2024年08月20日 (更新:2024年09月05日)
準中型5t限定で積載車は乗れる?5トン限定免許をプロが解説します
車をガレージまで運びたい!サーキットまで運びたい!今回は準中型5t限定免許で積載車を運転できるのか、詳しく解説します。
準中型5t限定免許とは
準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る
免許証のオモテ面にこのような記載がある方の免許は準中型5トン限定免許と呼ばれます。
平成19年(2007年)6月2日から平成29年(2017年)3月11日以前に普通免許を取得した方に交付されているもので、普通自動車と一部の準中型自動車が運転できる免許です。
準中型5t限定免許で運転できる準中型車
この準中型5t限定免許では、以下の条件にあてはまる準中型車の運転が可能です。次の3つの条件すべてを、車検証上のデータで満たしている必要があります。
- 車両総重量:5t 未満(~4999kg)
- 最大積載量:3t 未満(〜2999kg)
- 乗車定員:10人 以下
準中型5t限定でも積載車に乗れるのか
運転しようとしている積載車が上記の3つの条件を車検証上で満たしており、なおかつ、実際に乗員や車両が載った状態でも満たしていれば、準中型5t限定免許でも運転が可能です。
しかしながら、現実的には準中型5t限定の免許では積載車の運転は難しいといえます。
車を載せると5tを超えてしまう
積載車は装備が多いためそもそも重く、車両総重量が5t以上のものがほとんど。5t未満の積載車はほぼ無いというのが現状です。
仮に条件に合うトラックを見つけたとしても、車を載せると多くの場合は車両総重量が5tを上回ってしまいます。こうなると、5t限定の免許では運転ができません。
車両総重量が5tを超えるケース
最大積載量2900kgの積載車に、車両重量2000kgの車を載せる
- 積載車の車両重量:3500kg
- 乗車定員の重量:3人(55kg×3=165kg)
- 載せる車両の重量:2000kg
- 車両総重量:3500+165+2000=5665kg
車両総重量が5tを超えないケース
最大積載量2900kgの積載車に、車両重量1200kgの車を載せる
- 積載車の車両重量:3500kg
- 乗車定員の重量:3人(55kg×3=165kg)
- 運ぶ車両の重量:1200kg
- 車両総重量:3500+165+1200=4865kg
5tを超えない場合は運転可能
積載車と載せる車両の組み合わせによって車両総重量が5tを超えない場合は、準中型5t限定免許で運転が可能です。
ただし重量的にはギリギリとなるためスペアタイヤを積むだけでも5tを超える可能性があり、注意が必要です。
そもそも貸してもらえない
積載車はレンタカー会社で借りることになりますが、準中型5t限定免許では積載車を貸りること自体が難しいといえます。
社内規定で決められていることが多い
ほとんどのレンタカー会社は、社内規定で積載車を準中型免許以上のドライバーにしか貸し出さないよう定めています。これは、準中型5t限定免許では最大積載量の5tを超えてしまう可能性が高いためです。
最大積載量が5tを下回る積載車もほぼ無いため、レンタカーで積載車を借りたいなら、5t限定ではない準中型以上の免許が必要と考えましょう。
積載車に乗るなら準中型免許を
積載車に車を載せると総重量が5tを超える可能性が高く、超えない場合でも5t付近となるため準中型5t限定の免許では不安が残ります。
準中型5t限定免許ではレンタカーを貸してもらえる可能性も低いため、積載車を運転したいなら5t限定の条件を解除し、準中型免許にレベルアップしましょう。
教習は8〜9万円ほど
すでに準中型5t限定(MT)免許をお持ちの方なら、教習所で4時間の運転教習を行い卒業検定に合格すれば限定解除が可能です。
費用は9万円前後とやや高いですが、今後の自由度が増すなら投資の価値アリ。ぜひ検討してみてください。