日産のビジネスバン、キャラバンのグレードや特装車・トランスポーター等紹介します！

日産の商用車販売及び乗用車販売を長らく支えてきた存在、それがキャラバンです。座席の下にエンジンを配置するキャブオーバーを採用しており、商用バンの代表格とも言えるトヨタ・ハイエースと長年に渡って競い合い続けています。

標準モデルであるバンタイプ（1ナンバー・4ナンバー）と、バンタイプをベースにした乗用モデルのワゴンタイプ（3ナンバー・5ナンバー・7ナンバー）をラインナップしていることが特徴です。1973年の初代・E20型キャラバンから数えて現在で5代目になるキャラバンは、正式名称を「NV350キャラバン」に変更して2012年に再出発しました。

11年ぶりのフルモデルチェンジとなったNV350キャラバンは、商用バンらしいスクエアボディを採用しながらも、昨今の日産車らしいスタイリッシュなフロントマスクへと大きくイメージチェンジ。アッパーグリルに施された「V」をあしらった意匠は「Vモーショングリル」と呼ばれ、商用車にもかかわらず日産のブランドを大きくアピールしています。

引き続きハイエースをベンチマークに見据え、ハイエースの魅力すべてを上回ることを目指して設計・開発されました。そのため、外観と内装は商用車らしからぬクオリティを実現。商用バン最大のウリである荷室空間に関してもトップクラスの広さを確保しています。さらに、商用車でありながら日産の先進安全技術を積極的に採用することで、ビジネスユースだけでなく、ファミリーカーや趣味を楽しむための車としても人気を集めることに成功しました。

多彩なボディタイプ、グレード展開もNV350キャラバンの魅力のひとつです。商用モデルのバンだけでも25種類以上、すべてのモデルを含めるとその数は35種類以上と膨大なラインナップが用意されています。しかも、この中に特装車と呼ばれる特別モデルは含まれていません。

一見、グレードの数が多くて複雑のようにも感じますが、あくまでバリエーションが豊富なだけで、主要となるグレードはDX・VX・GX・ライダーの4種類だけです。この4つをベースに様々なバリエーションが展開されているというわけですね。

まずはNV350キャラバンのグレードを簡単に解説したいと思います。

今回は主要となる4つのグレードを解説します。多彩なバリエーションについては、文中に箇条書きするので参考にしてください。

NV350キャラバンの基本となるベースグレードが「DX」です。4つの主要グレードの中でも特にバリエーションが豊富で、ユーザーからは最も支持されているグレードとなっています。ほかのグレードに比べると標準装備は少ないですが、その分、リーズナブルな価格設定を実現している人気グレードです。

※1 日産が開発した新型5速自動変速機、いわゆる5AT（5速オートマチックトランスミッション）のこと。

「VX」は、2017年に実施されたNV350キャラバンのマイナーチェンジで新たに追加されたグレードです。上級グレードである「GX」とエントリーグレード「DX」の中間を埋める存在として、人気を博しています。快適装備がプラスされ、外観にも変更点があります。

グレードの正式名称は「プレミアム・GX」。NV350キャラバンに設定されている中で、価格が最も高い上級グレードです。プレミアムという冠がつくだけあって、商用バンでありながら快適装備が充実しています。価格が高いだけあって購入後の満足度は高いので、金銭的に余裕がある人は「プレミアム・GX」の購入をおすすめします。

「ライダー」は多くの日産車に設定されている特別仕様車のこと。NV350キャラバンは商用バンであるにもかかわらず、「ライダー」が設定されています。外観に迫力がプラスされているので、商用バンにもカッコよさを求める人におすすめのグレードです。ライダーには大きく分けて「ライダー・DX」と「ライダー・プレミアム・GX」の2つがあります。

上記ではNV350キャラバンに設定されているグレードについて解説しました。本当にたくさんの種類があって、自分好みのグレードを選ぶことができるのは嬉しいですね。しかし、実はNV350キャラバンに設定されているグレードはまだまだあります。それが「特装車」・「トランスポーター」と呼ばれるモデルです。

特装車とは、メーカーが製造した新車に改造を加えたものを指します。カスタムショップで販売されているコンプリートカーや改造車などの類とは異なり、NV350キャラバンにおいては冷凍冷蔵車やリフター車などのことです。

トランスポーターはビジネスユースではなく（もちろんビジネス利用も可能ですが）、趣味を楽しむ人をサポートするために生まれたモデルのこと。昨今はトランスポーターを求めてNV350キャラバンを購入する人も少なくはないのだとか。

では、NV350キャラバンにラインナップされている特装車・トランスポーターなどを紹介していきます。

NV350キャラバンの特装車である「保冷バン/クールバン/中温冷凍バン」。荷室空間が冷蔵後や冷凍庫のようになっていて、温度管理ができるようになっています。生鮮食品を取り扱う業者が主な購入層となっているようです。駆動方式は2WDと4WD、ガソリン車とディーゼル車が用意されています。

「リフター付バン」はリアゲート開口部に電動リフターが取り付けられているNV350キャラバンの特装車。リフターには重量物の積載が可能で、主に介護福祉の現場などで使用されています。車いすをそのままNV350キャラバン車内に積載することができるので、デイサービスや介護施設を運営している業者が購入することが多いようです。駆動方式は2WDと4WD、ガソリン車とディーゼル車の設定があります。

「バン パーソナルパック」はNV350キャラバンの「DX」グレードをベースに、快適で使いやすい5:5分割式セカンドシートを装着した特装車です。「DX」の荷室空間はそのままに、実用性が向上されています。使い勝手の面で優れているので、ファーストカーとしてもばっちり活用できますよ。

「トランスポーター」は趣味を思いっきり満喫できるように、日産がNV350キャラバンに設定した特別なグレード。広大な車内空間をフル活用できるように、創意工夫が凝らされています。購入層の大半はアウトドアやマリンスポーツ、モータースポーツを楽しんでいる人たちです。多彩なオプションが設定されていて、自分好みの1台に仕上げることができますよ。

今回はNV350キャラバンのグレードと特装車を紹介しました。これほどまでに多彩なバリエーションが用意されているのは、ハイエースとNV350キャラバンくらいです。

NV350キャラバンはビジネス用としても趣味用としても、ファミリーカーとしても活用できる魅力が備わっています。外観だけでなく、内装にお金を掛けてカスタムするのも面白いかもしれませんね。