ターボ車の潜在能力を最大限に引き出すブーストアップ!強化アクチュエーターを徹底解説! | CARTUNEマガジン
ターボ車の潜在能力を最大限に引き出すブーストアップ!強化アクチュエーターを徹底解説!

2018年04月02日 (更新:2020年06月03日)

ターボ車の潜在能力を最大限に引き出すブーストアップ!強化アクチュエーターを徹底解説!

ターボ車のオーナーなら誰もが抱く夢のブーストアップ。ブーストアップには様々な方法がありますが、今回は強化アクチュエータについて徹底解説します。

そもそもアクチュエータってなに?

ターボ車のタービンには過給圧が上がり過ぎないように制御する装置があります。この制御装置の一つを「アクチュエータ(式)」と言います。ちなみにもう一つ「ウエストゲート(式)」という方式もあります。

アクチュエータ式はストリートからサーキットの中馬力仕様に最適な方式である一方、ウエストゲート式はサーキットからドラッグの大馬力仕様に最適な方式となっています。

双方にはそれぞれ異なったメリット、デメリットがありますが、これらはどちらもブースト圧がかかりすぎた際に、圧力を逃がす機構を持っているという点では同種のパーツといえます。

今回の記事では、このうちの「アクチュエーター式」の制御装置を紹介します。

アクチュエータのイロハ

アクチュエータの構造に迫る

アクチュエータは排気ガスをタービンから逃がす装置です。アクチュエータには、内部にバルブとスプリングが内蔵されています。

エンジン燃焼室に送られるブースト圧が一定以上になると、アクチュエーターのバルブが開き、バイパスを通して排気ガスをマフラーへと逃がします。

逆にブースト圧が低いとスプリングの反発力のほうが勝り、バルブは閉まったままになり、ブースト圧は抜けません。

このような構造で、ターボ車のブースト圧をコントロールしているのが、アクチュエータという部品です。

強化アクチュエータと純正アクチュエータの違いって?

では、純正のアクチュエータと強化アクチュエータは何が違うのでしょうか。それは、強化アクチュエータの方が純正のアクチュエータよりも高ブーストをかけられるということです。

その要因は、前項で解説したアクチュエータのスプリングにあります。強化アクチュエータはスプリングの反発力が純正のスプリングより強いので、アクチュエータのバルブを開くのに必要な圧力が増加します。つまり、アクチュエータの作動ブースト圧を高くすることで過給圧の制限値を増大させ、ブーストアップを行うという仕組みなのです。

強化アクチュエーターのメリット・デメリット

強化アクチュエーターのメリット

強化アクチュエータのメリットは、ノーマルタービンに装着するだけで手軽にブーストアップを行うことができるという点があります。

さらに、メーカーによってはブーストコントローラーを装着する前でも使用できるものも販売されています。ブーストコントローラと併用することで、鋭いブーストの立ち上がりと高回転でのブースト圧の低下を制御可能になり、強化アクチュエータの性能をより発揮することができます。

強化アクチュエーターのデメリット

強化アクチュエータのデメリットとして、加給圧のみをあげた場合に燃料不足によってエンジンが破損する恐れがあるという点です。

加給圧をあげるということは、単純にエンジンにかかる負担も大きくなるので、燃料カット解除装置や燃料制御装置などと合わせて最適なセッティングを行うようにしてください。

強化アクチュエーターカスタム例紹介

Ryoさんのスズキ Kei HN22S グレードワークスHN22S のカスタム例

強化アクチュエータによるカスタム
スズキズポーツ製強化アクチュエータ装着
引用元:CARTUNE

Ryoさんのスズキ Kei HN22S グレードワークスHN22Sはスズキスポーツ製の強化アクチュエータを導入しました。ブースト圧をかなり大幅に調節することができるそうです。

Ryoさんは自分でアクチュエータの交換を行おうとしたそうですが、錆で固着してしまっていたため、お店に委託したそうです。初めて行う方は、ショップにお願いすることをお勧めします。

たくみさんの日産180SX後期型 タイプXのカスタム例

強化アクチュエータによるカスタム
HKSの強化アクチュエータ
引用元:CARTUNE

たくみさんの日産180SX後期型 タイプXは純正アクチュエータが劣化していたため、ブースト圧が下がってしまっていたようです。アクチュエータ交換に伴って、HKS製の強化アクチュエータを装着しました。ブースト圧は純正の0.5から0.8にブーストアップしました。

さまおさんのスズキ カプチーノのカスタム例

強化アクチュエータによるカスタム
自作強化アクチュエータ
引用元:CARTUNE

さまおさんのスズキ カプチーノは触媒ストレートにしているため、純正アクチュエータのままだとブースト圧が0.4程低下してしまうそうです。

そこで純正アクチュエータをばねで引っ張り、自作の強化アクチュエータを代用品として装着しているそうです。これはアクチュエータの構造を理解しているからこそできるテクニックといえます。

おわりに

いかがっだったでしょうか。ブーストアップはタービン交換が主流だと思われがちですが、アクチュエータを強化品にすることでも手軽にブーストアップすることができます。ブーストアップが夢だったターボ車オーナの皆様も、ぜひ強化アクチュエータに交換してみてはいかがでしょうか?

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