2021年08月12日
車内でWi-Fiを使用する、最も安価な方法
車内でのWi-Fi需要が高まってきている今日、どんな方法でWi-Fi環境を構築することができるのでしょうか。車内で使用できるWi-Fiの種類と価格を調査しました。
車内でWi-Fiを使用する方法
快適な動画視聴などにもはや必須とも言えるWi-Fi。車内でWi-Fiを使用するには次の3つの方法があります。
- 車載Wi-Fi
- モバイルWi-Fi
- テザリング
車載Wi-Fi
車載Wi-Fiとは、車内に専用のルーターを設置して使用するWi-Fiのこと。車内環境に最適化されたルーターは熱や振動に強い設計になっています。
モバイルWi-Fi
モバイルWi-Fiとは、充電式のポータブルWi-Fiルーターで通信を行うWi-Fiのこと。持ち運びが可能で自由度が高いのが特徴です。
テザリング
テザリングとは、手持ちのスマホをWi-Fiルーターとして使用し通信を行うWi-Fiのこと。通信環境やデータ容量は、テザリングを行っているスマホに加算されます。
それぞれのメリット・デメリット
車内でWi-Fiを使用するには車載Wi-Fi、モバイルWi-Fi、テザリングの3つの方法がありますが、それぞれのメリットやデメリットの詳細は次のようになっています。
車載Wi-Fiのメリット
- 複数台同時接続が可能
- 電池残量を気にする必要がない
- 夏の車内の熱環境に耐えられる設計
車載Wi-Fiのデメリット
- 機器の新規購入が必要
- 機器の設置作業が必要
- 持ち運びができない
- 停車中やエンジン停止時はほぼ使用不可
- 通信量や通信速度に制限がある(※契約プランなどによって異なる
- 通信が不安定になるエリアがある
車載Wi-Fiは、電源を車から供給するため電池切れを心配することなく使用でき、長距離ドライブのマップ使用時などに重宝します。夏の車内などの高温環境でも問題なく動作するように設計されているため、機器自体の信頼性が高くなっています。
しかし、車載Wi-Fiは据え置き型のため持ち歩き不可。機器の新規購入が必要なほか、エンジンが稼働していないときや停車中は使用できません(一部の停車条件を除く)。そのためキャンプ中や旅館滞在時、平日の仕事中など、車に乗っていない時間には契約金が無駄になりがちです。
モバイルWi-Fiのメリット
- 機器の設置作業が不要
- 持ち運びが可能
- 複数台同時接続が可能
モバイルWi-Fiのデメリット
- 機器の新規購入が必要
- 電池残量を気にしなければならない
- 通信量や通信速度に制限がある(※契約プランなどによって異なる
- 通信が不安定になるエリアがある
- 高温下では使用できないことがある
モバイルWi-Fiはポータブル型のWi-Fiルーターで、自宅や旅行先へも持ち込めるのが大きなメリットです。機器に画面が付いているものも多く、現在の通信量が把握できるのもポイント。もちろん設置作業は不要です。
しかし便利な一方で、機器の新規購入や電池残量を気にしなければならないといったデメリットがあるのも事実。モバイルWi-Fiの電源を確保するために充電用モバイルバッテリーの携帯が必要になることもあります。
テザリングのメリット
- 機器の新規購入が不要
- 機器の設置作業が不要
- 持ち運びが可能
- 複数台同時接続が可能
- 通信が比較的安定している
テザリングのデメリット
- テザリング元のスマホに負荷がかかる
- 電池残量を気にしなければならない
- 通信量や通信速度に制限がある(※契約プランなどによって異なる
- 高温下では使用できないことがある
テザリングは手持ちのスマホをWi-Fiルーターとして使用するため、持ち物が増えずスマートです。機器の新規購入や設置作業も必要なく、必要なのは普段使っているスマホだけ。回線も通常のスマホ回線を使用するため、信頼性が高く安定しています。
しかし、テザリングはテザリング元のスマホに負荷がかかり発熱する可能性があるほか、電力消費が多くこまめな充電が必要となります。高負荷を繰り返すことによるバッテリーの消耗や劣化も無視できません。
車内で使用できる最も安いWi-Fiはどれか
車内でWi-Fiを使用ための3つの方法である車載Wi-Fi、モバイルWi-Fi、テザリング。それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、次は料金についても比較してみましょう。
Wi-Fi料金の比較条件
今回は、4人家族が月に2度の旅行の移動中に車内でWi-Fiを使用すると仮定して算出します。
- 契約期間:2年
- 家族構成:4人家族(親2人、子供2人)
- Wi-Fi使用人数:3人
- 旅行頻度:月2回
- 移動時間:1旅行あたり往復4時間
- データ消費量:1時間あたり1GB(画質1080pで動画視聴)
Wi-Fiはドライバーの1人を除いた3人が移動中の車内で使用するとし、Wi-Fiの使用時間は1ヶ月あたり24時間。1ヶ月あたりのデータ消費量は24GBとなります。
- 1ヶ月あたりのWi-Fi使用時間:24時間
- 1ヶ月あたりのデータ消費量:24GB
なお、テザリングに関してはドライバー1人のスマホの格安SIMの契約(¥3,000/月)をテザリング可能な大容量プランへ変更した場合を想定します。
車載Wi-Fiの料金一例
車載Wi-Fiを2年間契約した場合の料金です。
- ルーター本体価格:¥23,000
- 回線料金:¥26,400(2年間)
- データ通信量制限:なし
車載Wi-Fiの2年間の使用料は、¥49,000(¥2,042/月)でした。
モバイルWi-Fiの料金一例
モバイルWi-Fiを2年間契約した場合の料金です。
- ルーター本体価格:¥0(レンタル)
- 契約時初期費用:¥3,300
- 回線料金:¥69,600(2年間)
- データ通信量制限:50GB/月
モバイルWi-Fiの2年間の使用料は、¥72,600(¥3,025/月)でした。
テザリングの料金一例
スマホの契約を現状の格安SIM(¥3,000/月)からデータ容量無制限の大容量プランへ変更した場合に追加で支払いが必要となる2年間の料金です。
- スマホ本体:¥0(手持ちのスマホを使用)
- 大容量プラン回線料金:¥173,712(2年間)
- 格安SIM回線料金:-¥72,000
- テザリングオプション料金:¥0(30GB/月まで)
- データ通信量制限:なし
テザリングを使用する場合の2年間の追加支払い料金は、¥101,712(¥4,238/月)でした。この金額を現在の格安SIMの料金に追加することで、30GBのテザリングが可能となります。
2年間でWi-Fi環境にかかる金額
車内でWi-Fiを使用するために必要な費用は以下のようになりました。テザリングの場合は、現在の格安SIM(¥3,000/月)の支払い額に下記の金額を上乗せすることで車内でのWi-Fi使用が可能となります。
- 車載Wi-Fi:¥49,000
- モバイルWi-Fi:¥72,600
- テザリング:¥101,712
現在スマホで大容量プランを契約している場合
もし現在スマホで大容量プランを契約している場合、各社が提供しているテザリングオプションをプランに追加するだけでテザリングが使用可能となります。この場合は非常に安価で済むため、まずは現在契約しているプランを確認してみましょう。
- テザリングオプション料金:¥13,200(¥550/月)
車載Wi-Fiが最安
車内でWi-Fiを使用するための方法で最も安いなのは車載Wi-Fiでした。現状の格安SIMから大容量プランへ変更してテザリングを行うよりも2年間で¥50,000ほど安く、モバイルWi-Fiと比較しても¥22,000安いという非常に高いコストパフォーマンスです。
車載Wi-Fiのメリデメをしっかりと理解したい
車載用Wi-Fiルーターを購入してみました。 パイオニアのDCT-WR100Dです。たまにスマホからストリーミングで動画を子供に見せていましたが通信量が増えていたので、ルーターを購入しました。年間使用料金12000円ですが、元は取れそうな気がします😅 来月のスマホ料金がいくらになるか楽しみです🤔
車載Wi-Fiは他の方法と比較すると非常に安価ですが、先述の通り使用可能なのは走行中や一部の停車中のみ。キャンプ中にテントの建て方をYouTubeで確認したり、旅館で友人とオンラインゲームを楽しんだりするときには使用できないので注意が必要です。
しかし、ドライブ中以外はほとんどデータを消費しないという方であればむしろ割安になることも。スマホの容量プランを下げて、容量制限なしの車載Wi-Fiを契約するというやり方も十分考えられます。
想定される使用条件をリストアップすべし
車内でWi-Fiを使用するには3つの方法がありますが、まずは自分や家族がWi-Fiを使用するであろうシーンを明確に洗い出すことが大切です。
移動中しか使わないなら車載Wi-Fi、車中泊や旅先でも使用するならモバイルWi-Fi、手持ちの荷物をとにかく少なくして自由度を確保したいならテザリングというように、シーンによって最適な選択は異なります。
正しい選択を行って快適なドライブや旅行が実現できれば、金額差はたいして気にならないでしょう。まずは使用条件を洗い出し、最適な方法を見つけてみてください。