2018年06月14日 (更新:2020年07月10日)
日産セレナ(C27型)の情報を編集部が徹底的に紹介します!グレード別スペック、他車比較、カスタム例と、C27セレナ情報を網羅します!
labelセレナ labelアイライン labelエアロ labelホイール日産のラインナップの中で不動の人気を誇る5ナンバーハイルーフミニバン、セレナ。そんなセレナの最新モデルがC27型です。この記事では、C27型セレナについて、グレード、他車比較、カスタム事例まで徹底解説します!
C27型セレナの基本情報
1991年の初代モデルの登場以来、ファミリー層を中心に絶大な支持を受け続けている日産の5ナンバーハイルーフミニバン、セレナ。その最新モデルが2016年に登場した5代目C27型セレナです。
C27型セレナでまず目につくのは力強いデザインでしょう。3代目から採用されているサイドウィンドウ下端の「シュプールライン」(運転席付近で窓の下端がなだらかに一段下がるデザイン処理。
運転席からの死角を減らす効果もある)など従来の「セレナらしさ」を継承しつつも、日産の新世代のグローバルデザインランゲージを導入し、「Vモーショングリル」やピラーの一部をブラックアウトした「フローティングルーフ」を採用するなど、それまでのセレナよりもさらにスマートかつダイナミックになったそのルックスは、他社のミニバンとは一味違う雰囲気を持っています。
目新しいのは外見だけではありません。C27セレナは運転操作支援システム「プロパイロット」を日産車の中で初めて採用したのです。このシステムは高速道路での渋滞走行や長時間の巡航走行という“負担を感じる2大シーン”での運転負荷を軽減することを目的としたもので、カメラにより前を走る車や道路の白線を認識し、前の車との車間距離を保ちながら車線の中央を走り続けるのを補助してくれます。
また、渋滞時に停車してもブレーキを保持するオートブレーキホールドや2リッターミニバン初の電動式パーキングブレーキも採用されています。
そして、2018年2月にはノートに先行導入されていたe-POWER採用モデルが遂に登場します。これはエンジンを発電機としてのみ使いモーターで走るシリーズ方式のハイブリッドシステムで、電気自動車リーフのメカニズムをさらに使いやすく、そして手の届きやすい形に改良したものとして位置付けられています。
近年の日産のインテリジェントモビリティ戦略の中で生まれたC27セレナは、使いやすさや親しみやすさといった従来のセレナが持つキャラクターはそのままに、日産の持つ最新技術を詰め込んだ、まさに次世代に向けたミニバンであると言えるでしょう。
C27型セレナのグレード&スペック
C27型セレナにはユーザーのニーズに合わせて様々なバリエーションが用意されています。この項ではそんなC27セレナのバリエーションの一部を紹介します。
ハイウェイスター
初代モデルから継続して設定され続けているセレナ伝統のエアログレードがハイウェイスターです。
現在では後述のライダーやニスモの登場によりエアログレードというよりは標準車の中での上級グレードというキャラクターが与えられているこのハイウェイスターですが、今でも街を走るセレナの中で最もよく見かけるグレードですね。
ライダー
日産車ベースの特装車製作などを手掛けるオーテックジャパンがカスタムを行なったスポーティグレードがライダーです。大迫力のビレットグリルとエアロパーツがセレナにさらなるスポーティさと高級感を与えています。
2代目セレナから継続して設定され続けてきたライダーですが、2018年1月に発表された新グレード「AUTECH」(後述)の導入と入れ替わりで販売を終了してしまいました。しかし、その重厚感あるデザインからライダーを支持するユーザーは今でも多くいるようです。
NISMO
車好きなら誰もが知っているであろう日産のワークスチューナー、ニスモ。そのニスモが監修し、オーテックジャパンが架装を手がけたスポーティバージョンがセレナNISMOです。
赤色がアクセントとして用いられたレーシーなエクステリアパーツや、同じく赤色を細部に取り入れたインテリアが目を引くニスモですが、「NISMO」の名を冠するモデルだけあって、ボディ補強やサスペンションチューニングなど中身にもきちんと手が入れられています。
AUTECH
ライダーシリーズに変わる新しいプレミアムスポーティグレードとして2018年1月に発表された新グレードがAUTECHです。
その名の通りオーテックジャパンが監修・架装を手掛けるこのグレードは、同じくオーテックが架装を行うニスモグレードよりもプレミアムなキャラクターが与えられ、専用本革巻ステアリングや専用アルミホイールなどが奢られています。
また、これらに加えてボディ補強やサスペンションチューニングを行い、専用チューニングコンピューターやスポーツマフラーなどを装備した「AUTECH SPORTS SPEC」も用意されています。
S-HYBRID
モーターやバッテリーなど全てのユニットをエンジンルーム内に収め、居住性や使い勝手を犠牲にせずにガソリン車に比べ大きく燃費を向上させた簡易的なハイブリッドモデルがS-HYBRIDです。
4代目C26型の後半から用意されたこのパワートレインは、C27型にも登場当初から標準グレードはもちろんライダーなどにも用意され、幅広い人気を得ました。e-POWER(後述)モデルが登場した現在でも、より安価なハイブリッドミニバンとして販売が続けられています。
e-POWER
電気自動車リーフの技術を利用したシリーズ式ハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したのが、2018年2月に発表されたセレナe-POWERです。
e-POWERモデルは先進的なパワートレインに見合うよう外装にも細かな変更が施されており、専用エンブレムの他にもブルーアクセントの入ったフロントグリルや専用アルミホイール、LEDテールランプ等が奢られています。また、先述のAUTECHにもe-POWER搭載グレードが用意されています。
C27型セレナとRP型ステップワゴンの比較
モデルチェンジによりライバルの一歩先を行く先進性を手に入れたC27セレナ。その個性や使いやすさを、同じく5ナンバーハイルーフミニバンの大御所、ステップワゴンの最新型であるRP型と比べてみましょう。
実用性-一番の特徴はテールゲートにあり
ファミリーミニバンとして、どちらも高い実用性を売りにするセレナとステップワゴン。しかしそのアプローチの仕方には両者で違いがあります。
一番分かりやすい違いはテールゲートでしょう。まずセレナは「デュアルバックドア」というテールゲートを採用。これはテールゲート全体だけでなくガラスハッチのみを開けることもできるというもので、これまでステージアなどのステーションワゴンへの採用はありましたが、ミニバンにはC27セレナが初採用となりました。これによりテールゲート全体を開けられないような狭いスペースでも小さな荷物などを後ろから取り出しやすくなっています。
一方、ステップワゴンが採用したのは「わくわくゲート」という、通常の縦開きに加えてテールゲートの左半分を横に開くこともできるという他に類を見ないもの。こちらもデュアルバックドアと同様に狭いスペースでの荷物の取り出しが行える他、一部のバスのように後ろからの人の乗り降りも可能になりました。
また、セレナにはデュアルバックドアの他にも、スライドドアの下に足先を入れて引くだけでドアが開く「ハンズフリーオートスライドドア」を採用。乗り降りのしやすさに磨きをかけています。ただし、ステップの高さ自体はステップワゴンの方が低いという事実も見逃せません。
このようにそれぞれ独自のアプローチで実用性の高さを争うセレナとステップワゴン。どちらが良いかはユーザーの使い方の好みによる部分が大きいでしょう。
パワートレイン-電動化の日産vsエンジンのホンダ
何度も述べたように、セレナには電気自動車の技術を利用した先進のパワートレイン、e-POWERが採用されています。一方、ステップワゴンにも2017年9月のマイナーチェンジで「SPORT HYBRID i-MMD」と呼ばれるハイブリッドシステムを搭載したグレードが登場しました。この項では主にこの2種のモデルを比較していきます。
まず一番気になるのはやはり燃費でしょう。これについてはセレナが26.2km/l、ステップワゴンが25,0km/l(どちらもカタログ値)とわずかにセレナの方が勝っています。セレナe-POWERはエンジンを発電用にのみ使うため、実燃費もかなり高めであることが予想され、高速巡航時にエンジンも駆動用として使うステップワゴンは実燃費でもやや分が悪いと思われます。
馬力やトルクといったエンジンスペックはどうでしょうか。これについてはステップワゴンに軍配が上がります。走行用モーターの最高出力のみを比較してもステップワゴンの方が50PS弱高く、これにエンジンが加わるためシステム全体での性能差はかなり大きいものとなります。この辺りはさすが「エンジンのホンダ」といったところです。
性能はともかく走り味はどう違うのでしょう。セレナをはじめとするe-POWER搭載車の独特さはなんといっても「ワンペダルドライブ」にあります。これはモーターの特性を利用して、ブレーキをかけずにアクセルのみで加減速をコントロールできるというもので、他のクルマでは味わえないストレスフリーでスムーズなドライビングを味わうことができます。
一方、ハイブリッドとはいえ比較的コンベンショナルでパワフルなパワーユニットを搭載するステップワゴンのドライブフィールはやはり古典的な「スポーティさ」を感じられるもので、クルマ好きにはとっつきやすいかもしれません。
モーターが主役で高燃費、そして先進的なドライブ体験を提供するセレナe-POWER、それに対してエンジンの存在感を出しながらパワフルでスポーティなドライビングを可能にしたステップワゴンハイブリッド。両者の性格の違いはパワートレインに最も強く現れているといっても過言ではありません。
バリエーション-多彩で分かりやすいセレナvsこだわりのステップワゴン
家族みんなのクルマとして購入されることの多いこのクラスのクルマは、バリエーションの豊富さも重要となります。ここでは両者のバリエーションの豊富さを見てみましょう。
まずセレナですが、C27型セレナのバリエーションの豊富さには目を見張るものがあります。プレーンな外装の標準モデル、華美にならない程度のスタイリッシュな外装が与えられているハイウェイスター、そして内外装からはっきりとスポーティさを主張するニスモに、スポーティさはやや控えめながら上級車種のようなプレミアムさを与えられたオーテック、モデル途中で廃止されてしまいましたが押し出しが強く最も「ワルっぽい」ライダーというように、それぞれ非常にキャラクターのはっきりした多彩なモデルが用意されています。また、パワートレインも先代モデルから続くS-HYBRIDと先進のe-POWERの2種類を選ぶことができます。
ステップワゴンはどうでしょうか。ステップワゴンには大きく分けて標準モデルとスポーティで押し出しの強いスパーダシリーズ、そしてスポーティさを極めたコンプリートカー、モデューロXが用意されています。また、パワートレインは先述したハイブリッドとガソリンエンジンが用意されています。
このように、バリエーションの豊富さ、そして分かりやすさは圧倒的にセレナに分があります。しかし、ステップワゴンのみガソリンエンジンのスポーティグレードが選べること(モデューロXのこと。セレナニスモにガソリンエンジン搭載車は用意されない)など、ステップワゴンはよりこだわりのあるユーザーに合わせたバリエーション設定がなされていると言えるでしょう。
まとめ
同じ5ナンバーハイルーフミニバンとしてガチンコの販売競争を繰り広げるセレナとステップワゴンですが、このように両者のキャラクターには意外と違いがあります。
パワートレインをはじめとする先進性と分かりやすいキャラクターで幅広い層に支持を受けるセレナと、わくわくゲートに代表される飛び道具で実用性を確保しながらもスポーティさを重視したキャラクターでこだわりのある車好きパパの心を掴むステップワゴン。
どちらを選ぶかは具体的にどのようなシーンで車を使うのか、そして運転するパパ、ママを中心とする家族みんなのニーズ次第といったところでしょう。
C27型セレナのカスタム紹介
最後に、CARTUNEに投稿されているC27型セレナオーナーの方々のカスタム例をご紹介します。
ヨシトシさんのC27セレナ
派手すぎないシルクブレイズのエアロと19インチホイール、そして車高調によってシックに、そしてクールに仕上げられたヨシトシさんのセレナ。
より派手に、より押し出しを強くという傾向になりがちなハイルーフミニバンのカスタムですが、そうでなくてもミニバンはカッコよく仕上げられるというお手本のようなカスタムです。
24fujifamilyさんのC27セレナ
ノーマルを基本に車高を落とすことで仕上げられている24fujifamilyさんのC27セレナですが、細かな部分の小技が光る一台でもあります。
その一つが純正カラーのダイヤモンドブラックに塗装されたヘッドライトのアイラインであり、このアイラインによって普通のセレナとは少し違った引き締まった表情が与えられています。
基本ノーマルでも、美しいデザインを持つC27セレナであればやり方次第でうまく仕上げられるということを示してくれる一台と言えるでしょう。
終わりに
以上のように、C27型セレナは、最新のミニバンらしい優れた実用性を備えた優秀なファミリーカーであると同時に、美しいデザインと先進的なデザインを持ったカスタムしがいのあるクルマでもあります。
乗せられる人だけでなく、乗せる人、所有する人々を最大限満足させることのできる価値を持ったミニバン、それがC27型セレナなのです。