ジャッキの正しい使い方を紹介。一歩間違えると重大な事故に繋がります! | CARTUNEマガジン
ジャッキの正しい使い方を紹介。一歩間違えると重大な事故に繋がります!

2019年02月03日 (更新:2022年08月04日)

ジャッキの正しい使い方を紹介。一歩間違えると重大な事故に繋がります!

車のメンテナンスに必須のジャッキアップ作業。安全なジャッキアップ作業をするためには、車を持ち上げることのリスクをしっかりと理解することが重要です。ここでのミスは、重大な事故を引き起こしかねません。ジャッキの正しい使い方をマスターして、安全なカーライフを送りましょう。

ジャッキの間違った使い方とは?

この使い方は危険!

ジャッキアップ中に下に潜る

タイヤ交換のついでにブレーキパッドの残量やブッシュの状態を確認すると思いますが、ジャッキアップした状態で車の下に潜るのは非常に危険です。

とくに古いパンタグラフジャッキでは、金属疲労によるボルトの破断、油圧ジャッキでは経年劣化による油圧抜けが唐突におこり、車の下敷きになるリスクがあります。

また、突発的な地震や突風で車が動き出す恐れがあるため、不安定なジャッキアップ時に車の下に潜るのはNGです。

どうしても下に潜らなければはいけないときにはリジットラック(ウマ)をかけましょう。

傾斜地でジャッキアップ

「ジャッキアップは平坦な場所で行う」と車の取扱説明書にも記載されています。しかし、適切な場所が確保できずに、わずかな傾斜とはいえ傾斜地でジャッキアップする方も見受けられます。

サイドブレーキはリアしか利かず、タイヤが浮いてしまうと効果がありませんし、輪留めはストッパーとして働きますが、大きな力は受け止めきれません。

ジャッキアップ中にわずかにでも車が動いてしまえばジャッキが傾き、車は落下します。タイヤを外した状態であれば車のフロアは地面に接触し、持ち上げるのは困難。もし、車の下に体があったら大怪我は避けられません。

そのため、わずかでも傾斜した場所でジャッキアップするのはNGです。路面の凸凹で車が動き出す場合もあるため、サイドブレーキを緩めても車が動かない場所を確保したうえで、ジャッキ下の地面が硬く平坦な場所でジャッキをかけるようにしましょう。

指定箇所以外をジャッキアップ

初心者に多いミスが、適切な位置にジャッキをかけずにジャッキアップし、ボディを歪ませてしまうことです。なかにはエンジンオイルパンにジャッキをかけてしまう例もあります。

オイルパンはある程度強度があるため、とりあえず車体を持ち上げることができます。しかし、本来のジャッキアップポイントではないため徐々に変形し、バランスを崩せば車体は落下してしまいます。

ちなみに、ジャッキアップして凹んだオイルパンでは、エンジンオイルが適切に循環できずにエンジンが壊れてしまいますので、オイルパンの修理が終わるまでエンジンをかけてはいけません。

ジャッキをかける時は、必ず車の取扱説明書で指定された場所にジャッキをかけるようにしましょう。車によってはジャッキアップポイントが大きく異なる場合があるため、思い込みは禁物です。

ジャッキの正しい使い方は?

正しい使い方はこれだ!!

正しい使い方を手順にそって解説します。

1.平坦な場所に車を止める

アスファルトやコンクリートの上など、硬く平坦な場所にをえらび、サイドブレーキを緩めた状態でも車が動き出さないように車を停めます。

なお、真夏のアスファルトは熱で柔らかくなっているためジャッキは不安定になります。アスファルトではなくコンクリート上でジャッキアップを行いましょう。

2.サイドブレーキをかける

車が動き出さないように、サイドブレーキを強めにかけます。

3.輪留めをかける

ジャッキアップする対角線上に位置するタイヤの前後に輪留めをかけます。

4.ジャッキアップポイントにジャッキをあてる

取扱説明書で指定された正確なジャッキアップポイントに、垂直にジャッキをあてがいます。

5.ジャッキアップ

傾いていないか注意しながらゆっくりとジャッキアップします。高く持ち上げるほど不安定になるため、必要最低限の高さだけ持ち上げましょう。

6.車の下にタイヤなど落下防止のストッパーをいれる

ジャッキの脇の車体下には、ホイールつきタイヤやコンクリートブロックなどのストッパーをいれ、万が一落下した場合のジャッキアップ代と、体が挟まれた場合の安全領域を確保します。

7.ジャッキアップ中

ジャッキアップするためのハンドルはジャッキから外しておきましょう。作業時に足を引っ掛けて転倒したり、そのはずみでジャッキから車が落下する恐れがあります。

8.ゆっくりと降ろす

降ろすときは、車体下に作業助手や工具などがないことを確認してから、ゆっくりと慎重に降ろします。

降ろす時のほうが楽に早く降ろせるため、車に余計な力が加わりバランスがくずれがちです。

油圧ジャッキの場合も、リリースバルブを少しずつゆっくりと開け、同じように慎重に降ろします。

まとめ

ONE JZさんのチェイサーJZX100タイヤの画像
ONE JZさんのチェイサーJZX100タイヤの画像

車のメンテナンスをするにはジャッキアップはどうしても必要になります。

安全で確実なジャッキアップをするには、ジャッキのメンテナンスや作業場所の確保など「確実に作業を行える下準備」と、車体の下に落下防止のタイヤを挟み込むなどの「二重三重のバックアップ」が必須です。

また、些細な異常も見逃さない「予備知識と危険予測能力」が問われます。危険が伴うようであれば、ムリをせずに整備工場に依頼する「勇気ある判断」も大切です。

これらは、車を安全に運転することと同じです。人間の体よりもはるかに重く、大きな力を発揮する自動車を扱ううえで、とても大切な考え方でしょう。

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