2021年07月17日 (更新:2022年12月09日)
ブレーキフルードの交換費用と交換出来る場所を紹介!DIY交換の方法も解説!
他のメンテナンスに比べ、忘れがちなブレーキオイル交換ですが、車を安全に走らせる為には定期的な交換が必要です。どこで交換すれば良いのか悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はそんなブレーキオイル交換が任せられる場所をご紹介していきたいと思います。
ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは?
ブレーキオイル(ブレーキフルード)とは自動車の油圧式ブレーキで用いられる液体のことです。主成分はグリコール系であることがほとんどです。ドライバーがペダルを踏むとタンク内のブレーキオイルがマスターシリンダーやブレーキホースを通ってキャリパーまで運ばれ、ピストンを押し出しブレーキを効かせます。ブレーキオイルは吸湿性があり、かつ圧力や高温にさらされているため劣化が進みます。そのため定期的な交換が必要とされています。
ブレーキオイルの規格
ブレーキオイルの性能を示すものとして一般的なのがDOT規格です。沸点や粘度、ph値の違いによって分類されます。スポーツ走行するとブレーキパッドは300℃以上の熱を持ちます。その熱がブレーキキャリパーを介してブレーキフルードに伝わるため、沸点の低いものを使っているとブレーキオイルが沸騰してペーパーロック現象が起こりブレーキが効かなくなります。サーキットではDOT4以上のものを使用しましょう。
DOT規格
DOT3、4、5、5.1の4種類があります。DOT3はドライ沸点205℃以上・ウエット沸点140℃以上、DOT4はドライ沸点230℃以上・ウエット沸点155℃以上、DOT5.1はドライ沸点260℃以上・ウエット沸点180℃以上となっています。DOT5は主成分がシリコンとなっています。レース用等で一部DOT規格に対応していないものも市販されていますが、そうしたブレーキオイルは部品の腐食を早めるため、公道で使用することはおすすめしません。
ブレーキオイルの交換時期
ブレーキオイルは吸湿性があるため経年劣化します。一般道のみ走行する場合DOT3は1年、DOT4以上のものは車検ごとに交換するようにしましょう。山道などでブレーキを酷使するような走行をする場合は最低でも半年に1度、サーキットで走行会に参加する場合は毎回交換しましょう。
ブレーキフルードの交換は必要?
ブレーキフルードは成分の性質上、吸湿性がある為、長期間使用すると少しずつ水分が混ざり、ブレーキシステム内が錆びてきてしまいます。
そして、錆びた部分からオイルが漏れ、周辺金属などが劣化します。これにより、ブレーキの効きやブレーキタッチが悪くなるなどの不具合が生じるのです。
車の安全性を高める為にも、定期的な交換が必要です。交換の頻度は、一般的には3~4年に一度と言われているので、車検と併せて行う方が多いのではないでしょうか。
頻度が多くないのも忘れがちになってしまう要因かもしれませんね。ただし、ブレーキの効きが悪いと感じた場合は、車検までと後回しにせず、早めに交換することをおすすめします。
ブレーキフルードが交換できる場所
そんなブレーキフルード交換を行える場所はいくつかあり、例えばトヨタや日産を始めとした自動車メーカーの正規取扱店のディーラー、通常利用されているガソリンスタンド、オートバックスやイエローハットなどのカー用品総合専門店、普段から行きつけのショップ、修理をお願いしたことのある整備工場などが一般的です。それぞれに特徴やメリットがありますので、次項からいくつかご紹介していきたいと思います。
ディーラーでブレーキフルード交換!
まずは、ディーラーでのブレーキブレーキフルード交換についてご紹介します。
エンジンオイル交換同様、ディーラーは、メーカーと特約店契約を結んでいるのでサービス的にも技術的にも非常に信頼出来るというのが大きなメリットです。
ディーラーでの交換は10,000円前後となっています。元々の工賃が高めなこととブレーキオイルの性能が良いものを使用していることが多く、他の場所での交換よりも費用がやや高い場合がありますが、安全性が高いということでもあるので、安心して依頼出来ますね。
ガソリンスタンドでブレーキフルード交換!
次は、ガソリンスタンドでのブレーキブレーキフルード交換についてご紹介します。
費用が安いことも多く、給油のついでに依頼出来るので最も気軽に行える場所ではないでしょうか。ブレーキフルードの交換を長らく行っていないなと思ったら最寄りのガソリンスタンドでお願いしてみるのもいいですね。価格は5,000円前後で行っている所が多いようです。
カー用品店でブレーキフルード交換!
次は、カー用品総合専門店でのブレーキフルード交換についてご紹介します。
こちらも全国に展開しているチェーン店が多いので比較的気軽に利用出来ます。工賃は3,000円~4,000円くらいとそこまで高くなく、作業時間も短時間で済むのも良いですね。
カーショップでブレーキフルード交換!
最後は、行きつけのカーショップでのブレーキフルード交換についてご紹介します。
こちらもエンジンオイル交換同様、車の状態を把握してくれているプロが行ってくれるというところがメリットですね。費用は店舗にも寄りますが、5,000円前後のところが多い様です。同時に点検や気になる部分の相談も出来るので、一石二鳥ですね。
ブレーキフルード交換費用一覧
交換場所 | 交換料金 |
---|---|
ディーラー | 10,000円 |
ガソリンスタンド | 5,000円 |
カー用品店 | 4,000円 |
カーショップ | 5,000円 |
上記で説明した価格等をまとめると上記のようになります。ディーラー以外ではそれほど工賃に差は見られませんでした。
対象がブレーキフルードであり、交換の頻度も高くないため信頼できる場所で行うのがオススメです。
ブレーキフルードのDIY交換
ブレーキフルードのDIY交換に必要な工具
ガレージジャッキとリジッドラック
車をジャッキアップし固定するために必要なツールです。ブレーキオイルを交換するためには4輪共ジャッキアップしなければなりません。水平な場所で作業しましょう。
十字レンチとトルクレンチ
タイヤの脱着に必要なツールです。タイヤを取り付ける際はトルクレンチを使ってナットを規定トルクで締め付けましょう。
メガネレンチまたはフレアナットレンチ
古いブレーキオイルを排出するブリーダープラグの開閉に必要なツールです。スパナはネジ山を痛めてしまうので使用を控えましょう。
ワンマンブリーダー
ワンマンブリーダーは1人でブレーキオイル交換(エア抜き)する際に必要なツールです。フルード内のエアを真空引きしてくれる優れものです。ホースをブリーダープラグに取り付け使用します。
ブレーキフルードの交換方法
車をジャッキアップしてリジッドラックで固定したら、タイヤを外して作業開始です!
➊マスターシリンダーの位置を把握する
右ハンドルの国産車であればほとんどの場合マスターシリンダーは運転席正面のエンジンルームに取り付けられています。本体上部にブレーキオイルのタンクがあります。そこに新油を継ぎ足しながら作業します。液面が下がりすぎるとブレーキシステムに空気が混入しエア抜きが面倒になります。常に液面をMAX~MIN表示の間にキープすることを心掛けましょう。
➋ブリーダープラグにホースを取り付ける
作業はマスターシリンダーから遠い場所(マスターシリンダーが車体右前側に取り付けられている場合は左後輪)からスタートします。ブリーダープラグの保護キャップを取り外したらホースをしっかり取り付けます。準備ができたらメガネレンチまたはフレアナットレンチでプラグを緩めます。
ペダルの踏み終わりと同時にブリーダープラグを締める人がいればワンマンブリーダーは必要ありません。
➌ブレーキペダルを踏む
ブリーダープラグを緩めたらブレーキペダルを踏み、古いブレーキオイルを排出させます。踏んだ分だけタンクからブレーキオイルが減っていきますので適宜補充します。ブリーダープラグから気泡を含まない新しい透明なブレーキオイルが出てくるようになったら交換(エア抜き)完了です。最後にブリーダープラグをきちんと締めるのを忘れないようにしましょう。この作業を4回(左後輪→右後輪→左前輪→右前輪)繰り返します。念を入れてもう1周繰り返すと安心です。
➍最終チェック
交換が終了したらエンジンをかけてブレーキペダルの踏み応えや踏み代は正常か、ブレーキオイルの漏れはないか確認します。異状がなければタイヤを取り付けジャッキダウンして作業終了です!走り出してからも直線道路で軽くブレーキを踏んできちんと効くか確認しましょう。
まとめ
今回は、ブレーキオイル交換についてご紹介しました。交換頻度は高くありませんが、ブレーキという重要な部分を支えている、ブレーキオイル。不調を感じたらすぐに交換出来るようにしておきたいですね。