2018年09月11日 (更新:2022年10月26日)
GT-R R34型を徹底解説!グレード別スペック、他車比較、カスタム例と、R34情報を網羅します!
日本が誇る名車、スカイラインGT-R。第2世代GT-Rの完成形であるR34(BNR34)の人気は衰えることを知りません。この記事では、R34GT-Rを、グレード別のスペック、他車比較、カスタム事例まで徹底解説します!
GT-R(R34型)の基本情報
5代目のスカイラインGT-RとなるR34GT-Rは1999年に登場しました。先代のR33型よりホイールベースを55㎜、全長を75㎜小型化したボディに熟成を進めたRB26DETTエンジンを搭載し、アドバンストエアロシステムやマルチファンクションディスプレイなど数々の先進機構も導入されました。
トランスミッションはドイツのゲトラグ社と共同開発した待望の6速マニュアルのみの設定です。圧倒的な速さと堂々としたエクステリアに惹かれるファンも多く、誕生から20年近く経つ現在でも中古価格は高止まりしています。映画「ワイルドスピード」でポール・ウォーカーが乗る劇中車としても有名ですね。
2002年に生産を終えたこのR34GT-R(BNR34)をもって、第2世代スカイラインGT-Rの歴史は幕を下ろしました。総生産台数は12,175台。そのうち標準車は約4,000台のみ!限定モデルが多いこともBNR34の特徴です。
GT-R(R34型)のグレード&スペック
R34GT-R:前型
R33GT-Rでの大型化が不評だったためボディサイズは小さくなったものの、オーバーフェンダーや吊り目仕様のヘッドライト採用により迫力あるボディに仕上げられています。価格は449.8万円に設定されました。
R34GT-R:後期型
R34GT-Rが発売されて約1年半の2000年10月にマイナーチェンジが施され、後期型が誕生しました。エンジンやサスペンションなどへの変更は無かったものの、前期型でVスペックN1のみに装備されていた大型リヤブレーキローターが標準装備となり制動力が向上しました。
エクステリアにはフロントグリルやバンパーの形状に若干の変更が加えられ、ウインカーのレンズがクリアレンズとなりました。ボディカラーにはホワイトパール(QX1)とスパークリングシルバー(WV2)の2色が追加。
インテリアではアルミ製スポーツペダルの採用、センターコンソールをイリジウム調に、前後シートは黒を基調とした生地に変更され、車内の雰囲気が一新されました。シフトノブもアルミ製となり、質感がアップしました。この結果、価格は504.8万円にアップしました。
R34GT-R:Vスペック
フロントとリヤの下面をディフューザーで覆うことにより、フロント下部から入った空気を圧縮・整流してボディ下面を通し、リヤにて拡散(ディフューズ)することによりダウンフォースを発生させるアドバンストエアロシステムを採用したのがVスペック最大の特徴です。
その他にもフロントロアアームのブレーキ導風板・3000rpm以下の表示幅を圧縮した2段表示タコメーター・アクティブLSD・ATTESA E-TS PROなどの装備が追加され、標準モデルより約59万円高となる559万円で発売されました。
R34GT-R:Vスペック N1
N1レース参戦用に走りに関係ないものが排除されたモデルです。ドアミラー電動格納機能なし・樹脂製パーキングブレーキレバー・オートエアコン機能なし(ヒーターのみ)・オーディオ機能なし・リヤ間けつ式ワイパー機能なしなど、レースベースらしい装備簡略化がなされています。
しかし、その分機能面の装備は充実しており、タービンは耐久性重視のメタルタービン(C106/GT-25)を採用、ピストン、エンジンブロックもN1専用、空冷式オイルクーラーや大型ウォーターポンプも耐久性を重視した仕様となっています。
リヤブレーキも、標準車やVスペックのφ300mmのローターより大型化された、φ322mmのローターを装着し、制動力を高めています。価格はVスペックと大差ない559.9万円に設定されました。
R34GT-R:VスペックⅡ N1
ベースとなるVスペックの変更に伴い、N1にもカーボンボンネットが装着され、VスペックⅡN1となりました。価格はベースのVスペックⅡと同じ574.8万円です。
R34GT-R:ミッドナイトパープルⅡ
R34GT-Rの誕生を記念し、1999年1月末までの期間限定、300台限定で発売された限定モデルです。
R33GT-Rのボディカラーであるミッドナイトパープルに新規顔料を加えることで、見る角度によってパープルからグリーンへと連続して色彩が変化する塗料を採用しています。価格は標準モデルが529.8万円、Vスペックベースのモデルは589.8万円となっています。
R34GT-R:ミッドナイトパープルⅢ
ミッドナイトパープルⅡをさらに進化させた『ミッドナイトパープルⅢ』をボディカラーとした限定モデルです。2000年8月までの限定販売でした。18インチアルミホイールとリヤスポイラーの可動翼部は専用色のシルバーとなっています。価格は標準モデルが514.8万円、Vスペックベースのものが574.8万円となっています。
R34GT-R:VスペックⅡ
ベースとなる標準車がマイナーチェンジによって後期型になったため、Vスペックにも変更が加えられVスペックⅡとなりました。
最大の特徴はカーボンボンネットの装着です。市販車に純正でカーボンボンネットを採用することは珍しく話題を集めました。価格は574.8万円となりました。
R34GT-R:Mスペック
乗り心地と上質感を重視した「大人のためのGT-R」という位置づけのモデルです。基本的な装備はVスペックⅡと同じですが、ボンネットに関しては標準車と同じアルミ製となっています。また、専用に開発されたリップルコントロールショックアブソーバーに、24.2φから23.0φへと小径化されたリアスタビライザーが組み合わされしなやかな乗り心地を実現しています。
内装も一脚ごとに職人の手縫い・張り込み加工を施したGT-R刺繍入り本皮シート、グリップ部が標準車の370φより一回り太い373φとなりグリップ感を向上させたファイングリップタイプの専用ステアリングホイールが装備され、上質感がさらに向上しています。またボディカラーに特別塗装色のシリカブレス(EY0)が追加されました。
この装備で、価格は595.0万円に設定されました。
R34GT-R:VスペックII Nür・Mスペック Nür
「GT-Rを鍛え続けてくれたニュルブルックリンクに対する感謝と畏敬の念を示す」ためにその名を与えられたVスペックNür・MスペックNür。平成12年度排ガス規制に適合できないため生産終了が決まったBNR34ですが、VスペックNür・MスペックNürは最後の限定車となりました。
主な変更点はレース仕様のN1ベースエンジン・ニュル専用300km/hフルスケールスピードメーター・ニュル専用クローム調仕上げ立体グレードエンブレム・ミレニアムジェイドメタリック(JW0)のボディカラーです。
当初は300台の台数限定で販売される予定となっていた"Nür"ですが、オーダーがどんどん増え続け、500台、1000台と枠を増やして発売されました。2002年1月24日、発表当日に、この台数がすべて完売。。こうしてVスペックNür・MスペックNürは第2世代GT-Rの最後を飾る伝説の限定車となったのです。
価格はVスペックNürが610万円、MスペックNürが630万円となっています。
R34GT-R:NISMO R34GT-R Z-tune
Vスペック系統の良質中古車から作成したニスモ創立20周年アニバーサリーを記念する市販コンプリートカーです。
GT-R(R34型)とGT-R(R33型)の比較
クルマ好きからよく比較される、GT-RのR34とR33を様々な観点から徹底比較してみました!
GT-R R34とR33のボディサイズの違い
R33型は全長4,670mm・全幅1,780mm・全高1,360mm・ホイールベース2,720mm・車両重量1,530kgとなっています。それに対しR34型は全長4,600mm・全幅1,785mm・全高1,360mm・ホイールベース・2,665mm・車両重量・1,560kgとなっています。
重量増加は最小限にとどめ、ボディサイズが小さくなったことがわかりますね。
GT-R R34とR33のエンジンスペックの違い
R34のエンジンはR33と同じ名機RB26です。自主規制の280psは守られているものの、最大トルクはR33GT-Rの37.5kgmから2.5kgmアップし、40.0kgmとなりました。これは、翼形状などを改良した新開発のギャレット社製C100-GT25型ハイブリッドタイプのツインボールベアリングセラミックターボの採用、過給圧・燃調チューニング、インタークーラーやエキゾーストアウトレットの改良により達成されました。
また、インタークーラーのコアチューブ厚の薄肉化、エキゾーストアウトレットをステンレス鋳造品からステンレスパイプへとしたことで、合計で約2.8kg軽量化しています。
さらに、排圧感応型制御マフラーの採用により、最大トルクだけではなく立上がり時のトルク特性も大幅に改善されています。
GT-R R34とR33のトランスミッションの違い
R33は5速マニュアルでしたが、R34ではドイツのゲトラグ社と共同開発した待望の6速マニュアルが採用されました。
従来までの1速~4速を1速~5速へと割り当てたクロスギヤレシオを採用し、リバースギヤにもシンクロ機構を持つなど、操作性、耐久性も向上しています。オーバードライブの6速に関してはクルージング用と割り切ったギア比となっています。
GT-R R34とR33のインテリアの違い
GT-R R34とR33の足回りの違い
R34にフルモデルチェンジするにあたり、足回りはホイールが17インチから18インチに変更され、タイヤサイズは245/40ZR18となっています。
バネ下重量の軽量化も実施されました。また、バンパーに設けられたエアダクトより取り込む走行風を利用したブレーキ冷却システムも採用されています。
ブレーキはR33GT-Rに引き続きブレンボ社製となっています。
GT-R(R34型)のカスタム紹介!
GT-R R34カスタム:トータルカスタム編
編集部厳選!イケてるGT-R R34カスタム事例!まずはしゅんぱんださんのBNR34です。
ブースト1.3で600馬力を絞り出すエンジン、カーボンボンネットや大型のGTカナードなど車体の隅々まで手が加えられています。この写真は富士スピードウェイで撮ったそうです。良い雰囲気が出ていますよね!CARTUNE編集部がカスタム雑誌を作るとしたら、間違いなく表紙に採用です!「みんながやっていないような34にしたい」というしゅんぱんださんの思いがひしひしと伝わってきますね。
GT-R R34カスタム:NISMOパーツカスタム編
NISMOから多くのカスタムパーツが販売されているR34。日産ファンならだれもが憧れたことがあるはず。ここではNISMOパーツを使ったカスタムをご紹介します!
GT-R(R34型)のエアロカスタム編
よっさんギリギリさんは「オンリー1」を目指しVeilsideのフルエアロキットを装着!ノーズが伸びた独特のデザインのフロントバンパーが目を引きます。見る角度によってフロントマスクの印象も変わって見えます。
GT-R R34カスタム:ホイールカスタム編
ホイールカスタム編では、R34に装着されることが多い2種類のホイールを紹介します!
RAYS VOLKRACING TE37SL
スポーツカー乗りならその名は誰もが知っているであろうRAYSのTE37。かっこよさと機能性を両立したホイールの代表格ですね。
この定番ホイールはR34にもぴったりマッチ!kёiさんは19インチ、10.5J INSET+22のホイールに275/30R19のYOKOHAMA ADVAN NEOVA AD08Rを装着しています。
NISMO LM GT4
NISMO LM GT4はNISMOが販売しているGT-R専用ホイールです。NISSAN GT-R NISMO GT3にも使用されており、レーシングカーの雰囲気をそのまま愛車に取り入れることができます。5本スポークがGT-Rによく似合います!