スズキのアルトって何?どんな車?派生車種まで一気に紹介! | CARTUNEマガジン
スズキのアルトって何?どんな車?派生車種まで一気に紹介!

2021年01月01日 (更新:2022年07月15日)

スズキのアルトって何?どんな車?派生車種まで一気に紹介!

1979年、アルトは現在では考えられないほど大胆なマーケティング手法でデビューし、経済的かつ高い実用性を兼ね備えた軽自動車として大ヒットしました。今回は、そんなアルトの歴史や背景、人気の高い派生モデルについてご紹介します。

アルトの歴史

NT LineさんのアルトHA36S洗車の画像
NT LineさんのアルトHA36S洗車の画像

初代アルトの発売以来、多くの派生モデルが生み出されているアルト。ここでは、初代アルト・現行アルトを中心に、特徴的な派生モデルについて見ていきます。

アルトの名前の由来、その意味は?

アルトのアルファベット表記は「ALTO」。イタリア語で「優れた」「秀でた」を意味します。運転の快適さ、使い勝手の良さ、経済的、これらの部分にこだわり抜いたモデルであることを的確に表現したネーミングといえます。

なんと47万円!?衝撃のデビューを遂げた初代アルト

初代アルトが登場したのは1979年のこと。この年代は、排ガス規制の強化や軽自動車の規格が新しいものへ移行したりと、軽自動車市場全体が混迷していた時期でした。そんな中、当時の社長であった鈴木修氏が、苦境への打開策として企画したのがアルトでした。

アルトは、徹底した機能重視のコストダウンにより、価格を驚異の47万円に設定。この価格設定は自動車業界初の全国統一車両本体価格とされ、それまでの慣例を打ち破るものでした。その上で「アルト47万円」と銘打った宣伝を展開し、市場に衝撃を与えたのです。

そして、初代アルトのもう一つの特徴は「商用車」として誕生したこと。

消費税の代わりに物品税が導入されていた当時、軽自動車には15%も課税されていました。そのため初代アルトは、後席の居住部分を狭くして荷室を拡大。それにより、初代アルトは軽自動車でありながら、4ナンバーの貨物車として登録が可能という画期的なモデルとなったのです。

現行アルト、その特徴は?

軽量化と省エネ技術で燃費性能も走りもバツグン

アルトはガソリン車でもトップクラスの燃費性能と高い走行性能を秘めています。搭載されるR06A型直列3気筒DOHCエンジンは圧縮比を向上させ、吸排気系も新設計のもの。それにより、低中速域での動力性能と燃費性能を格段に向上させています。

また、リチウムイオンバッテリーとオルタネーターを組み合わせたエネチャージを搭載した車両は、JC08モード計測で37.0km/Lという極めて高い燃費性能を発揮。

さらに、新開発されたプラットフォームに移行させたことで、あらゆる部品の軽量化に成功。現行アルトは、従来のアルトに比べて約60kgも軽くなっています。

もちろん軽くなっただけではなく、ボディを構成する素材の46%にハイテンションスティールを使用し、軽量化と同時に高剛性も獲得しているのです。

個性的なデザインながら高い実用性を両立

シンプルながらも個性的なデザインは、過去の車にインスパイアを受けています。

車高を低くし、フロントからリアに至るまで切れ目のないラインを描くルーフは流麗の一言。目ヂカラのあるヘッドランプ周りのデザインとのギャップが個性を主張しながらも、どこか品格を感じるエクステリアに仕上がっています。

インテリアは横の直線を強く意識したデザインで、視覚的な広さを感じさせ、パイピングが施されたシートは、居住空間に特別な心地良さをもたらします。

また、快適な室内空間はシートのデザインだけではなく、2040mmというクラストップの室内長と900mmの前後乗員間距離が功を奏しています。

アルトは、「軽自動車は狭い」という概念を覆すインテリアデザインに成功していると言えるでしょう。

小型のボディに搭載された先進の安全装備

現行アルトは、タイヤのスリップ・横滑りを防止するための「ESP」を全車種に標準装備。それに加えてレーザーレーダーにより前方車両を検知しながら低速走行中の車間距離を監視。衝突の危険性が高まると、自動ブレーキを作動させてくれる「レーダーブレーキサポ―ト」も装備しています。

アルトの派生車種

アルトラパン

みずほさんのアルトラパンの画像
みずほさんのアルトラパンの画像

アルトラパンはアルトをベースに設計されたハッチバック型の軽自動車です。

車名の「ラパン」はフランス語で「ウサギ」という意味。デビューしたのは2002年1月です。「自分の部屋にいるかのような居心地のよさ」がセールスポイントであるアルトラパンは、初代モデルから大ヒットしました。

その後、2008年に2代目へとモデルチェンジ、現行の型である3代目HE33S型は2015年に登場しています。

「まる しかくい」をコンセプトに開発された3代目ラパンは、デビュー同年にグッドデザイン賞を受賞。現在でも女性を中心に人気の高いモデルとなっています。

アルトワークス

あきKing of street 関西支部さんのアルトワークスCR22Sエアロの画像
あきKing of street 関西支部さんのアルトワークスCR22Sエアロの画像

初代アルトワークスのデビューは1987年の2月。軽自動車の馬力規制の発端となった逸話を持っている車です。

現在でもチューンドカーのベースとしてカルト的な人気を誇る初代アルトワークスは、メカニズムも当時の最先端技術の塊でした。アルマイト処理されたピストン、強化コンロッド、強化鍛造クランクなど、コストダウン最優先の軽自動車というカテゴリでも真逆の異質な存在だったのです。

また、搭載されていた550ccF5ADOHCターボエンジンは、0-400m加速16.87秒、最高速度163.7kmという数字をたたき出します。これは、当時の1600ccクラスの普通乗用車とほぼ互角の数字。特に、加速性能ではほとんどの車種が初代アルトワークスに敵わないという有様でした。

アルトバン

藤野  K.o.S 関東さんのアルトHA23Vの画像
藤野 K.o.S 関東さんのアルトHA23Vの画像

アルトバンはK耐久でも人気が高いモデル。1998年10月に実施された、軽自動車の規格変更を背景に生まれた「新規格軽自動車」です。

大型化やボディアップに伴う車重の増加がやむなしとしてされていた風潮の中、スズキは旧規格モデルから重量増加を最低限に抑えたアルトバンを発表し、世間を驚かせます。

同規格の軽自動車と同程度のパワーを持ちながら軽量だったアルトバンは、デビュー11年後に新規格軽自動車NAエンジン限定レースの開催発表にて脚光を浴びることになりました。馬力ではミラバンやエッセなどに劣っていたものの、軽い車重によりパワーウエイトレシオは圧倒的だったアルトバンは、新規格NA軽自動車レースの第一回となる『東北660選手権』にて、エントリー車両24台中12台を占めていました。

そして、現行モデルになってからもレースカーとしてのベース車両として採用され続けています。先代から約80kgもの軽量化に成功している現行モデルの活躍で、再びレースマシンとしてアルトバンが脚光を浴びる日も近いかもしれません。

こんなのも!?アルトウォークスルーバン

アルトウォークスルーバンは、軽自動車が現在の規格になる以前の旧規格軽自動車です。

発売されたのは1987年の1月。その名の通り、後部荷室への〝ウォークスルー〟が可能なモデルです。

ボンネットは通常の軽自動車と同じですが、フロントガラスはほぼ直立ともいえる角度で立った状態になっており、その後ろには「箱」としか言いようのないボディがあるという不思議な設計をしていました。

現在では珍車マニアに重宝されるモデルとなっており、フロントのスワップやエンジンのターボ化などカスタムを施されているケースもあるようです。

CARTUNEユーザーのカスタム事例

とーるさんのアルトワークスHA36Sの画像
とーるさんのアルトワークスHA36Sの画像

ホイール変更とフロントリップでシンプルにまとめた一台です。

IMAITRIXさんのアルトワークスHA36Sの画像
IMAITRIXさんのアルトワークスHA36Sの画像

ブラックアウトされたヘッドライトやボンネットストライプが、レーシーな雰囲気を感じさせてくれます。

ほくとさんのアルトワークスHA36Sイベントの画像
ほくとさんのアルトワークスHA36Sイベントの画像

黒×赤で、イベント仕様にガッツリ仕上がっています。

まとめ

RYOTAROさんのアルトワークスの画像
RYOTAROさんのアルトワークスの画像

現行のモデルで8代目となったアルトは、まだまだ進化を続けています。最新の安全装備・高い環境性能・軽快な走行性能を兼ね備えたアルトは、まだまだ今後に期待できそうです。

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