2022年03月05日 (更新:2024年08月27日)
ヒューズで車が蘇る!DIYヒューズ全交換でリフレッシュ!
旧車のメンテナンスのひとつに挙げられるのがヒューズの全交換。切れていないヒューズを交換することに意味はあるのだろうか。
ヒューズとは
ヒューズとは、過電流から各電気機器や配線を守るために取り付けられている使い捨てのブレーカーのようなものだ。対象の機器がショートするなどして想定以上の電流が流れたとき、ヒューズが切れることで回路を遮断し電流を止めるようになっている。
ヒューズが切れる仕組み
ヒューズが切れる仕組みを簡単に表すと、過電流による溶断となる。たとえば10Aのヒューズの場合、10Aよりも多い電流がある一定時間以上流れることでヒューズのエレメント部が過熱して溶け切れ、回路が物理的に断たれる。
ヒューズは劣化する
20年経つとヒューズはこんな感じ。
ヒューズは通電することでわずかながらも熱をもち、この熱によって酸化し痩せてしまう。特に細くなっているエレメント部は電流が集中するため高温になりがちで、劣化が進行すると最終的には設定以下の電流で切れてしまうような事態に繋がりかねない。またヒューズボックスのコネクタと接触している端子部分も酸化して接触抵抗が増加していることが多く、これらが重なると機器に十分な電気が流れなくなってしまう。
ヒューズを交換して性能を復活させる
ヒューズを交換することで接触抵抗などが改善され通電ロスが減り、電気系統の性能をある程度取り戻すことができる。また、ヒューズ自体の劣化による唐突なヒューズ切れトラブルを防ぐことが可能だ。ヒューズはエンジンルームのヒューズボックスにある通常サイズのブレードヒューズだけでなく、車内にあるミニヒューズもひととおり交換したい。
スローブローヒューズも交換したい
スローブローヒューズとはヒューズボックスに刺さっている透明の窓がついた大きめのヒューズのことで、ヒュージブルリンクとも呼ばれる。このスローブローヒューズはヒューズの一種で役割自体は同じだが、大電流を必要とする機器のラッシュ電流(突入電流)を一定時間受け止めるために大型化されている。このスローブローヒューズがあてがわれる機器は重要なものが多いため、切れてしまうと自走不可となる可能性がある。古い車であればブレードヒューズと同時交換が吉だ。
これはチューニングではない
しかしここで勘違いしてはいけないのが、ヒューズを交換しても性能が新車以上に良くなるわけではないということ。劣化したものを新品に交換することでマイナスをゼロに近づけることはできるが、新車時以上の性能へジャンプアップするわけではない。あくまで性能の回復とトラブルの防止が目的であることを覚えておこう。
体感できるとは限らない
また、ヒューズを交換したとしても、効果を体感できない場合もある。ヒューズ交換の効果のひとつが通電ロス低減だが、効果を体感できた場合はそれだけヒューズ自体が劣化していたり、端子の接触抵抗が増えていたということ。もし効果を体感できなかったとすれば、それはヒューズの劣化や接触抵抗の増加がまだ発生していなかったということだ。
ヒューズ交換のやり方とコツ
バッテリーを外す
ヒューズの交換程度では感電したりする可能性は少ないが、念の為バッテリーのマイナス端子を外しておこう。これによって車内の時計やパワーウィンドウの初期設定がリセットされることがあるため、そちらは再度設定する必要がある。
写真を撮ってヒューズを抜く
ヒューズを抜く前に、どこにどのヒューズが取り付けられているかスマホで写真を撮っておこう。ヒューズボックスのフタなどの刻印を見ればわかるにはわかるが、車種によっては反転しているため作業がしづらい。
ヒューズはラジオペンチで引き抜いてしまってOK。付属のプラスチックのヒューズ抜きでは硬くて抜けないことがある。
接点復活剤を注す
ヒューズを取り外したら、ヒューズが挿さっていたコネクターに接点復活剤を塗布しておこう。接点復活剤は車両側の電気接点を回復させ接触抵抗を減らすことができる。ものによっては塗布してから数分待つ必要があるため使用方法をよく確認しよう。
新品ヒューズを取り付ける
新品ヒューズを画像を参考にしながら取り付けていく。ヒューズに印字してある数字が1方向に並ぶように挿すと一目でわかりやすい。
ヒューズボックスにはスペアのヒューズも数個挿さっているので、これも新品に交換しておこう。
バッテリーを繋ぎ直し各機能を点検
全て確実に差し終えたら、バッテリーを繋ぎ直してエンジンを始動する。ライトやワイパー、パワーウィンドウなどの電装系が元通り動くかを確認しよう。
ヒューズ交換の効果
ここからは、実際にヒューズ交換を行ったオーナーの事例を紹介。1つ数百円程度の部品だが、交換するだけで想像以上の効果があるようだ。
始動性が良くなった
そして本日のメインはヒューズ交換。もうこの子も16歳なのでリフレッシュします。巷で噂の何とかヒューズとかありますが、多分大して変わらないので純正にしました。大体全部で5000円くらい、これくらいなら大した出費じゃないですね。交換の効果は…とりあえず始動性が良くなりました!最近冷態時の始動がもたついていたのですが、瞬時にかかるようになりました。後はオーディオのノイズが軽減されました!ひょっとしたらと思ってましたが効果があったようで良かったです。
ライトが明るくなりウインカーのキレが良くなった
ヒューズをエンジン側と室内側で39個新品にしました。結論→めちゃくちゃクルマの調子良くなりました!走り出し1分で信号待ちのウインカーの音がめっちゃクリアになってる🤔 あとは吹け上がりがかなり良くなりました。加速がパワーアップしてる感じです。ライトも室内灯もかなり明るくなって、なんか全体的にクルマが元気になってます😊 これがヒューズ交換の力、、、
ヘッドライトのチラつきが直った
ヘッドライトがチラつく問題が前々からありまして、各部コネクター清掃、接点回復スプレーなどの処置をしましたが改善せず…。ヒューズ全取替をしたところ、ヒューズの接点がこんな感じで汚れていました。納車から(もしからしたら前オーナーの新車の時から)ヒューズは変えていないのでこうなっても仕方ないかな…。ヒューズを取り換えたところ症状はなくなりました!!
アクセルレスポンスが良くなった
前からやってみようと思ってたミニカのヒューズ交換しました。変えた感想は体感できるほどアクセルレスポンスが良くなってヘッドライトも明るくなりました( ̄∇ ̄)
踏んだ時のトルク感が増した
交換後走ってみて劇的に変化!街乗りだけだが感じることができるほど逆に街乗りだったから変化を感じられたのかな😄 おすすめのメニューですね👍🏻 グッと踏んだ時のレスポンス、トルク感が増した感じです。
ヒューズ交換におすすめのアイテム
接点復活剤
ミニ平型ヒューズセット
平型ヒューズセット
スローブローヒューズ
手軽にできる電気系統のメンテナンス
電気系統の劣化は非常にわかりづらく、ましてやヒューズなどほとんど目がいかないものだ。突然のヒューズ切れによるトラブルを未然に防ぐためにも、電気系統メンテナンスのひとつとしてトライしてみてはいかがだろうか。たとえ体感できなかったとしても、ヒューズの寿命がリセットされ、安心して乗れる車に仕上がっていることに間違いはない。