GT-Rにも搭載されたハイテク技術!?HICASとは!

2019年08月19日

GT-Rにも搭載されたハイテク技術!?HICASとは!

label車雑学

日産独自のハイテク技術「HICAS」。サスペンションの四輪操舵システムとして開発されましたがご存知ない方も多いのではないでしょうか?今回は、気になるHICASについて解説していきます。

HICASとは

HICAS(ハイキャス)とは、1985年、日産が世界で初めて量産車用四輪操舵システムとして開発した機構の名称です。初搭載されたのは7代目スカイライン(R31型)でした。

正式名称は「High Capacity Actively Controlled Suspension」。通常、自動車の操舵機構はステアリング操作によるフロントタイヤでのみで行われています。

しかし、HICASはフロントタイヤの操舵にプラスして、油圧アクチュエータによってリアタイヤも操舵を行う機構が追加されておりフロントタイヤに加えリアタイヤも操舵する画期的な技術でした。

HICASの効果

それでは本題、HICASの効果と機構について詳しく見ていきましょう。

効果について

後輪を操舵する機構であるHICASが開発された一番の狙いは「走行安定性の確保」です。

後輪を前輪と同位相へ転舵する事で、車体に掛かる遠心力と逆方向へ横力を発生させることができます。この原理による高速走行時の後輪の安定性向上を目的として開発されHICASの歴史は始まっています。

このような目的で開発されたHICASですが、進化の過程で安定性だけではなく積極的に車体を曲げる方への改良もされていきドライバビリティの向上を図っています。

機構について

一言にHICASといっても、1985年に搭載開始されてから時代と共に進化しています。名称も変化していますので、順を追って見ていきましょう。

HICAS

リアクロスメンバー(サスペンションアームの支点となるベース)自体をラバーマウントの弾性範囲内で油圧アクチュエータ用いて操舵をするのが特徴です。高速時の安定性向上に特化した目的のため同位相にのみ動作し、低速(30km/h以下)では作動しないように設計されています。

HICAS-II

油圧アクチュエーターのシリンダーが1本(従来型HICASでは左右に1本ずつの計2本)となり、前輪のステアリングと同じタイロッド式の操舵機構が採用されました。操舵角は最大1℃になり、従来型よりも安定性が高められて大きく改良されています。

スーパーHICAS

前型に加えて各種センサーの種類が増え、より高度な制御が行われるようになりました。後輪をコンピュータ制御によって一瞬逆位相にすることで、より理想的なコントロールを可能としています。

スーパーHICASのポイントとしては、これまではステアリング転舵方向と同位相のみに作動していましたが、逆位相にも作動するようになりました。つまり、積極的に車を曲げていく方向にセッティングされています。

電動スーパーHICAS

アクチュエーターが従来型の油圧から電動に変更し後輪操舵部分から一切の油圧機構を廃止しています。これにより、システムの簡素化とさらなるレスポンスの向上を目指した改良となっています。

HICASを搭載した車種

HICASは実際にどんな車種へ搭載されたのでしょうか?HICASの歴史順に搭載車の一部をピックアップしていきます。皆さんに馴染みの深い車にも搭載されているかもしれません。

HICAS

  • スカイライン(R31)

1985年デビューのR31型スカイラインに初搭載されています。ここからHICASの歴史は始まりました。

HICAS-II

  • シルビア(S13)
  • 180sx
  • セフィーロ(A31)
  • ローレル(C33)

現在でも、ドリフトマシンとして有名な車達に搭載されいます。

スーパーHICAS

  • スカイラインGT-R(R32)
  • フェアレディZ(Z32)

日産が産んだ傑作R32型スカイラインに初搭載され、フェアレディZ等にも搭載されることとなりました。

電動スーパーHICAS

  • ローレル(C34)
  • スカイラインGT-R(R33、R34)

R32の後継、R33、R34に搭載され電動化によるレスポンスアップがマシンポテンシャルの向上に寄与しています。

HICAS記事のまとめ

今回は日産の技術の結晶HICASについてご紹介致しました。その名称は耳にされたことがある方も多いかと思います。

HICASは元々は高速コーナーで不安定になりがちなリアタイヤの安定性を向上させる目的で設計され、リアタイヤを操舵させるといった革新的な発想で目的を実現させる事を可能とした先進技術でした。

しかし、現在ドリフト愛好家の間では、リアタイヤの安定性を目的としたHICASはドライバーの意図した通りにリアのスライドをコントロールする為には邪魔になるのでキャンセルする事が一般的となっています。

パーツを付ける事でキャンセルができるので、もしもお考えの方は実際のカスタム事例を参考にしながら、必要に応じて検討してみましょう。