2023年03月02日 (更新:2024年08月28日)
ミッションオイルの交換方法を解説!DIYで交換してみよう!
ミッションオイルの交換はエンジンオイルの交換と同様にDIYユーザーでもできるメンテナンスの一つです。これを機会にミッションオイルの交換も是非トライして下さい。
ミッションオイルとは?
ミッションオイルはMT(マニュアルトランスミッション)車にとって重要な油脂のひとつです。MT(マニュアルトランスミッション)車は、いくつかのギアが組み合わさって動いていますが、このギアをスムーズに動かす潤滑材の役割を果たしています。
ギアの摩耗を防いだり、摩耗によって温度が上がらないようにするために欠かせない潤滑油で頻繁に交換する必要はありませんが、長年交換していないとミッションオイルの劣化によりギアの摩耗や温度が上昇し、最終的にはギアの故障につながり廃車の危険性もあるため、エンジンオイル同様に交換が必要となります。
ミッションオイルの交換時期
車の使い方や使用頻度によっても交換時期は異なるので一概には言えませんが、一般的に言われている交換時期は、おおよそ走行距離が2~3万キロが目安。走行距離が2万キロに達していなくても、ギアの入りが悪いと感じたら摩耗が進んでいる可能性があるためミッションオイルの交換をおすすめします。
ギアに何の問題もなかったとしても、2万キロを目安にするか、2年ごとに交換するようにしましょう。タイミングとしては車検の更新と同時に交換するのが良いかもしれませんね。
ミッションオイルグレードの選び方
ミッションオイルは、米国石油協会(API)が決めたGL規格というものがあり、GL-1~GL-6の6ランクに分けられています。ランクはミッションオイルの粘度によって分類されていますが、GL-1とGL-2は乗用車向けではなく、通常は使用されていません。乗用車に使われているミッションオイルのランクは、GL-3、GL-4。
- GL-3:ミッションオイルとして純正指定されていることが多いランクのオイル
- GL-4:軽い負荷から重い負荷まで対応できるランクのオイル
- GL-5:重い負荷が想定されたランクのオイル
「ランクの高いオイルの方が車にとって良いのでは?」と思いますが、オイルの規格は車によって指定されておりFF車とFR車でも必要とされる規格が異なります。基本的には説明書に明記されているメーカー指定の規格のミッションオイルを選ぶようにしましょう。
オイルグレードを変更する場合は事前にしっかりと情報収集を行った上でオイル交換を行うようにしましょう!
ミッションオイル粘度の選び方
ミッションオイルの粘度はエンジンオイルと同じSAE規格によって定められていますがミッションオイルとエンジンオイルの粘度測定方式が異なるため両者での粘度表示に互換性はないので注意が必要です。
ミッションオイルでの主な粘度は「75W-90」、「80W-90」、「85W-140」などといった粘度が使われており、一般的な後輪駆動(FR)や前輪駆動(FF)では「75W-90」が多く使われています。
ミッションオイルを選ぶ際はグレード選び同様に、まずは純正採用されている粘度と同じものを選ぶのがおすすめです。またオイルグレード同様に異なる粘度を選ぶ際は、シフトチェンジの操作感やサーキット走行の頻度などを元にカーショプのスタッフやCARTUNEユーザーに相談してみましょう!
ミッションオイル交換方法
まずはじめに全体の作業の流れを把握しておきましょう!
- 作業スペースを確保・必要な場合はジャッキアップを行いジャッキスタンドを掛ける
- ギヤボックスの上部側、給油側のフィラーボルトを外す
- 廃油トレーや廃油ボックスをセット
- ギヤボックスの下側・排出側のドレンボルトを外す
- 排油が止まった事を確認してドレンボルトを適正トルクで締める
- ギヤボックス上部の給油口より灯油ポンプなどを使って給油口から溢れるまで給油する
- 一旦給油を止め、ミッションオイルが行き渡るのを待つ
- 10分程度の後に再度給油口から溢れるまで給油を行う
- フィラーボルトを締める
1⃣作業スペースを確保・必要な場合はジャッキアップを行いジャッキスタンドを掛ける
車高が高い車では必要ありませんが、作業スペースがない場合はジャッキアップを行った後、ジャッキスタンドで固定しましょう!前後片側だけを上げてミッションオイルを交換するとミッションオイルが抜けきらずに交換の効率が落ちてしまいますので、しっかり車体全体を上げて作業を行って下さい。
また、ジャッキのみで車体を上げての作業は毎年事故が発生しているようにジャッキが下がってしまう可能性がありますので、ジャッキスタンドを4本使用して車体を固定して下さい。
2⃣ギヤボックスの上部側、給油側のフィラーボルトを外す
トランスミッションにはオイルを給油するための給油口とオイルを排出するための排出口が上下にあります。排油するためについつい先に排油口のドレンボルトを外してしまいそうですが、必ず給油口のフィラーボルトから外すようにして下さい。
その理由は、万一フィラーボルトの固着や破損などにより給油が行えない場合オイルを先に抜いてしまうと走行不可となってしまうためです。
3⃣廃油トレーや廃油ボックスをセット
排油はおおよそ2~3Lとなります。エンジンオイルの交換を行っている方ならエンジンオイルよりは少ないので同じ排油トレーなどが使用できます。
4⃣ ギヤボックスの下側・排出側のドレンボルトを外す
5⃣排油が止まった事を確認してドレンボルトを適正トルクで締める
トランスミッションのフィラーボルトやドレンボルトは万一ネジ山を破損などしてしまうとトランスミッションケースの交換が必要となり高額の交換費用が必要となります。このような重要なボルトを締める場合はしっかりトルク管理を行って作業するのがおすすめです。
6⃣ ギヤボックス上部の給油口より灯油ポンプなどを使って給油口から溢れるまで給油する
給油を行う方法はおおよそ3通り。作業スペースや車によってどの方法が行えるか違いますので、事前に給油口の場所などを確認して決めて下さい。
- サクションガンを使って給油
- 灯油ポンプで給油
- 電動ドリルポンプで給油
7⃣一旦給油を止め、ミッションオイルが行き渡るのを待つ
ミッションオイルはエンジンオイル等より粘度が高いため、一旦給油口からミッションオイルが溢れても、全体に行き渡っていない可能性があります。そのため一度ミッションオイルが行き渡るのを待ってから再度給油を行います。
8⃣10分程度の後に再度給油口から溢れるまで給油を行う
10分程度待った後に再度オイルが給油口から溢れるまで給油を行いましょう!
9⃣フィラーボルトを締める
最後にフィラーボルトを閉めれば完了です。もちろんこちらもトルクレンチを使用して規定トルクでしっかりトルク管理を行いましょう!
CARTUNEユーザーのミッションオイル交換レビュー
スバルBRZ
最近ミッションの1速が信号停止時になかなか入らず苦労してましたが、オイル排出して理由が分かりました! なんと排出オイルの色がドス黒緑色‼️おまけに全く透明感なしw 新たな新油は、茶色透明な綺麗なオイル♪ 試乗しましたが、 ミッションは、スコスコ入ります‼️ デフオイルは、転がり抵抗が無くなったかの様に、どんどん進んでビックリです‼️ まぁ、どちらも、早め早めの交換が必要だと思いました。
セリカ ZZT231
ミッションオイル交換後のフィーリングは上々です!シフトフィールも全体的にぬるぬるとなりました!しかし、2→3速にシフトアップした時に引っかかる感じが前からあって気になってたのですが、それは改善しませんでした…。シフトリンクケーブルかブッシュ類のヘタレから来てるんですかね…。
ミッションオイル交換に必要な工具
ミッションオイルの交換に必要な工具のは下記の通りです。ジャッキアップが必要ない場合はフロアジャッキとジャッキスタンドは不要となります。また電動ドリルポンプに短時間でミッションオイルが入れられるのでDIYユーザーに人気のアイテムです。
- フロアジャッキ
- ジャッキスタンド
- 廃油ボックス
- トルクレンチ
- 電動ドリルポンプ
フロアジャッキ
人気のARCAN3tジャッキとなります。デュアルポンプで楽にジャッキアップが行えデザインもスタイリッシュで人気があります。
ジャッキスタンド
3tまで対応できるジャッキスタンドです。車体を水平に保って作業する場合はこちらのセットが2セット必要となります。
廃油ボックス
人気のエーモンの廃油処理パック。廃油はそのまま捨てると違法となるため、廃油パックで確実に処理を行いましょう!
トルクレンチ
タイヤの取り外し等に使用する大きめのタイプではなく2.26Nm~22.6Nmの範囲に対応したトルクレンチです。LEXIVONはアメリカで人気んある工具メーカーでデザイン性が高く所有欲も満たしてくれる一品です。
電動ドリルポンプ
灯油ポンプでも交換は行なえますが、電動ドリルを持っている方ならこのポンプを使用することで数分で簡単に給油が行なえます。
ミッションオイルの交換はDIYでしっかり管理!
今回はミッションオイルの選び方から交換方法などを解説しました。MT車のオーナーは比較的メンテナンスもしっかり行っているオーナーが多いとは思いますが、しっかりオイル管理を行って行くことでこそ長く良いコンディションを保つ事が出来ます。
もちろん、オーナーの乗り方によって交換の頻度やミッションオイルの種類も異なって来ますので、基本はドライバーと車に適したメンテナンスを行うこと!ミッションオイルも定期的な交換を行うことで快適なシフトフィールを保つことがでd来ます。
カーメンテナンスは車によって様々な疑問が湧いて来ます。そんな時には是非同じ車種のCARTUNEユーザーに質問してみましょう!