スカイラインは並行輸入車なの?エンブレムがインフィニティなのはなぜ?

2019年05月24日

スカイラインは並行輸入車なの?エンブレムがインフィニティなのはなぜ?

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日本の自動車業界では伝統的な名前であるスカイライン。しかし最近のスカイラインにはアメリカにおける日産の高級車ブランド「インフィニティ」のエンブレムが付いています。このことからスカイラインは本当は並行輸入車かと思う人もいます。本記事では、現在のスカイラインにあるエンブレムの理由を解説します。

スカイラインの歴史

スカイラインの生誕

初代スカイラインは1957年4月24日に日比谷宝塚劇場でお披露目されました。このときはプリンスからの発売で、エンブレムは十字型でした。

2代目の1963年は「P」を図案化したシンプルなエンブレムでした。同車をベースとしたレーシングカーが日本グランプリでポルシェと優勝を争い、「羊の皮を着た狼」と呼ばれるほどの鮮烈な印象を残しました。

ハコスカ、ケンメリの伝説

プリンスが日産と合併した後の1968年にシンプルな「N」のエンブレムとともに「ハコスカ」と呼ばれる3代目が発売されました。

1972年発売の4代目はハードトップクーペがメインモデルになり、デートを描写したCMから「ケンとメリーのスカイライン」、略して「ケンメリ」と呼ばれ、シリーズ最大の66万台の売り上げを記録しています。同代から「S」型エンブレムが続き、フルモデルチェンジごとに変化をつけています。

スカイラインGT-Rの登場

1981年発売の6代目にCM出演した俳優ポール・ニューマンにちなんだ「ニューマン・スカイライン」などを経て、1989年には従来のスカイラインと並行し走行性能を強化した「スカイラインGT-R」というモデルが登場します。1998年発売の10代目までセダンとGT-Rによる並行生産が続きます。

グローバルモデル化

2001年の11代目からグローバルモデルとなり、スカイライン独自のエンブレムが使われなくなり、セダンは高級車らしいビジュアルに変化し、2002年にスカイラインGT-Rの新車発売が終了します。そして2014年発売の13代目にしてフロントエンブレムがインフィニティに変わり現在に至ります。

スカイラインはなぜインフィニティのエンブレムなの?

スカイラインは従来通り日本で日産から発売されているのに、なぜインフィニティエンブレムが付いているのでしょうか。

インフィニティ社について紹介し、経営戦略からエンブレムの理由を考察します。

インフィニティとは

インフィニティとは1989年11月8日に設立された日産の北米向け高級車ブランドです。それとともに日本では「日産・インフィニティQ45」が発売されました。以降、車名には「Q60」「QX」など「Q」を伴うのがお決まりになりました。トヨタの高級車ブランド・レクサスやホンダの高級車ブランド・アキュラがライバルでしたが、それらほどの人気は得られず、2002年に販売網が見直されました。

ロシア、中国、ウクライナ、ヨーロッパと段階的に海外への市場参入を行い、2012年には香港にインフィニティ本部が移転し、アジア発高級車ブランドとして生まれ変わりました。

インフィニティのエンブレムとは

インフィニティのエンブレムは「無限」という本来の意味から転じて、彼方への道を表現するため、富士山を模した形になりました。山を越えた先へと進む意味合いがあるのでしょう。

経営戦略?

2014年にスカイラインがフルモデルチェンジを受けた当時、当時の日産の副社長だったアンディ・パーマー(現在はアストンマーティンのCEO)はスカイラインにインフィニティエンブレムを付けた理由を同車種のプレミアムブランド化のためと説明しました。

インフィニティブランドとしては、スカイラインと同型の車が「Q50」という名前でアメリカ、中国、ヨーロッパで発売されています。日本では親しまれている「スカイライン」の名前を付与しながら、Q50としての車を世界に広める戦略なのかもしれません。

並行輸入車かという疑問を持つ人もいますが、スカイラインはQ50ともども栃木工場で生産されているため、スカイラインとしては輸入されているわけではありません。ただし、中国市場で流通しているロングホイールベース版のQ50Lは東風日産襄陽工場で作られています。

頓挫したインフィニティの日本進出

これ以前にインフィニティの日本進出が検討されていましたが、実現は見送られていました。BMW、メルセデスベンツなどのドイツの高級車ブランドの勢力の強さと日本車の軽自動車、エコカーなどの低燃費志向などから、インフィニティのような高級車ブランドが付け入れないのが理由とされています。現在も、スカイラインの現行モデルにはインフィニティのモデルがあしらわれています。

魅力の詰まったスカイライン

現行のスカイラインは2014年2月26日から新車販売されている13代目です。2.0Lダウンサイジングターボは3.5Lの自然吸気並の走行性能を発揮し、ハイブリッドモデルも用意されています。運転席は高級感に溢れながら、走りのGTカーの趣が残っています。「ニッサンインテリジェントモビリティ」と呼ばれる運転支援技術で事故のリスクを軽減してくれます。このように車内外の様々な面が充実しており、「ドライバー想いのスポーティな高級車」というイメージです。

まとめ

スカイラインにインフィニティのエンブレムが付いているのは、同車種をプレミアムブランドとして確立させるためとのことです。海外では日産の高級車ブランド「インフィニティ」より「Q50」の名前でアメリカ、中国、ヨーロッパなどで発売されています。誕生から60年以上の歴史を持ち、かつては「ハコスカ」「ケンメリ」「スカイラインGT-R」という伝説的な名前を残し、刺激的な走りでカーマニアを魅了していましたが、現在はスポーティなプレミアムセダンという立ち位置に変わり、時代の流れを感じさせます。

昔のスカイラインに思いを馳せながらも、今後のスカイラインやインフィニティの行方を見守っていきましょう。