2019年06月11日 (更新:2023年02月28日)
LSDの種類や効果を徹底解説!ユーザーレビューも紹介します!
サーキット等でスポーツ走行をする際、車高調・ブレーキパッドなどの足回りと同じくらい重要なパーツに「LSD」があります。名前くらいは聞いたことはあるけどなんのためのパーツなのかよく分からない、どんな効果があるの?・・・そんなアナタのために徹底解説!
LSDとはどんなパーツ?
LSDはリミテッドスリップデフ(Limited-Slip-Differential gear)の略で、主にコーナリングの速度や安定性を向上させる足まわりのパーツです。通称「LSDデフ」と言われ、ドリフト走行やグリップ走行などのスピードを重視する走りを実現するためには必須のパーツとなっています。
LSDは「差動制限装置」
LSDの効果を説明する前に「差動」について解説する必要があります。LSDは、日本語に直せば「差動制限装置」、つまり「差動」を制限する装置ということになります。この「差動」とは、左右のタイヤの回転数の違いを吸収する働きを指し、タイヤと地面の抵抗差を左右でなくすように駆動力をうまく配分するもので、カーブを曲がる際など通常走行時に活躍するものです。
しかし、この「差動」によって、「駆動輪のどちらか片方が空転している状況ではエンジンのパワーが全く伝わらない」という問題点がでてきます。例えば、ぬかるんだ道などを走る際、一度片側のタイヤがスタックして空転を始めると、そのタイヤの抵抗はゼロ、ということになり、もう一つのタイヤの抵抗と合わせようとすべてのパワーがこの空転に注ぎ込まれてしまいます。
同じような理由で、スポーツ走行等で高い速度域にてコーナーを曲がる際、その遠心力で内側のタイヤが浮き気味になってしまうと、抵抗差からいくらアクセルを踏んでも加速してくれない事態に陥ってしまいます。このような状況を解決するのが、LSDの役割となります。
LSDの役割とメリット
LSDの効果としては、コーナリングのときだけ差動の働きを弱くしたりと、差動の制限が可能になります。LSDのより具体的な効果やメリットとしては、コーナリング中に、左右タイヤの接地面積が異なるときでもアクセルを踏み込んで抜けることができれば、コーナリング速度や安定性の向上につながり、確実にタイムアップにつながります。
また、ドリフト走行では通常走行時と逆に左右のタイヤが空転している状態を維持して走らせることが必要になるので、LSDの装着はもはや必須条件となってきます。
LSDの種類による違いは?
LSDといっても様々な方式があるので下記LSDについてそれぞれ説明して行きます。
- ビスカス式
- ヘリカル式
- トルセン式
- 機械式
- 電子制御式
1:ビスカス式
デフ内部に満たされたオイルの抵抗を利用し、極端な回転差を抑制するタイプです。
2:ヘリカル式
ヘリカルギアという歯車を利用し、回転差を抑制します。DC2インテグラタイプR、EK9シビックタイプR、S15シルビアスペックR(MT) などに標準装着されています。
3:トルセン式
ヘリカル式をさらに発展させたもので、様々な種類の歯車を組み合わせることでデフの効き具合を効果的に制御します。上位グレードの86/BRZ、ロードスター(MT)、FD型RX-7などに標準装着されています。
スポーツカーにメーカー標準・オプション装着されているLSDは街乗りでの快適性も考えて、3種類のいずれかが設定されています。
4:機械式
正確には以上挙げたすべてのタイプが機械式といえますが、一般的には多板クラッチを利用して制御するLSDを指します。効きが強く、また定期的なメンテナンスを要するため扱いづらく、サーキット走行専用と言えるでしょう。CUSCOやATS、OS技研のものが有名です。
機械式LSDの種類
機械式LSDにはアクセルオン・オフ時のそれぞれで効果を与えているか否かで1WAY、1.5WAY、2WAYの3種類が存在します。以下に基本的なおすすめタイプを記載しました。乗り方によっても大きく変わってくるところなので参考程度にどうぞ!
- 1WAY
アクセルオン時のみ作用します。オフ時には作用しないので、コーナー進入時に姿勢が乱れることも考えられます。それを利用して(タックイン)コーナリングするFF車にオススメ。
- 1.5WAY
アクセルオン時に加え、アクセルオフ時も若干作用します。ブレーキングでリアが乱れやすいFR車に向いています。
- 2WAY
アクセルオン時、オフ時とも作用します。アクセルコントロールを続けて姿勢を維持するFR車でのドリフト走行に向いているタイプと言えます。反面、アンダーステア(曲がりにくい)傾向になります。
LSDの効き始めるタイミング(イニシャルトルク)は調整が可能となっています。サーキット走行を突き詰めると、LSDの方式選択に加えてLSDの調整も必要になってきます。
5:電子制御式
車輌各部に設置されたセンサーを利用して得た情報をもとに、コンピュータが最適な駆動力配分を行うLSDです。有名な例では日産・スカイラインGT-Rに搭載されたアテーサE-TSや三菱・ランサーエボリューションシリーズに搭載されたAYCがあります。
CARTUNEユーザーのLSD交換のレビュー
スカイライン ER34
以前、上げてたスカイラインのパーツはNISMOの機械式LSD GT.Pro 2WAY でした☺️ カーツの2WAYのLSD入ってるんですが、バッキバッキうるさいのでNISMOに変更しました。 ここは好みですが、バキバキ言うより、ズズズって言う方が好みなので評判の良いNISMOに変更してみました! 結果、好みな感じに。走りはイニシャルをマイルド設定で組んで貰いましたので、ターンインで以前よりだいぶノーズが入るようになりました😊←カーツはイニシャル11kgでした😓 カーツのデフは知り合いの34乗りの子に譲りました👍 後は、慣らしして完了です✨
スイフトスポーツ ZC33S
まずフライホイールの超レスポンスアップ&回転の落ちが早くシフトポンポン入れられる気持ちよさに感動しました😇😇今までアップもダウンも回転合わせの待ち時間が半分以下になった感じです😎😎😎 フォルテックのMTオイルも最高でヌルヌルシフト入って行きますし引っかかり皆無で最高です!! そしてLSD効果は舵角つけてアクセル開けてくとグイグイそっちの方向へ引っ張られる感じで曲がってきますコーナリング速すぎてこえええ!! 今までは外に逃げるだけだったのに180度特性が変わっちゃった感じです最高ですわ!!しかもこれでほぼメンテナンスフリーというおまけ付き!! 機械式もおすすめですが僕は純粋タイム狙いまで行くより永く付き合えるヘリカルをめちゃめちゃおすすめしますよー!!これで十分だよ8割の人は多分(当社比w) 来月はエビス東に行ってきますーサーキットレビュー頑張ってきます!!
ランサーエボリューション Ⅵ
ヤフオクで中古エボⅤトランスファーを 落札して、相手方から直接メーカーへ、 配送手配して頂き、メーカーサイトで組付け、 LSDのトルク調整を行いました。 メーカーの味付け、かなりトルクを掛けていて、 ラリーアートLSDと比べて結構ハードで、 アクセル開けながらコーナーを曲がると、 グイグイ勢い良く曲がって行きます。
スープラ JZA80
純正のデフギアが故障したため修理ついでにLSDへの載せ換えをしてきました。 故障内容はデフ内部のピニオンギアの欠けで、恐らく金属疲労です。オイル交換で破片が出てきた時には焦りました。 初めは純正デフへの交換を考えていたのですが、80スープラの前期型RZ(6MT)は純正がゲトラグ製のトルセンデフとなっており、中古の数が少なく、売ってたとしても高額との事でしたので思いきってLSD化に踏み切ることにしました。 こちらの方が純正交換に近い値段で新品ギアが手に入る上に、性能アップにもなるので良い選択でした。 ちなみに、後期以降は国内製のデフが使われているそうです。LSDはKAAZの1.5WAYを入れました。 LSDは初でしたが、明らかに直進の安定性が良くなり、加速時のお尻の振れも減少しました。 加速感も良くなった気がします。
アコード ユーロR
os技研のスーパーロックLSDです。 セッティングはまだ吊しのままですが、踏めば良い感じに効いてくれてます。 オイルにもよりますが、町乗りではほとんどチャタリングしないので快適です! 初期投資はかかりますが、メンテナンスフリー(cl7はミッション脱着の
走りを極めるならLSD導入!
いかがだったでしょうか?LSDとひとことに言っても、様々なタイプがあること、どのような効果を期待して装着するものなのかがお分かりいただけたら嬉しいです!
車好きコミュニティ『CARTUNE』には、実際にLSDを装着したクルマに乗っている人の生の声がたくさん!是非カスタムの参考に見てください!