あなたのタイヤは大丈夫?JATMAのタイヤ規格の見方を紹介 | CARTUNEマガジン
あなたのタイヤは大丈夫?JATMAのタイヤ規格の見方を紹介

2018年12月18日 (更新:2020年08月13日)

あなたのタイヤは大丈夫?JATMAのタイヤ規格の見方を紹介

あなたは自分の車のタイヤがどこのメーカーのものかご存知ですか?今履いているタイヤはどのような状態でしょうか。今後タイヤを履き替える予定がある方は、タイヤの規格や性能について理解した上でタイヤ選びをすることで、あなたの車の性能を引き出すだけでなく乗り心地なども変わります。また二酸化炭素排出量を抑えるなど、環境問題の解決に貢献することもできます。今回はタイヤの規格の見方や安全なタイヤの状態についてご紹介します。

そもそもJATMAって?

JATMA(ジャトマ)は、THE Japan Automobile Tyre Manufacturers Association, Inc.の略で、自動車タイヤである自動車用タイヤ、建設車両用タイヤ、産業車両用タイヤ、農業機械用タイヤ等 の生産、流通、消費及び貿易に関する調査研究、安全及び環境保全に関する施策の立案及びその推進等を行なっている団体です。

自動車タイヤ工業の健全な発展を図り、以って我が国産業及び経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的として組織されました。1947年9月26日に創設されてから2018年12月現在で、71年も経っている団体で、現在の日本のタイヤメーカーのほぼすべてのタイヤはJATMA規格で作られています。

JATMAの役割としては、一般道路及び高速道路における路上タイヤ点検の実施、冬道安全走行に関する啓発など、安全に車が走行できるような取り組みをしています。また安全基準の統一や国際機関・海外各国政府及びタイヤ関連諸団体との調整、連携の促進するなど、その活動範囲は海外にまで及んでいるのです。

タイヤ製造に関わっていることはもちろんのこと、廃タイヤのリサイクル状況や、廃タイヤの適正処理など、環境への取り組みにも貢献している団体なのです。タイヤの性能次第で車からの二酸化炭素排出量を減らすことができ、地球温暖化への配慮も行なうなど、JATMAの活動範囲は多岐に渡っています。

自動車タイヤ

自動車タイヤは、接地面積がハガキ1枚分でありながら、さまざまな役割を担っています。例えば車の車重や車に乗っている人、積んでいる荷物など、これらの重さを支える役割があり、重さに耐えられるだけの強度がタイヤには備えられているのです。

車の「走る」「止まる」「曲がる」といった基本動作もタイヤがなければ行なうことができません。またこれらの車の基本動作は、タイヤがその性能を引き出しています。

またデコボコ道を走行する際のクッションになっているのもタイヤの役割です。安定した走行を実現しているのもタイヤの役割といえるのです。

日本のタイヤメーカーはほぼ全てのタイヤがJATMA規格で作られている

JATMAは、JATMA YEAR BOOK(自動車タイヤの諸元規格)の作成、頒布、各国タイヤ基準認証などの運営をしており、日本のタイヤメーカーはJATMAが定める規格に基づいてタイヤが製造されています。

ブリヂストン、横浜ゴム、東洋ゴムはJATMAの正会員、ミシュラン、グッドイヤーはJATMAの準会員になっており、JATMAの規格に準じてタイヤ製造を行なっているのです。

JATMAには設計部会、タイヤ規格委員会などが設置されていますので、そこで話し合われた内容がタイヤ作りに反映されています。

まずはタイヤの側面をチェック!

タイヤにはさまざまな大きさ、幅、扁平率(タイヤの薄さ)があります。そのようなタイヤの情報はタイヤの側面に記載されています。

自分でタイヤを選ぶときにタイヤ側面の情報の読み取りができると、タイヤをスムーズに選びことができるでしょう。では具体的にタイヤ側面の記号や数字の意味についてご紹介します。

側面の記号と数字の意味

タイヤの側面には、以下のように記号や数字が刻印されています。

ISO表示例

●245/45R18 100W①;245 ②;45 ③;R ④;18 ⑤;100 ⑥;W
●195/60R17.5 112/110L①;195 ②;60 ③;R ④;17.5 ⑤;112 ⑥;110 ⑦;L

従来型表示例

●185/S R 14 ①;185 ⑦;S ③;R ④14
●31×10.5R15 6PR ⑧;31 ⑨;10.5 ③;R ④;15 ⑩;6PR

①は、タイヤ幅(mm)を数字で表したものです。数字が大きいほどタイヤ幅が太くなります。②は、扁平率を数字で表したものです。数字が小さいほどタイヤの厚みが分厚くなります。タイヤの外径を変えずに扁平率をさげることを「インチアップ」といいます。

③は、ラジアルタイヤということを表しています。ラジアルタイヤは「ノーマルタイヤ」ともいわれており、タイヤの内部にある繊維層の構造が、進行方向に対して直角に編み込まれているため、丈夫で走行性に優れているのが特徴です。

④は、リムとはホイールの一部を示しており、リム径はそのタイヤに適合するホイールのリム径を表しています。単位はインチを用います。⑤・⑥は、ロードインデックスを表しています。

タイヤ1本で支えることができる最大負荷能力を示している指数(LI)です。最大負荷能力に対応する空気圧が異なりますし、負荷能力が不足するタイヤを試用すると、タイヤの損傷につながってしまい、大変危険です。以下は指数別の負荷能力を示したものです。

LI負荷能力(kg)LI負荷能力(kg)LI負荷能力(kg)LI負荷能力(kg)
60 25075 38790 600105925
6125776 40091 615106 950
62 26577 41292 630107 975
63 27278 42593 650108 1,000
64 28079 43794 670109 1,030
6529080 45095 690110 1,060
66 30081 46296 710111 1,090
67 30782 47597 730112 1,120
68 31583 48798 750113 1,150
69 32584 50099 775114 1,180
70 33585 515100 800115 1,215
71 34586 530101 825116 1,250
72 35587 545102 850117 1,285
73 36588 560103 875118 1,320
74 37589 580104 900119 1,360

⑦は、速度記号(スピードレンジ)を示しており、規定された条件の下で、そのタイヤが走行できる最高速度を表しています。どのような記号があるかは下記を参考にしてください。

タイヤ表示 速度記号 L N Q S T H
最高速度 km/h 120 140 160 180 190 210
タイヤ表示 速度記号 V W Y ZR (Y)
最高速度 km/h 240 270 300 240超 300超

⑧は、タイヤ外径(インチ)を表しています。外径とは、タイヤの直径のことで、外側の端から端までのことです。タイヤ外径を変えてしまうと、スピードメーターへの誤差・車体への干渉などのトラブルが起きますので、基本的には変えないほうがいいでしょう。

⑨は、タイヤ幅(インチ)を示しています。⑩はカーカスを表しており、タイヤの骨格を形成するゴムで被覆したコード層の部分のことです。

記号の意味をふまえて空気圧を確認しよう

先ほどはタイヤ側面に記載されている記号や数字の意味をご説明しました。タイヤを購入するときの参考にしていただくだけでなく、車のタイヤの空気圧を入れるときにも記号や数字の意味を理解しているといいです。

なぜなら、それぞれの車の適切なタイヤ空気圧は、運転席ドアの開口部の下部分に、車両指定空気圧を表示したラベルが貼られいます。そこに先ほどご紹介した数字や記号が使われているのです。

タイヤ空気圧は、日本メーカーのタイヤと、外国メーカーのタイヤでは、タイヤの規格が異なります。では次にタイヤ空気圧についてみていきましょう。

空気圧を確認する前に

車のタイヤには規格があり、タイヤごとにどの規格に基づいて製造されたのかが決まっています。規格によって入れても良い空気圧の量が決められていますし、支えられる重さも決まっているのです。では具体的にどのような規格があるのでしょうか。

JATMA規格

JATMA(ジャトマ・Japan Automobile Tyre Manufacturers Association)規格は、日本のタイヤ規格です。JATMA規格の会員企業は以下のようになっています。

タイヤメーカー 会社名
●BRIDGESTONE 株式会社ブリヂストン
●DUNLOP 住友ゴム工業株式会社
●YOKOHAMA 横浜ゴム株式会社
●TOYO TIRE 東洋ゴム工業株式会社
●MICHELIN 日本ミシュランタイヤ株式会社

JATMA規格のタイヤに入れても良い最大の空気圧は240kPaです。

ETRTO規格

maru.k.wさんのCX-3タイヤの画像
maru.k.wさんのCX-3タイヤの画像

ETRTO(エトルト・European Tyre and Rim Technical Organisation)規格は、欧州のタイヤ規格です。ETRTO規格のタイヤに入れても良い最大の空気圧は250kPaとなっています。ETRTO規格には、エクストラロード(Extra Load)とレインフォースド(Re in Forced)の2つがありますが、タイヤを製造しているメーカーによって、どちらかの名称を使っているのです。

エクストラロードは、通常よりもたくさんの空気を入れられる構造になっているため、通常よりも余分な重さに耐えられるようになっています。レインフォースドは、空気をより多く入れても耐えられる構造に補強されているのです。

ETRTO規格の中でもエクストラロード・レインフォースドに入れても良い最大の空気圧は250kPaとなっています。このように、タイヤの製造メーカーが日本のメーカーのタイヤなのか、外国のタイヤなのかで規格が異なりますので、日本メーカーの場合はJATMA規格を、 外国メーカーの場合はETRTOの空気圧規格で確認するようにしましょう。

空気圧が違うとこんな問題が…。

車のタイヤの空気圧は、JATMA規格かETRTO規格かを確認してから、空気圧を入れる必要があります。空気圧は高すぎても低すぎてもいけません。適正な空気圧でない場合、タイヤの劣化が早まり、偏摩耗するだけでなく、運転中にハンドルをとられる、燃費性能を悪くしてしまうなどの悪影響が出てきます。

空気圧が多すぎると、タイヤが空気でパンパンの状態になるため、タイヤセンター部分の摩耗が激しくなり、タイヤが長持ちしません。また乗り心地も跳ねるような感じがしますし、サスペンションへの負担も大きくなります。

さらにタイヤにキズを受けやすくなり、コード切れやバーストが起きる可能性もあるのです。空圧が少なすぎると、タイヤがたわんだような状態になるため、両ショルダー部(タイヤの両端)の片べりが発生しやすく、タイヤが長持ちしません。

またヒートセパレーションといって、タイヤと路面の摩擦面が多くなる分、発熱による損傷が起こりやすくなります。雨の日ではハイドロプレーニングが起こりやすくなり非常に危険です。日常では燃費性能が悪化するなど、経済的な負担にも影響を及ぼしてきます。

まとめ

モッティーさんのセレナの画像
モッティーさんのセレナの画像

今回はタイヤの規格の見方や安全なタイヤの状態についてご紹介しました。これまで車のタイヤをショップに任せてきた方でも、今回の記事をお読みいただければ、タイヤの規格の見方が理解できたことでしょう。

自分で規格を確認できるようになるとともに、日頃からタイヤの状態に気をつけることが必要です。とくに空気圧に関しては、日々の点検を行なうことでベストな状態を保つようにしてください。

月に1度はエアゲージを使った空気圧の点検をする必要がありますし、空気圧の点検・調整は、タイヤの熱膨張がないときに行なうのがベストですので、タイヤが冷えているときに点検してください。

空気圧の調整は、指定された空気圧を下回ることがなく、上限は10%程度にするのがポイントです。バルブからの空気漏れやホイールの変形がないかも合わせて確認しましょう。スペアタイヤも一緒に点検してください。タイヤを適正な状態にして安全なドライブを楽しみましょう。

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