プリウス ハイブリッドシステムの仕組み!バッテリーは交換が必要? | CARTUNEマガジン
プリウス ハイブリッドシステムの仕組み!バッテリーは交換が必要?

2018年12月17日

プリウス ハイブリッドシステムの仕組み!バッテリーは交換が必要?

トヨタ プリウスのハイブリッドシステムの仕組みを解説します。ハイブリッドカーのアキレス腱となるのはモーターの駆動バッテリー。そのためバッテリーの耐久性に不安をもつ方も多いのではないでしょうか。プリウスのバッテリー交換に必要な費用についても解説しています。

プリウスのハイブリッドシステムの仕組みは?

c-sound さんのプリウスZVW55の画像
c-sound さんのプリウスZVW55の画像
引用元:c-sound さんの投稿

ハイブリッドカーとは、下り坂や減速時などのエンジン動力を必要としない状況で電気エネルギーを蓄え、発進時や加速時など、より多くのエネルギーが必要なときに、蓄えた電気エネルギーを使うことで、燃料から効率よくエネルギーを取り出すことを目的とします。

現行型トヨタ・プリウスに搭載される第2世代ハイブリッドシステム「THS-Ⅱ」は、エンジン出力と加速用モーターの出力、発電用モーターの入力を遊星ギアでつなぐことで、トランスミッションを必要としなくなった革新的なハイブリッドシステムです。

走行中は常に充電しながら、発電モーターの発電負荷をコントロールすることで無段階の変速が可能な合理的なパワートレイン設計。さらに、ハイブリッドシステム専用の出力特性に調整されたエンジンを組み合わせることで、これまでの常識を覆すほどの高い燃費性能を手に入れました。

エンジンとモーターを組み合わせて走っている。バッテリーは2つある

プリウスは発電用モーターで発電した電力を駆動用の大容量バッテリーに充電し、蓄えた電力を必要に応じて取り出し、モーターを駆動します。モーターはエンジンとは違い、回転初期から最大トルクを発生させる特性をもちます。プリウスは、大きなトルクが必要な発進時や加速時にはモーターをつかって効率的に加速し、大きなパワーを必要としない巡航時は積極的に発電するように制御されています。

ハイブリッドカーが効率的に走るには、よりたくさんの電気を溜めておける大容量のバッテリーが必要不可欠です。ストップ&ゴーを繰り返し、燃費が低下しがちな都市走行では、つかえるバッテリー容量が大きいほど燃費の低下が抑えられます。また、必要に応じてモーターだけで走行するEV走行も多用できるので燃料の消費量を抑えることができるのです。

そのため、プリウスはふたつのバッテリーを搭載しています。ひとつは前述したハイブリッドシステムの駆動用メインバッテリー。モーターの駆動には大電流と高電圧が必要とされるための、専用の大容量のニッケル水素やリチウムイオンバッテリーが用いられ、リアシート下に格納されています。

もうひとつは旧来から車に搭載される鉛蓄電式12Vの補機バッテリー。ただしプリウスのセルモーターや電装品の電力はハイブリッドシステムに組み込まれているため、プリウスに搭載される補機バッテリーの役割はハイブリッドシステムの立ち上げと、システムが駆動していないときの電装系への給電が目的です。

ハイブリッドシステムチェックが点灯したときは?

HIDEさんのプリウスZVW30の画像
HIDEさんのプリウスZVW30の画像
引用元:HIDEさんの投稿

トヨタのTHS-Ⅱは他社のハイブリッドシステムよりも複雑な構造をもつため、あらゆる部分の電圧が常にチェックされています。ハイブリッドシステムに異常があった場合、メーターにチェックランプが点灯、もしくはシステムモニターに「ハイブリッドシステムチェック」と大きく表示されます。

この状態では、バッテリーの充電はおこなわれない場合があるので、自走できるのならば、すみやかに最寄りのトヨタディーラーに行き、ハイブリッドシステム専用のテスターでチェックをしてもらう必要があります。

トヨタのハイブリッドカーは、ハイブリッドシステムで走行に関わるすべての機能が統合制御されているのでハイブリッドシステムに異常が合った場合にはエンジンの始動や自走ができなくなる恐れがあります。

バッテリーの劣化が原因。チェックランプを消す方法もある

ハイブリッドシステムのチェックランプが点灯するのは、ハイブリッドシステムと、その冷却系統まで含んだ異常電圧を検知した場合に起こります。原因となるのはハイブリッドシステムに関わる電気配線の断線や、電圧を制御するインバーターの故障、駆動用メインバッテリーの劣化などが挙げられます。それらは専用テスターを車につなぐことで原因箇所を特定することができます。

すべての動作をハイブリッドシステムに依存するトヨタのTHS-Ⅱは、万全を期すため細かな電圧変動までを厳密にモニタリングしています。そのため一時的な電圧異常でもチェックランプが点灯し、テスターにかけても異常が発見されない場合があります。その場合は整備士に確認をしてもらい、異常がなければテスター機器をつかってチェックランプを解除してもらいましょう。ただしバッテリーの劣化が進行し、電圧が低い値しか示さない場合には、高価なモーター駆動用のメインバッテリーを交換しなければなりません。

バッテリーの交換費用は?

ケントスさんのの画像
ケントスさんのの画像
引用元:ケントスさんの投稿

プリウスの駆動用メインバッテリー交換にかかる費用は、初代の10型プリウスのバッテリーは工賃込40万円~70万円と高価であるものの、ハイブリッドカーの普及が進んだ2代目以降のプリウスのニッケル水素バッテリーは17万〜20万円程度で交換することができます。ただし40型プリウスαと4代目50プリウスの一部に装着されるリチウムイオンバッテリーは工賃込みで40万円ほどと高価になります。

20万円ほどかかる。保証期間内なら無償交換も可能

トヨタでは、ハイブリッドシステムを含めた駆動部品すべてに5年もしくは10万kmまでの保証がつけられ、保証期間内であれば、ニッケル水素・リチウムイオンバッテリー問わず、無償で交換してもらうことができます。

とくに3代目プリウス以降のニッケル水素バッテリーは信頼性が大きく向上し、20万kmを想定した耐久性がもたされています。よほどの酷使をしない限りは、ハイブリッドバッテリーの耐久性に関してそれほど神経質になる必要はないでしょう。ただし、トヨタが指定する点検や整備がされていない車や、メンテナンスノートの記録状況によっては保証が受けられない場合がありますので注意しましょう。

まとめ

ゼンジー北京さんのプリウスNHW10の画像
ゼンジー北京さんのプリウスNHW10の画像
引用元:ゼンジー北京さんの投稿

1997年に登場した初代トヨタ プリウスはハイブリッドカーの先駆けとして、21世紀の幕開けにふさわしい環境性能を発揮しました。それから20年が経ち、次々と新技術を盛り込み投入されたプリウスは世界中に受け入れられ、トヨタはハイブリッドカーの先駆者として認知されています。

トヨタでは2025年までに、全車種に電動技術を搭載することを発表しています。またパナソニックと共同で、リチウムイオンバッテリーをも上回る性能を発揮できるとされる全固体電池の開発を急ピッチで進めています。全固体電池が完成すれば、ハイブリッドカーや電気自動車のパフォーマンスは大幅に向上し、自動車社会を取り巻く環境が大きく変わると思われます。世界一のハイブリッドカーであるプリウスを世に出したトヨタは、これからもハイブリッドカーのリーダーとして革新的な車を生み出していくことでしょう。

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