2019年06月16日
車のホイールにスペーサーを使用するメリットとデメリット
今回は車のホイールに取り付ける「スペーサー」についてのご紹介です。「自慢の愛車に社外ホイールを取り付けた。しかしなぜかインパクトが足りない」という方に是非ともこの「スペーサー」をおすすめします。ホイールとフェンダーを「ツライチ」にすることで、愛車をより魅力的にそしてお手軽にカスタム出来るのが、この「スペーサー」の魅力です。スペーサーの役割や機能、メリットやデメリットなどを織り交ぜながら、その魅力に迫ります。
スペーサーの役割・機能
まず初めに「スペーサー」とはどういうものか、そして車にとってどういう役割を果たすのかご説明させていただきます。
役割
「スペーサー」とは、車のホイールとハブとの間に挟む「薄い円板」のことを指し、正式名称は「ホイールスペーサー」とも呼ばれます。材質はアルミやスチールなど様々存在します。
スペーサーの特徴は、厚さが3mm、5mm、8mm、10mmと事細かく分類されているのがポイントです。また薄い円盤の「ホイールスペーサー」の他にも、ホイールを取り付けるためのハブボルトが取り付けられた厚めの「ワイトレ」、そして履かせたいホイールのピッチ数(PCD)と車側のピッチ数を合わせるための「PCD変換スペーサー」なども存在します。
機能
車の走行性能はほんの僅か期待できますが、劇的に変わるというわけではありません。あくまで車の「ドレスアップパーツ」としてスペーサーを用いる方がほとんどです。スペーサーを装着すると、外から見たときにタイヤと車のフェンダーが一直線になって見える、いわゆる「ツライチ」状態になります。このツライチが車をよりスタイリッシュに魅せることができるので、カッコよく見えるのです。
スペーサーよりも厚い「ワイトレ」について
ワイトレとは「ワイドトレッドスペーサー」の略であり、一概には言えませんが基本的に「厚さが10mm以上のハブボルト付き」がワイトレのカテゴリに入ります。薄いホイールスペーサーを何枚も重ねるよりも手っ取り早くツラに寄せることができ、スペーサーについているハブボルトにホイールを取り付けることになるので、ハブとホイールとの密着度が増します。しかしワイトレの場合は一部の保安適合商品を除き、車検非対応のものが多いので、選ぶ際には注意が必要です。
スペーサーを使用するメリット
ではホイールとハブとの間にスペーサーを入れることで得るメリットとはどういうものがあるのでしょうか?
同じホイールのままトレッドを長くすることができる
ドレスアップの面では「フェンダーとタイヤの面がピッタリになったツライチ状態になってカッコいい」とよく言われますが、車の性能面から言うと「トレッドが長くなる」と言います。
「トレッド」というのは、車を前後から見たときに左右のタイヤとの間にある一定の距離を指します。このトレッドが長くなることで走行時の安定感が増します。
低コストで細かな調整をすることができる
スペーサーは3mmの薄いものから50mm近くのワイドのものまで幅広いラインナップがあるので、お手持ちの車のフェンダーぎりぎりまで事細かく調整することが可能です。また、3mmもしくは5mm程度の薄いホイールスペーサーであれば、一枚1000~2000円程度で購入可能です。
スペーサーを使用するデメリット
スペーサーを装着することで得るメリットもありますが、その一方でデメリットもあります。ではスペーサーを用いることで車に悪い影響を与えてしまうものとはどういうものでしょうか?
スペーサーが無い状態よりも緩みやすい
まず、スペーサーを装着した後にホイールとナットをはめることになるのですが、注目すべきところは「ナットの固定位置」です。スペーサーを入れた分、ホイールを留めるナットの固定位置がホイール寄りになるのがお分かりいただけますでしょうか?
こうなると、ナットがハブボルトに噛んでいる回数が減り、緩みやすくなってしまいます。それでもスペーサーを装着したい場合は、車側のボルトをワイトレに対応している「ロングハブボルト」へ交換するか、もしくは別のホイールへ交換することをおすすめします。
バネ下重量の増加
スペーサーには多少なりとも「重量」があります。スペーサーを取り付けると、タイヤやブレーキ類を含めた「バネ下重量」も重くなるので、ハンドリング性能や燃費にも影響してしまいます。他のもので例えるならば、「人が走るときに運動靴から革靴に履き替えると途端に遅くなる」原理とほぼ同じです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「ホイールスペーサー」というものを初めて知るという方向けに、事細かなホイールスペーサーのあれこれとご紹介しました。最後に注意事項としまして、お乗りになっている車とホイールスペーサーには「相性」というものがあります。スペーサーが車検対応であったり装着できたとしても、車検に通らなかったり走行性能に悪影響を及ぼす可能性もあります。十分な配慮の上にスペーサーを装着し、楽しいカスタムカーライフを楽しんでいただけばと思います。