強化マウントってなんで装着するの?強化マウントをなぜ入れるか徹底解説 | CARTUNEマガジン
強化マウントってなんで装着するの?強化マウントをなぜ入れるか徹底解説

2018年02月16日 (更新:2022年04月01日)

強化マウントってなんで装着するの?強化マウントをなぜ入れるか徹底解説

クルマのボディと振動するパーツとの間に挟まっているマウントパーツ。普段は見えない縁の下の力持ちですが、クルマが動きには欠かせない部品。強化マウントを付けることで発生するメリットやデメリット、そしてそもそも強化マウントは一体どんなものかを解説します。

強化マウントって?

純正のマウント

ガンチャン501さんのシルビアS15エンジンマウントの画像
ガンチャン501さんのシルビアS15エンジンマウントの画像

ボディと各パーツをしっかりと繋ぎ、かつ発生した衝撃を吸収してくれるパーツのことをマウントといいます。その中でもエンジンマウントやミッションマウントはよく知られている部分で、エンジンやトランスミッションを車体にしっかりと繋げてくれているパーツです。

そして今回紹介する強化マウントというのは、これらのマウントパーツの強度を高めたもの。では、普通のマウントとは一体何が違うのでしょうか?まずは、純正のマウントパーツの作りから知っていきましょう。

例えば、一般的なエンジンマウントではエンジンと車体とを繋ぐボルトの周りを樹脂やブラケットで包んでいます。ただし、ほとんどの純正マウントでは必ず力を逃がす作りがされています。

ゴムとブラケットの間に隙間があったり、わざとゴムがたわむような作りになっていることがほとんどです。何故かと言うと、エンジンやトランスミッションで発生した衝撃をそこで逃がすため。ここで力が逃がせないと、ボディに衝撃全てが伝わることになってしまいます。

強化マウント

徐々に奇妙な運転さんのトゥデイJA4の画像
徐々に奇妙な運転さんのトゥデイJA4の画像

一方の強化マウントも、純正マウントと作りが同じ場合が多いです。ただし、文字通り強度を純正よりも大きく上げているのが特徴です。純正マウントで衝撃を吸収するために空いている隙間に強化ゴムや鉄素材を入れたり、そもそも専用設計で作り直したりすることで力が逃げず、更に大きな衝撃を受けてもびくともしない強度を実現させています。人によっては自作してしまうこともあり、シリコン素材やゴムプレートを挟むことで強度を上げられるとか。

強化マウントのメリット・デメリット

強化マウントのメリット

強化マウントを入れることのメリットとしては、強化マウントを入れることで車との繋がりがダイレクトになる、と言えばわかりやすいでしょうか。シフトチェンジや加速・減速でのレスポンス向上、そして動作全般で安定性が向上します。

これらは全て、サーキット等でスピードを出して走る場合に役立つもの。強化マウントは説明したように、力を逃していた部分を埋めることで力を逃げないようにするパーツ。そのため、それまでは力が一瞬逃げていた場面でもラグ無く力がもう一方へ伝わっていきます。

例として、ミッションが動いてしまって力が伝わらず、ギアが入らなかった場面でもギアが入るようになったりします。また、劣化したマウントを使っていると走行中にエンジンが振られることもあるのですが、それがなくなってエンジンの位置がピタっと安定。車にかかるGがよりわかりやすくなり、操作全体で安定性やフィーリングが向上します。

強化マウントのデメリット

強化マウントのデメリットとしては、快適性が失われてしまうこと。そしてボディや足回りの部品に負担がかかってしまうことです。快適性が失われるのは、それまでマウントで吸収されていた力や動きが全て車体側に伝わってしまうから。

車体を通して乗っている人間にも衝撃が伝わります。これは替えた直後に分かるほどで、アイドリング状態でさえ疲れてしまいます。これに伴って、各部への負担が増えてしまうのもデメリット。特に古い車に寄っては足回りに一気にガタがきてしまうことも考えられます。

マウントで逃がせなくなった衝撃は、繋がっているボディか足回りへと伝わります。街中程度の運転であれば「乗り心地が悪いなあ」くらいで済みますが、サーキット等でスピードを上げた状態でシフトミスをしたりすると足回りが衝撃に耐えられず壊れてしまうこともあります。

足回りのパーツは細かな衝撃が何度も伝わっても大丈夫なのですが、強い衝撃が一度にくると壊れてしまいがち。ある程度の運転技術が要求されるパーツです。

強化マウントは入れるべき?

ズーマーさんのスカイラインは450馬力に耐える強化マウントを装備
引用元:https://cartune.me (ユーザー・ズーマーさんのスカイライン)

メリット・デメリットを踏まえて強化マウントを入れるべきか、考えてみましょう。強化マウントを入れたほうが良い!というのはハイパワーでサーキットを走ることが多い車。それも、チューニング等でパワーを上げている車です。チューニングカーは強化マウントを入れておかないと純正マウントでは耐えられずにせっかくのパワーを逃してしまいます。

それ以外のほとんどの車では、純正マウントがおすすめです。パワーを上げていないなら、純正マウントで容量は充分。得られるメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまうことがあります。

スーさんのインテグラDC2の画像
スーさんのインテグラDC2の画像

いかがでしたか?強化マウントは「強化=より良い」と誤解されやすいチューニングパーツ。強度を上げることが良いことばかりとは限りません。ですが、年季の入った車はエンジンマウントを交換してあげると動きが改善することがほとんど。

強化マウントでは固すぎるのですが、劣化したエンジンマウントもまた力を逃がせなく鳴ってしまうんですね。エンジンマウントを新品にするだけで車は見違えるように快適になるので、エンジンを下ろすような作業があった時には一緒に交換を検討してみてくださいね!

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