023年01月12日)

オイルキャッチタンクの効果的な簡単カスタムを解説!

エンジンルームでキラリと光るオイルキャッチタンク。見た目のアクセントにぴったりですよね。ですがただのお洒落アイテムではなく、しっかりオイルをキャッチしてくれる優れものなんです。今回はその元であるブローバイガスや関係の深いPCVバルブについても解説していきます。

オイルキャッチタンクとは

まささんのレガシィツーリングワゴンBRGの画像
まささんのレガシィツーリングワゴンBRGの画像
引用元:まささんの投稿

オイルキャッチタンクはその名の通り、オイルを捕まえる役割を持った増設タンクです。オイルキャッチタンクが捕まえるオイルは、一般的にブローバイガスに含まれているオイルや不純物になります。では、ブローバイガスとは何か、どうやってオイルキャッチタンクに送られるのかを順に説明していきます。

ブローバイガスとは

ブローバイガスとは、エンジンで燃え残ってしまったガスのことです。本来、爆発した後のガスというのは燃焼室から排気され、浄化された後にマフラーから車外へ排出されます。

ただし、高回転でエンジンを使っている時など、何らかの拍子で燃調が乱れた時に空気とガソリンの混合気が燃えきらないで残ってしまうことがあります。

このブローバイガスは大気中に放出されると環境を悪化させてしまうことから、再度燃焼室へ送られることになっているのですが、オイルや不純物が含まれており環境だけではなくエンジンにとっても良くありません。そこで不純物や気化していたオイルをオイルキャッチタンクで捕まえてやるのです。

PCVバルブとは

燃え残って発生したブローバイガスは、PCVバルブやベンチレーションホースを通ってインテークに送られ、再び燃焼室へと吸気されます。どちらもブローバイガスを排出し、エンジンの圧力をコントロールしているものですが、この中でもPCVバルブはクランクケースから吸気をコントロールするサージタンクに繋がっているものです。

PCVバルブはクランクケースからガスが出る時にだけ開く弁が付いているのですが、ここが固着したり詰まってしまうとガスが外に出られなくなってしまいます。一般的にオイルキャッチタンクはPCVバルブと接続させることが多いです。

オイルキャッチタンクの仕組み

オイルキャッチタンクの働きとしては、ブローバイガスに含まれるオイルや不純物を溜めてやることです。では、どうやってこれらを捕まえているのでしょうか。

原理としては非常に簡単で、オイルキャッチタンクに届くまでにブローバイガスを冷やして気化していたオイルを液体に戻すことで分離を可能にします。オイルも不純物も気体より重いので、同時に空気中に放出されたら下に落ちていきますよね。オイルキャッチタンクの内部では、上部を空気の通り道にしてあげて、下部にオイルと不純物を落としてあげることで分離をしているんです。

オイルキャッチタンクの効果

OdenさんのCX-3DK5FWオイルの画像
OdenさんのCX-3DK5FWオイルの画像
引用元:Odenさんの投稿

次にオイルキャッチタンクを取り付けることで得られる効果について見ていきましょう。

オイルキャッチタンクはエンジンを保護する

ブローバイガスが再び燃やされるということは、そこに含まれるオイルや不純物も再び燃やされるということになります。本来の燃調とは異なる状態で爆発が起きてしまうので、エンジンに負担をかけてしまいます。

ですがオイルキャッチタンクを取り付けることでオイルや不純物を捕まえて再燃焼できるので、この負担を軽減させることができます。また、定期的にオイルキャッチタンクの中身を確認することでエンジンの状態を確認して寿命を延ばすことにも繋がります。

オイルキャッチタンクはエンジンルームの清潔を保持する

前の項目でも説明したように、ブローバイガスはPVCバルブやベンチレーションホースを通り、再びインテークのサージタンクやエアクリーナーに戻されます。普通の車であれば、ここで特に大きな汚れが発生したりということはないのですが、ブローバイガスに含まれているオイルや不純物でエアクリーナーが汚れてしまうこともあります。

また漏れ出すオイルの量が酷ければ、エアクリーナーボックスからオイルが漏れ出すこともあります。液化したオイルをオイルキャッチタンクで捕まえておければ、エンジンルームを綺麗に保つことができます。

オイルキャッチタンクはオイル漏れを防止する

レースで使う車輌には、オイルキャッチタンクの装着が義務付けられていることがあります。これはクラッシュが起きたり、トラブルが起きた時にエンジンからオイルが漏れ出すのを防ぐためです。普通の使い方をしていればこの効果はあまり必要がありませんが、サーキットに行くのであれば嬉しい効果ですね。

オイルキャッチタンクは熱ダレを防止する

ブローバイガスをインテークに戻して再燃焼させるということは、通常よりも温度の高い空気を燃焼室に送っているということになります。気球をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、温度の高い空気は膨張することで体積が増えています。

爆発に使うのは空気に含まれる酸素なのですが、体積が増えても酸素が増えるわけではありません。それなのに燃焼室のサイズは変わらないわけですから、空気の体積が大きければ大きいほど燃やせる酸素の量が少なくなってしまいます。

そして通常よりも酸素が少ないことで、通常よりもパワーが出なくなってしまうのです。オイルキャッチタンクを介して空気を冷やす事で、酸素の割合を増やしパワーダウンを防ぐことができます。

オイルキャッチタンクを選ぶポイント

たけやんさんのインプレッサ WRX STIGVBの画像
たけやんさんのインプレッサ WRX STIGVBの画像
引用元:たけやんさんの投稿

オイルキャッチタンクを取り付ける際には、いくつかのポイントに目を向ける必要があります。レースに出る方であれば、メーカーや材質、サイズに関して詳しい規定があると思いますのでレギュレーションを参照してください。ここでは、一般的に気をつけると良い点に目を向けていきます。

オイルキャッチタンクのホース・ニップル経

ホースはオイルキャッチタンクの取り付け口、いわゆるニップルのサイズに合わせて用意する必要があります。オイルキャッチタンクのニップルのサイズが、愛車のバルブのニップルと同じサイズかを確認しましょう。

サイズの違うホースをコネクターで繋げることもできますが、しっかりと密閉できずブローバイガスが漏れ出したりするおそれがあります。愛車のホース経やニップル経を測ってみて、どれを買うか判断しましょう。

ホースが付属されている場合、記載されているホースの大きさが内径なのか外径なのかにも注意が必要です。また、自分でホースを用意する場合は圧力がかかること、また熱いオイルが通ることを考えて耐圧、耐油ホースを選んでくださいね。

オイルキャッチタンクのサイズ

オイルキャッチタンクを買ってみたけど、エンジンルームに入らない・・・ということがあったりしますが、自分がそうなるのは嫌ですよね。まずは愛車のエンジンルームを見てみましょう。ターボ付きの車だとエンジンルームに余裕が無かったりします。

オイルキャッチタンクを取り付けできそうなスペースがあるかどうかを確認して、そこに収まるサイズのものを選びましょう。どのくらいオイルが出るかわからないし、大きい物が良いのかな・・・と思うかもしれませんが、普通はブローバイガスに含まれる不純物はごくわずか。無理をして大きいオイルキャッチタンクを取り付ける必要はありません。

オイルキャッチタンク取り付けのポイント

えーえすさんのアルトワークスHA36Sオイルの画像
えーえすさんのアルトワークスHA36Sオイルの画像
引用元:えーえすさんの投稿

ご自分の愛車に合うオイルキャッチタンクがわかったら、早速取り付け!・・・というわけにはいきません。取り付けにはいくつか注意点があります。

オイルキャッチタンクの取り付け位置

取り付ける位置を変えることで、オイルキャッチタンクの効果を発揮できるかどうかが変わってきます。前の項目で説明したように、気化していたオイルを冷やして液状に戻してやることが重要です。

そのため充分にブローバイガスを冷やせるほどの距離を作ってあげなければなりません。元のPCVバルブと同じか短い距離だと効果が充分に発揮できなくなってしまいます。そのため取り付け位置の候補がいくつかあるようでしたら、できるだけエンジンヘッドから離れた位置に設置してあげましょう。

オイルキャッチタンクの固定

オイルキャッチタンクの固定は安全のために必ず見ておかなければならないポイントです。オイルキャッチタンクを設置して、しっかりと固定できるかどうかを確認してください。固定は頑丈なステーを使ってボディに留めてあげると良いでしょう。

取り付けた後にぐらつきが無いか、動いていてどこかに当たって干渉していないか、周りにホースやタンクが巻き込まれないかという点に注意します。走行中に脱落することが無いように要注意です。

オイルキャッチタンクの取り付け方

最後にオイルキャッチタンクの取り付け方について説明します。取り付ける際にはクランクケースのブローバイガスを出している箇所(PCVバルブ等)から、インテークに繋がるパイプにかませるだけ。

単純ではありますが、車種によってはPCVバルブがわかりづらかったりすることもあるので、下調べは入念におこなってください。大切なのはしっかりとホースを取り付けることです。ホースが緩く取り付けられていると、走行中に抜けてしまったりエアが入ってアイドリング不調を招くこともあります。

ホースクランプやホースバンドを使ってしっかりとホースも固定しましょう。また取り付けたホースが折れ曲がっているとそこでガスが溜まってしまうので取り回しにも気を配ってください。

人気のオイルキャッチタンク

CUSCOストリートオイルキャッチタンク

ハルさんのインプレッサ WRX STIGDBの画像
ハルさんのインプレッサ WRX STIGDBの画像
引用元:ハルさんの投稿

クスコのオイルキャッチタンクは車種専用と汎用が販売されており、車種専用品を選べば問題なく取付け可能です。適合車種に関してはメーカーページで確認可能です。ユーザーの取り付け事例も併せてご覧ください。

クスコス・トリートオイルキャッチタンク適合表

86/BRZ用

ぴあすぱさんのBRZオイルキャッチタンクの画像
ぴあすぱさんのBRZオイルキャッチタンクの画像
引用元:ぴあすぱさんの投稿

[CUSCO]ZN6 86 FA20 2.0L用ストリートオイルキャッチタンク(容量0.6リットル/φ15ホース)【965 009 A】

ランサーエボリューション X

YA91さんのランサーエボリューションXの画像
YA91さんのランサーエボリューションXの画像
引用元:YA91さんの投稿
YA91のサムネイル
YA91

ブローバイガス対策にとマルシェさんで取付け。 エボだけでなく他車種での取付けが多いのと、値段もそこそこってことでこれに決めました^ ^ ドレンボルトは無いので、ステーから外してレベルゲージのホースを外してから抜く必要有り>_<リターンホースは別売りだったのでクスコ純正のを別途購入。 レイアウトは余裕少な目ですね^_^; 因みにこのタンク、2009年10月MC後は適合外なので、取付けを考えている方は御注意下さい~_~;

CUSCO クスコ ストリートオイルキャッチタンク ランサーエボリューションX CZ4A 2007年10月〜2009年09月 4B11 2.0T 4WD

スイフトスポーツ ZC33S

れおなるどさんのスイフトスポーツZC33Sオイルキャッチタンクの画像
れおなるどさんのスイフトスポーツZC33Sオイルキャッチタンクの画像
引用元:れおなるどさんの投稿
れおなるどのサムネイル
れおなるど

定番ですがクスコのオイルキャッチタンクを付けました。 スズキのエンジンは、ブローバイ多いイメージだし、待ちのりメインだしチョイ乗りも多いので、対策です。

CUSCO クスコ ストリートオイルキャッチタンク スイフトスポーツ ZC33S 2017年09月〜 K14C 1.4 FF MT

APIOオイルキャッチタンク

ジムニーと言えばAPIO。そんなアピオからはジムニー専用オイルキャッチタンクが販売されています。取付けブラケットやタンクサイズが考慮されているので購入してすぐに取付け出来る専用品はおすすめです。

ジムニーJB23

WKT117@Mediae LeonisさんのジムニーJB23Wオイルキャッチタンクの画像
WKT117@Mediae LeonisさんのジムニーJB23Wオイルキャッチタンクの画像
引用元:WKT117@Mediae Leonisさんの投稿
WKT117@Mediae Leonisのサムネイル
WKT117@Mediae Leonis

ついにアピオのオイルキャッチタンク付けたzeかなりめんどかった。 インタークーラー外さなあかんしホースは外れんしでかなり苦戦しました。 そのついでにブローオフバルブ のホースも戻しました。

アピオ ジムニー JB23 オイルキャッチタンク 2162-21 APIO

トラスト GReddy オイルキャッチタンク

フーガKY51

トラストのGReddyオイルキャッチタンクは汎用品のみの販売ですがトラスト製品だけ合ってしっかりした仕上がりで人気です。ただし、汎用品となるため車種ごとにサイズや取付け場所の工夫は必要ですので、購入前にしっかり確認しておきましょう!

英(jewel)さんのフーガKY51エンジンの画像
英(jewel)さんのフーガKY51エンジンの画像
引用元:英(jewel)さんの投稿
英(jewel)のサムネイル
英(jewel)

キャッチタンク💦 案の定…簡単には行きませんでした😂 ヒューズBOX移動して貰って何とか装着❗️M8ボルトを何ちゃってチタン化❗️ M6部分もコレで統一したくなっちゃったなぁ😅

TRUST トラスト GReddy グレッディ オイルキャッチタンク ショート 汎用タイプ 680cc 19φ (13500613

SARDオイルキャッチタンク

カスタムパーツでおなじみのSARDからは車種専用品と汎用品が販売されています。適合する製品がある場合は車種専用でお手軽に導入可能ですが、適合がない場合などは汎用品を使用してサイズや設置位置を検討してから購入しましょう!

▶SARDオイルキャッチタンクページ

S660

Bob_SatoさんのS660の画像
Bob_SatoさんのS660の画像
引用元:Bob_Satoさんの投稿
Bob_Satoのサムネイル
Bob_Sato

[オイルキャッチタンク汎用KIT〈TYPE-2〉] 通常走行のみであれば、気にする必要もそれほどないのでしょうが、サーキット走行等も行うのでブローバイガスの不純物除去のために導入。s660のエンジンはブローバイガスが出やすいようですし。 安価な製品もありますが、トラブルの原因になるのも怖いので、ほどほどのお値段で作りのしっかりしていそうなサードの「オイルキャッチタンク汎用KIT〈TYPE-2〉」を選択しました。 国内メーカー故の安心感と、内部にバッフルプレートがあるタイプで効率が良さそうという2点が選択の大きな理由です。 ホースニップルはφ12のものを選択。 ドレンボルトがないのが惜しいですが、レベルゲージパイプ部分を上手く利用できるようです。 ただ、s660はエンジンルーム内にスペースがあまりないので、もう少し小型の製品を選択した方が取り付けやすいです。

SARD オイルキャッチタンク汎用KIT<TYPE-2> φ9 29211

オイルキャッチタンクの取付方法

取付けはドライバーくらいで取付可能ですので非常に簡単です。ノーマルの状態であればPCVバルブからインテークへと伸びているホースを取り外し、ホースの代わりにオイルキャッチタンクを取付けるだけです。簡単ではありますがCARTUNEユーザーの投稿を元に取付け方法を順を追って見ていきましょう!

①設置場所を確認

イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
引用元:イカ焼きさんの投稿

車種専用であれば説明書に記載の場所となりますので問題はありませんが、専用品でない場合は設置場所をしっかり確認しておきましょう。場所選びの際に確認しておきたい事項は次の3つとなります。

  • 取付後もスペースに余裕はあるか?
  • 確実に固定が出来るか?
  • ホースは適度な長さでホースを接続出来る場所か?

②オイルキャッチタンクの設置

イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
引用元:イカ焼きさんの投稿

取付け場所の確認が出来たらオイルキャッチタンクの取付けを行いましょう。ホースを接続する前にタンクがしっかり固定されていることと、他のパーツに干渉していないかを忘れずに確認してください。

③PCVバルブホースの取り外し

はるさんのヴェルファイアANH20Wの画像
はるさんのヴェルファイアANH20Wの画像
引用元:はるさんの投稿

現在接続されているホースを取り外しましょう。元に戻す場合も考慮し、一式をまとめて保管しておくのがおすすめです。

③PCVバルブ→オイルキャッチタンクの接続

イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
引用元:イカ焼きさんの投稿

エンジンヘッド側からオイルキャッチタンクのIN側へとホースを接続します。車種専用品ではホースの径も問題はありませんが、汎用品の場合などは上記の画像の例の様にホース径の変換が必要な場合もあるので、やはり事前の確認が大切です。

④オイルキャッチタンク→インテークの接続

イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
イカ焼きさんのマークXGRX130オイルの画像
引用元:イカ焼きさんの投稿

最後においるキャッチタンク側からインテーク側のホースに接続を行えば作業完了です。ホースバンドに緩みが無いかなど最終チェックをしっかり行いましょう。また、オイルキャッチタンク導入後しばらく経った際に漏れが発生していないかも確認することをおすすめします。

終わりに

すけのこましさんのRCZT7R5F02オイルキャッチタンクの画像
すけのこましさんのRCZT7R5F02オイルキャッチタンクの画像
引用元:すけのこましさんの投稿

いかがでしたでしょうか?意外な効果を持っているオイルキャッチタンク。エンジンルームのお洒落だけではなく走行性能の向上も目指せます。ホースを別に用意してやれば、気軽に元に戻してやれるのも一歩を踏み出しやすいポイントですね。

自分ひとりでやってみるのは怖い、という方はCARTUNEのDIYベテランさんに質問してみるのも良いかもしれません。カスタムカーのコミュニケーションの場として、あなたもCARTUNEに参加してみませんか?

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