2021年12月19日 (更新:2024年08月27日)
バッテリー上がりの対処法|応急処置や原因、充電方法まとめ
突然エンジンがかからなくなるバッテリー上がり。冬場に多いバッテリー上がりの症状や原因、応急処置や復活方法まで徹底解説します。
エンジンがかからない!バッテリー上がりかも?
エンジンがかからなくなってしまったとき、誰もがバッテリー上がりを疑います。しかし、まずは冷静になって本当にバッテリー上がりなのかをチェックしてみましょう。
まずバッテリーの端子は緩みを確認!
バッテリー上がりで騒ぐ前にまず必ず確認しなければならないのが、バッテリー端子の緩みや外れ。端子から配線が外れていればエンジンがかからないのはもちろんですが、緩んでいるだけでも車はかなり調子が悪くなります。
手で配線を持ってぐいぐいとゆすってみて、動いたり外れてしまうのはNG。ゆるい場合は深く差し込んでから端子金具のボルトを締め直し、再度キーを回してみましょう。バッテリー上がりのような症状はこれで直ってしまうケースも多々あります。
バッテリー上がりの症状、本当にバッテリー上がりなのか?
バッテリーが上がった時の症状には次のようなものがあります。エンジンがかからずこれらの症状が発生している場合はバッテリー上がりの可能性が高いといえます。
- セルモーターが弱々しい、途中で止まってしまう
- エンジンルームからカチッと音がする
- エンジンをかけようとするとメーターが暗くなる
- ヘッドライトが暗い、ハザードランプが弱い
- パワーウィンドウが弱々しい、止まってしまう
- キーを回しても何も動かない、何も起きない
セルモーターが弱々しい、途中で止まってしまう
エンジンをかけるときに回るセルモーターの音が弱々しかったり、途中で「キュキュ、キュ…。」と止まってしまうようなケース。この場合はすぐにキーから手を離しましょう。そのまま回し続けようとするとモーター自体を壊してしまいます。
エンジンルームからカチッと音がする
キーを回したりスタートボタンを押すたびにエンジンルームから「コチッ」や「カチッ」っという音が聞こえてくるケース。車両によってはこの音が連続して鳴ることで「ババババッ!」というように聞こえることもあります。音が確認できたらすぐにやめましょう。
エンジンをかけようとするとメーターが暗くなる
メーターはいつも通り光っているのに、いざエンジンをかけようとするとメーターの明かりがフッと消えてしまうケース。消えると同時にセルモーターから「カチッ」と音がすることもあります。何度も繰り返さず、症状がわかったらすぐにやめましょう。
ヘッドライトが暗い、ハザードランプが弱い
ヘッドライトを点灯しても暗かったり、ヘッドライトとハザードランプを同時にONにするとハザードランプの点滅に合わせてヘッドライトが暗くなるケース。症状が確認できたら各ライトをOFFに戻しておきましょう。
パワーウィンドウが弱々しい、止まってしまう
パワーウィンドウが弱々しく動いたり、動いている途中で止まってしまうケース。特にウィンドウを閉める方向はかなりゆっくりになります。うまく上がらない場合は手を挟まないように注意しながら手でアシストして戻しましょう。
キーを回しても何も動かない、何も起きない
キーを回したりヘッドライトをONにしても一切何も起きないケース。これは完全にバッテリーがダメになってしまっている可能性があります。キーを回して何も起きなかったとしても、とりあえずキーを抜き、触れたスイッチを元通りに戻しておきましょう。
バッテリー上がりではなさそうな症状、別原因によるもの
エンジンがかからなくても、原因はバッテリー上がりではない可能性もあります。下記のの状態でエンジンがかからない場合、バッテリーは正常ですが別の箇所に問題がある可能性があります。
- たまに何事もなかったかのようにエンジンがかかる
- セルモーターは勢いよく回るのにエンジンがかからない
- セルモーターは回らないが、パワーウィンドウなどはいつも通り動く
- キーを回しても何も動かない、何も起きない
たまに何事もなかったかのようにエンジンがかかる
キーを回すと数回に一度何事もなかったかのようにセルモーターが元気に回りエンジンがかかるケース。これはバッテリー端子の緩みや、スポーツ走行用のキルスイッチなどのパーツが接触不良を起こしている可能性があります。
セルモーターは勢いよく回るのにエンジンがかからない
セルモーターはいつも通り回るのに、いっこうにエンジンがかからないケース。これはバッテリーではなく燃料系統や点火系統など別のシステムが故障している可能性があります。
セルモーターは回らないが、パワーウィンドウなどはいつも通り動く
ヘッドライトやパワーウィンドウは元気よく動くのに、セルモーターが回らないケース。これはバッテリーではなくセルモーター自体の故障やセルモーターのヒューズ切れ、キーシリンダーの故障などが考えられます。
キーを回しても何も動かない、何も起きない
キーを回してもなにをしても全く何も動かないケース。これはバッテリーの端子が外れてしまっているか、そうでない場合は故障箇所特定のために詳細な診断を行う必要があります。
バッテリー上がりの原因、なぜバッテリーは上がったのか
では、バッテリーはなぜ上がってしまったのでしょうか。バッテリー上がりの良くある原因には、次のようなものがあります。
- ヘッドライトやルームランプなどの消し忘れ
- ドラレコ駐車監視機能による電力消費
- オルタネーターの故障による充電不良
- バッテリー自体の劣化による寿命
ヘッドライトやルームランプなどの消し忘れ
バッテリー上がりの原因としてもっとも多いのがルームランプなどの消し忘れ。ルームランプを直接触っていなくても、半ドアでルームランプが点灯する車も存在します。小さなルームランプでも一晩点灯させれば結構な電力に。うっかりミスが国内のバッテリー上がりの最大の要因となっています。
ドラレコ駐車監視機能による電力消費
近年のドライブレコーダーには、駐車監視システムといってバッテリーの電力を使用して降車後も監視を行ってくれる機能があります。バッテリー残量次第でストップするようにはなっているものの、電力低下の要因となっているのは事実。設定やバッテリーの劣化状況によってはバッテリーが上がってしまうことがあります。
オルタネーターの故障による充電不良
車にはオルタネーターと呼ばれる発電機が搭載されており、バッテリーはこのオルタネーターが発電した電気で充電されます。そのため、このオルタネーターが故障するとバッテリーが充電されずバッテリー上がりを引き起こします。
バッテリー自体の劣化による寿命
バッテリー上がりはバッテリー自体の寿命も考えられます。およそ2〜4年で交換となるバッテリーですが、近年のバッテリーは非常に高性能で、寿命まであまりパフォーマンスが落ちません。そのためなんの前ぶれもなく突然寿命を迎えて上がってしまうケースも考えられます。
バッテリー上がりの応急処置や復活方法
バッテリーが上がってしまった場合、軽度なら再度充電すれば復活する可能性があります。下記のことを行い、バッテリーを充電してが復活するかテストしてみましょう。なお、これはバッテリー以外の部品が壊れていないことが条件です。
ジャンプスタートを行う
自動車教習所で習いますが、バッテリーが上がった車のエンジンを、故障車以外の電力を使用してかけることをジャンプスタートといいます。ジャンプスタートには、ブースターケーブルを使用して他車の電力を借りるやり方と、ジャンプスターターを使用したやり方があります。
ブースターケーブルでジャンプスタート
ジャンプスタートでは、ブースターケーブルを使用したやり方が主流です。これには故障車の車格に合ったブースターケーブルと、正常なバッテリーまたは故障車と同程度の排気量の別の車が必要です。
ジャンプスターターでジャンプスタート
ジャンプスタートをより簡易的に、自分1人でできるようにしたのがジャンプスターター。モバイルバッテリー機能を兼ね備えた大容量バッテリーで、ジャンプスタートはもちろんスマホなどのデバイスを充電することができます。
ブースターケーブルを使用したジャンプスタートのやり方
では、ブースターケーブルを用いてエンジンを始動する方法を解説します。
- 救援車を用意して近くに並べる
- 救援車のエンジンを切り、両車のバッテリーの位置を確認する
- ブースターケーブルを両車のバッテリーにつなげる
- 救援車のエンジンを稼働させる
- 故障車のエンジンをかける
- ブースターケーブルを取り外す
- ボンネットを閉める、バッテリーカバーを戻す
- 30分程度走行する
- 時間を空けて再度エンジンをかけてみる
救援車を用意して近くに並べる
まずは救援車を用意します。救援車は正常かつ自分の車と同じくらいの排気量の車を用意しましょう。救援者はブースターケーブルが届くよう故障車の近くに駐車します。
救援車のエンジンを切り、両車のバッテリーの位置を確認する
救援車のエンジンを切り、故障車と救援者のバッテリー位置を把握します。
ブースターケーブルを両車のバッテリーにつなげる
ブースターケーブルを、次の順序で救援車と故障車のバッテリーへつなぎます。
- 故障車のバッテリーのプラス端子に赤いケーブルをつなげる
- 救援車のバッテリーのプラス端子に赤いケーブルをつなげる
- 救援車のバッテリーのマイナス端子に黒いケーブルをつなげる
- 故障車のバッテリーのマイナス端子に黒いケーブルをつなげる
救援車のエンジンを稼働させる
ブースターケーブルをつないだら、救援車のアクセルを踏みエンジン回転数を1500~2000rpm程度にします。この状態で3〜5分ほどキープしましょう。故障車のバッテリーが充電されます。
故障車のエンジンをかける
救援車のエンジンは切らずに、故障車のエンジンをかけてみましょう。故障車のエンジンがかかったら、救援車のエンジンを切ります。
ブースターケーブルを取り外す
取り付けたときと逆の反対の手順でブースターケーブルを外していきます。
- 故障車のバッテリーのマイナス端子から黒いケーブルを外す
- 救援車のバッテリーのマイナス端子から黒いケーブルを外す
- 救援車のバッテリーのプラス端子から赤いケーブルを外す
- 故障車のバッテリーのプラス端子から赤いケーブルを外す
ボンネットを閉める、バッテリーカバーを戻す
ブースターケーブルが外れたら、ボンネットやバッテリーのカバーを元に戻しておきます。端子のゴムカバーはしっかりと戻しましょう。
30分程度走行する
ジャンプスタートでエンジンがかかったら、そのまま30分ほど走行しましょう。こうすることでオルタネーターによってバッテリーが充電され、バッテリーが復活するケースがあります。
このとき、渋滞の中をゆっくり走るのではなく40〜50キロ程度の速度で空いている道を走行するよう心がけましょう。またマニュアル車の場合、ひとつ下のギヤを使い2〜3000rpmのエンジン回転数を維持するとより効率よく充電できます。
時間を空けて再度エンジンをかけてみる
ある程度走行して充電したら、半日ほど空けて再度エンジンをかけてみましょう。ここでエンジンがかかればバッテリーは復活したとしてOK。かからなかった場合はバッテリーの交換が必要です。
人気の高いバッテリー銘柄(国産車用)
CARTUNEでも定評のあるバッテリーをいくつかご紹介。バッテリーの値段は車種によって異なります。(紹介商品は一例です。所有車両に合ったサイズを購入してください)
Panasonic caos(パナソニック カオス)
大容量且つ軽量化を実現したバッテリー。カーオーディオにもクリアな音質を提供します。
GS YUASA ECO.R Revolution(ジーエスユアサ エコ)
アイドリングストップ車対応。バッテリーの劣化による電圧低下を抑え、寿命末期までアイドリングストップ車本来の燃費性能を引き出します。
BOSCH PS Battery(ボッシュ PS)
週末あるいは短距離での使用の車に適したバッテリー。防爆フィルターを内蔵し、火花による引火爆発も防止します。
ATLAS BX(アトラス BX)
世界130カ国の信頼を持つATLASBX社製造による、バッテリーの充電状態がひと目でチェック可能なインジケータ内蔵のバッテリーです。
備えあれば憂なし
バッテリー上がりは冬に起こりやすく、毎年非常に多くの救援要請が寄せられます。
突然バッテリーが上がってもスムーズに対応できるようしっかりと予習しておきましょう。ブースターケーブルやジャンプスターターを用意しておくと、自車だけでなく友人の車を救援したりすることもできます。