FFとFRって?走りに違いはあるの?そんな疑問にお答えします! | CARTUNEマガジン
FFとFRって?走りに違いはあるの?そんな疑問にお答えします!

2019年01月15日 (更新:2020年08月27日)

FFとFRって?走りに違いはあるの?そんな疑問にお答えします!

車には、FR、FF、RR、MR、4WDと5つの駆動方式があります。その中で最も一般的なのがFFとFRです。そこで今回はFFとFRについて、どのような違いがあるのか。メリットやデメリットとともに、詳しく解説していきます。

FFとFRの違い

ひかるさんのシビックの画像
ひかるさんのシビックの画像

FFの正式名称は「フロントエンジン・フロントホイールドライブ」で、前方にエンジンを搭載し前輪で駆動していることを意味します。FRの正式名称は「フロントエンジン・リアホイールドライブ」で、同じく前方にエンジンを搭載し、後輪で駆動していることを意味しています。

正式名称からだけでは、単に駆動しているタイヤが違うだけのように見えます。ですが、実際にFFやFRの駆動方式を採用している車を見ていくと数多くの違いがあることがわかります。それは、エンジンの搭載方法や走りの違いといったメカニカルな面だけでなく、車のデザインや室内の広さにまで関わってきます。それでは、FF車とFR車の違いについて、より詳しく見ていきましょう。

エンジンの向きが違う

あらいださんのカリフォルニアF149エンジンの画像
あらいださんのカリフォルニアF149エンジンの画像

FR

同じく車体前方にエンジンを搭載するFF車とFR車ですが、その搭載方法は異なります。FRではエンジンを縦置きに搭載しています。そのため、トランスミッションも縦向きに置かれています。エンジンはボンネット内にありますが、トランスミッションは車体の中央近くまで伸びていることがほとんどです。

RYOMAさんのフェアレディZS30の画像
RYOMAさんのフェアレディZS30の画像

また、エンジンが大きくなればそれだけエンジンの全長も長くなるので、ロングノーズと呼ばれるボンネットのデザインの車になります。写真の初代フェアレディ―Zが良い例で、フロントに直列6気筒エンジンを搭載していたので、ロングノーズとして有名な車になりました。

FF

カオルちゃんさんのシビックタイプREK9の画像
カオルちゃんさんのシビックタイプREK9の画像

FFの場合は、一般的にエンジンとトランスミッションを横置きにして搭載しています。トランスミッションがフロントにあるということは、ドライブシャフトをはじめとしたドライブトレーンもまたフロントに集約されるということですから、必然的にFF車はフロントヘビーになりがちです。一方でボンネットの長さを短くすることができるので、室内を広くとることができ前方が見やすい車となります。

yohei nishinoさんの86の画像
yohei nishinoさんの86の画像

車内の広さが違う

ダーツマ3さんのアクセラスポーツ(ハッチバック)BLFFWシートの画像
ダーツマ3さんのアクセラスポーツ(ハッチバック)BLFFWシートの画像

FFとFRとでは、FFのほうが室内空間が広くなっています。最近のエンジンやトランスミッションは小型化が進み、省スペースでボンネット内に収めることが可能になっています。特にFFでは室内空間をドライブトレーンに邪魔されることがなく効果的にとることができるのです。

フロント回りは、トランスミッションが横置きなので、FRのようにキャビン下までトランスミッションのスペースを確保する必要がなく、運転席と助手席の間の床をフラットにして、圧迫感のない室内空間を作り出すことができます。このほかFFの場合は、FRのようにリアタイヤを駆動させる構成部品を車に搭載する必要がないので、リアシートのスペースを広くとることができます。

FFとFRでは走りに違いはあるの?

もちさんのの画像
もちさんのの画像

普段、車に乗っているとFFでもFRでも基本的運転操作は同じなので、その違いに気が付くことはないでしょう。しかし、FFは前輪で引っ張る動きをするのに対し、FRでは後輪で押し出す動きとなります。この駆動方式の違いが、滑りやすい路面では車の動きで顕著に変わってきます。そこで、FFとFRの走りがどのように違うのか、詳しく見ていきます。

FFとFRの走りの違い

ぽんさんのインテグラDC2の画像
ぽんさんのインテグラDC2の画像

車の挙動の違いを、誰でも簡単に体験するには、雪道をドライブすればすぐにわかります。FFの場合は、フロントタイヤで操舵と駆動の2つの動きをしています。コーナリング中に、アクセルを踏むと車は曲がるのではなく真っすぐ走ろうとします。

これは、コーナリングしているときに、強い力が加わると、タイヤはグリップを簡単に無くしてしまうことが原因です。この動きを、アンダーステアと呼びますが、雪道のように滑りやすい路面なら、誰でも体験できる動きとなります。変わって、FRの場合は、車を後ろから押し出す動きなので、コーナリング中にアクセルを開けて大きな力が駆動輪に加わると、テールスライドを起こしやすくなります。

これはオーバーステアと呼びますが、フロントで舵を切っているときに、リアの強い力で押し出そうとすれば、リアから押し出した力の行き場を失い、リアタイヤはスライドして力を逃がそうとします。このオーバーステアも雪道を走行すると簡単に引き起こすことができるので、テールスライドさせないよう注意深くアクセル操作をする必要があります。

FFとFRのメリットとデメリットを紹介します!

現在販売されている車のほとんどは、FFが多くなっていますが、高級車やハイパフォーマンスカーではFRが多くなっています。それには、FFとFRのメリットを上手に利用していることから、このような棲み分けが行われています。また、いくら駆動方式の組み合わせが良くても、デメリットも存在します。そこで、FFとFRのメリットとデメリットを詳しく見ていきます。

FFのメリット&デメリット

ソニアさんのグレイスGM4の画像
ソニアさんのグレイスGM4の画像

FF車のメリットは、世界でも多くの車種に採用されている通り、メリットが多くあります。

  1. 操縦安定性

FF車は、前輪で駆動して操舵するので、直進安定性が良く安定して走行することができます。これは、後輪で駆動していないので、リアの不要な動きが抑えられるからとなります。これにより、雨の日や雪の日でも安定して走行することができ、特に雪道ではフロントヘビーがプラスに働き、前輪にトラクションを掛けられるため、安定して走行できます。

  1. 室内空間を広くできる

FFは、フロントにエンジンやパワートレインを集約できるため、フロントタイヤから後ろの部分の下回りには、大きな構成部品はありません。そのために、足元を広くとることができます。また、リアにはパワートレインを持たないので、後部座席と荷室を広くとることができます。

  1. 維持費が安い

FFは、FRと比べて構成部品が少ないので車両重量を軽くできるメリットがあります。重量が軽くなれば、車検時の重量税も安くなります。また、重量が軽いと、小さなパワーユニットでも軽快に走ることができ、燃費が良いのが特徴です。

  1. 雪道で走りやすい

FFは、前輪で駆動するので、エンジンとトランスミッションの重みにより路面に効率よくトラクションがかかり、FRより雪道の走破性に優れています。また、FRでは上れないちょっとした雪道の勾配でも、FFであれば走れることが多いでしょう。デメリットも当然FFにはあります。

FFは、駆動と操舵を行うので、アンダーステアが出やすくなり、操縦性に欠けるのと、大きなパワーのエンジンを積むと、加速時にリア側にトラクションがかかりフロントが浮き上がる傾向にあります。そこで、FFの場合ではトラクションをかけることができないため、パワーのあるエンジンを積むことができません。またFFは、エンジンを横置きに積んでいるので、横幅があるためタイヤの切れ角に制限が出てしまい、小回りが利きにくい傾向にあります。

FRのメリット&デメリット

ケンさんのシルビアS15の画像
ケンさんのシルビアS15の画像

FRのメリットは、フロントタイヤは操舵することだけに設計開発できるので、操縦性能を追求した車作りができます。そしてFRでは、重量物をフロントとリアに振り分けることができるので、重量配分を50対50に近づけることができ、安定して走行させることができます。

この他、加速した時のトラクションをリアタイヤにかけられるので、パワーの大きいエンジンを積むことができ、スポーツカーや高級車に多く採用されています。デメリットとしては、プロペラシャフトを床の下に通す必要があるので、どうしても室内空間を犠牲にしなければなりません。また、リアにはデファレンシャルギアを設置するので、トランクも狭くなります。この他、リア駆動のFRでは、車を後ろから押す方法なので、悪路や雪道ではスリップして上手く走れないことが多くなります。

まとめ

FFとFRでは、エンジンの搭載方法と駆動方式が主な違いですが、これだけのことで車の快適性や操縦性能に大きく違いが出ます。現代の日本車は低価格で快適な車を求める傾向にあり、FFが主流となっていますが、圧倒的なドライビングフィールを味わいたいのであればFRを選ぶのが良いでしょう。

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