2019年02月21日 (更新:2020年06月08日)
愛車のマフラーは大丈夫?違法マフラーは重罪です!
カスタムの定番であるマフラー。車を手に入れたら最初に交換したいパーツですよね。しかし、取り付けたマフラーによっては取り締まりの対象になります。今回は、どのような基準でマフラーの取り締まりが行われているかをご紹介します。
カスタムマフラーは車検に通らない?
現在、様々なメーカーからマフラーが販売されています。馬力が上がったり、純正マフラーとは全く違った排気音になったりと魅力がたくさんありますが、そのマフラーは車検(保安基準)に適合しているのでしょうか。各メーカーは基準に適合させるために様々な実験を繰り返していますが、中には車検に適合しない粗悪なマフラーもあるのです。
車検対応でなければ通らない
車検の項目として、形状や音量、有害物質の量などがあります。音量と排ガスはアイドリング時とアクセルを踏んだ時の状態を測り、形状はボディから極端にはみ出していないかなどを検査します。
ほとんどの車検対応マフラーには、JASMAというプレートが貼り付けられているはずです。このJASMAとは、日本自動車スポーツマフラー協会という機関が公認しているマフラーにのみ授与されるプレートです。
日本自動車スポーツマフラー協会は、スポーツマフラーを推奨しつつ、経済産業省、国土交通省、環境省、警察省などと連携を取っている機関。つまり、「このマフラーであれば車検は大丈夫」という認定を出す機関でもあると言えます。
もちろん、このプレートがなくても保安基準にさえ適合していれば車検には合格しますが、JASMAプレートが装着されていれば、安心して車検を受けることができますね。
環境にも悪い
違法マフラーのほとんどが、排ガスの基準を上回っていることが多いです。これは、マフラーとエキゾーストマニーホールドというエンジンから排気ガスを送るパイプの間にある触媒に関係があります。
触媒は排ガスを抑える大きな役割を担っていますが、違法マフラーではその触媒がありません。これを触媒ストレート、触ストと呼びます。触媒がない分、音量が大きくなりレーシングカーのようでたしかにかっこいいのですが、有害物質がそのまま出てしまうので環境には大きな悪影響を与えます。
違法マフラーが見つかるとどうなるのか
では、違法マフラーを取り付けている場合、どのような処分を受けるのでしょうか。近年、取り締まりの強化から違法マフラーでの検挙も増えてきています。検挙されてしまったらどのような処分を受けるのかをご紹介します。
道路運送車両法第108条に違反
道路運送車両法という法律をご存知でしょうか。これは自動車の整備や登録に関する法律です。まずは、道路運送車両法第108条というものに該当してしまうので、六ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金となります。
この法律は少しわかりにくいのですが、取り締まりを受け、その後の指示に従わない場合は処分されますということです。では、この指示とは一体なんなのでしょうか。
まず、取り締まりを受けると整備命令標章というステッカーを目立つところに貼られます。これは違法改造箇所があるという証明で、違法箇所を整備して車検に合格するまで剥がしてはいけません。
整備命令を受けた後、車検を受ける猶予日数にも期限があります。この期限を過ぎてしまっても、処分の対象になるので注意してください。
道路交通法の違反ではない
道路運送車両法は道路交通法とは異なり、違反点数が加点されるということはありません。しかしながら、罰金刑という刑罰に当たり、罰金が重くのしかかります。
これは、道路交通法よりも罪の重い刑罰として考えて良いでしょう。違法マフラー装着は非常に重い刑罰となることを忘れないでください。
厳しくなるマフラーの取締り
マフラーを交換するにあたって車検対応のマフラーを探さなければいけませんが、その基準も年々厳しくなっています。以前は、定められた音量以上であれば違法マフラーとされていましたが、平成28年10月以降に登録した車は、各車両で新車時の排気音を計測し、それより音量が大きくなるマフラーを違法マフラーとすることになりました。
平成28年10月以前に登録された車は該当しませんが、それ以降の場合は純正マフラーよりも音が大きければ車検に通らない、ということなのです。勘違いして「マフラーを変えると違法なのか?」という方もいらっしゃいますが、社外マフラーであっても純正マフラーと同等かそれ以下なら車検適合となります。
しかし、以前の基準と比較してもとても厳しくなっているのは事実。以前に比べればカスタムの幅も減ってしまったので、少し残念な気持ちもありますね。
まとめ
マフラーについては、年々基準は厳しくなっており、厳しい罰則も設けられました。どうしてもカスタムしたい方は、なんとか車検対応のマフラーを探しましょう。
カスタムを楽しむ私たちも大変な思いをしていますが、排出ガス規制で各自動車メーカーも苦労しているのが現状です。法律の範囲内で楽しめる車を作り上げたいですね。