ダブルタイトル獲得を目指すトヨタ・ヤリスWRC

2019年06月12日 (更新:2019年06月12日)

ダブルタイトル獲得を目指すトヨタ・ヤリスWRC

2018年、見事WRCでマニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタのワークスチーム、TOYOTA GAZOO Racing WRT。しかし、惜しくもドライバーズタイトルは逃してしまいました。2019年シーズンはマニュファクチャラーズタイトルの2連覇と、ドライバーズタイトルの獲得。つまり、ダブルタイトル獲得を目指します。今回は2019年シーズンのTOYOTA GAZOO Racing WRTとヤリスWRCについて迫ってみましょう。

世界で活躍するトヨタ

引用元:https://toyotagazooracing.com

国内の自動車メーカーの中で、現在、最もモータースポーツを盛り上げている企業がトヨタです。トヨタは2009年現在、世界ラリー選手権(WRC)と世界耐久選手権(WEC)を中心にモータースポーツ活動を行っています。

どちらでも輝かしい成績を残していますが、日本国内において注目度が高いのはやはりWRCでしょう。トヨタはWRカー規定が大幅に緩和した2017年シーズンから、WRCに参戦しています。

参戦してからわずか2戦目で初優勝を果たし、翌年の2018年シーズンでは5勝して、マニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。WECにおいてはル・マン24時間レース初優勝を果たし、2018年はまさにトヨタの年だったと言えます。

これからもトヨタはモータースポーツに注力して、高いブランド力を築き上げてことでしょう。今後の WRC、WECでのトヨタの活躍から目が離せません。

2019年、ダブルタイトル獲得を目指す

引用元:https://toyotagazooracing.com

現在、2019年シーズンが開催されている WRC。2019年5月時点で第6戦「ラリー・チリ」まで開催されており、残すところあと8戦です。トヨタのワークスチームである TOYOTA GAZOO Racing WRT は昨年逃したダブルタイトル獲得を目指しています。

TOYOTA GAZOO Racing WRTのマニュファクチャラーズランキングは 現時点で第2位となっており、ヒュンダイモータースポーツの後を追う形になっています。背後には第3位のシトロエントタルワールドラリーチームが迫っているため、やや不利な状況です。

1位と3位のちょうど板挟みになっているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、シトロエントタルワールドラリーチームと熾烈な争いを繰り広げつつも、ヒュンダイモータースポーツを追いかける必要があります。残されている8戦に期待しましょう。

現時点でのドライバーズランキング

引用元:https://toyotagazooracing.com

ドライバーズランキングではTOYOTA GAZOO Racing WRTのエースドライバーであるオット・タナックが第2位となっています。クリス・ミークは第4位ですが、ヤリーマティ・ラトバラは第9位と、最下位と2ポイント差しかありません。

第1位のセバスチャン・オジエは、シトロエントタルワールドラリーチームに所属しています。マニュファクチャラーズランキング、ドライバーズランキングともに、あと1歩で暫定チャンピオンを獲得できる状況です。

そうなれば、ダブルタイトル獲得も夢ではないので、ドライバーズランキングの動向も見逃せません。ドライバーズランキング上位のオット・タナックの活躍に期待しましょう。

トヨタのモンスターマシン、ヤリスWRC

引用元:https://toyotagazooracing.com

TOYOTA GAZOO Racing WRTが誇るWRカー「ヤリスWRC」。日本でも高い人気を博しているコンパクトカーのヴィッツをベースに大掛かりなチューニングを施したマシンです。ちなみにヤリスとはヴィッツの海外名で、日本国外ではヤリスに統一されています。

全体的なフォルムやフロントマスクはヴィッツの面影がありますが、アグレッシブなワイドフェンダーや大型リアウイングによってコンパクトな印象は一切ありません。実際に、ボディサイズは標準のヴィッツよりもひと回り大きく拡大されています。

ホワイトを基調に、TOYOTA GAZOO Racingを象徴するレッドとブラックのアクセントを施したボディカラーを採用。ヤリスWRCにスポーティーな印象をプラスしています。

ボディ各部には世界の名だたる企業ロゴが施されていますが、これはTOYOTA GAZOO Racing WRTのオフィシャルパートナーロゴ。複数の企業が一致団結することで、1台のWRカーが完成するのです。

ヤリスWRCの主要スペック

引用元:https://toyotagazooracing.com/jp/wrc/report/2019/06/gallery.html

続いて、ヤリスWRCの主要スペックを以下に記載します。WRCの舞台で頂点に立ったヤリスWRCのパフォーマンスはどのようになっているのでしょうか。

エンジン 直列4気筒直噴ターボエンジン
排気量(cc) 1,600
駆動方式 4WD
最高出力 380馬力以上
最大トルク 425Nm以上
トランスミッション 油圧式6速シフト
サスペンション 前後:マクファーソン・ストラット

ヤリスWRCは1.6L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載しています。このエンジンは市販車が搭載している1.6Lエンジンとはまったく異なるもので、トヨタのモータースポーツ活動を統括するTMG( トヨタ・モータースポーツ有限会社)製のグローバル・レース。エンジンです。

あくまで公表値ではありますが、最高出力380馬力以上、最大トルク425Nm以上を発生する驚異的なスペックを誇っています。駆動方式はもちろんフルタイム4WDです。トランスミッションはXトラック製6速シーケンシャルセミATを採用しています。

エンジンやトランスミッションの耐久性はもちろんですが、中でも驚異的な耐久性を実現しているのがサスペンションです。ヤリスWRCのサスペンションは前後マクファーソンストラット式を採用していますが、過酷な走りを耐え抜く専用開発品となっています。

2019年仕様ヤリスWRC

引用元:https://toyotagazooracing.com

現在、WRCでは2019年仕様のヤリスWRCが活躍中です。2019年シーズンで3年目となるヤリスWRCは、2年間で培った技術とノウハウがふんだんに盛り込まれています。さらに優れたWRカーを追求して開発されたマシンが2019年仕様・ヤリスWRCなのです。

外観に関しては2018年仕様のヤリスWRCと大きな違いはありません。オフィシャルパートナーのロゴの位置やフロント周りのカラーリングに変更がある程度に留まっています。

また、2018年時点で変更されている部分ではありますが、フロント周りのエアロパーツに改良を加えたことで、より大きなダウンフォースを得ることができるようになっています。この改良点は2019年仕様のヤリスWRCにも受け継がれているようです。

2019年仕様のヤリスWRCは現時点で第6戦「ラリー・チリ」での戦いを終えています。TOYOTA GAZOO Racing WRTからは3台が出走していますが、どのマシンも順調にポイントを獲得している様子。

ヤリスWRCはマニュファクチャラーズタイトル獲得およびドライバーズタイトル獲得に大きく貢献します。ヤリスWRCの力をもってすれば、TOYOTA GAZOO Racing WRTのダブルタイトル獲得も決して困難ではありません。

最強マシンの正体はヴィッツ!?

引用元:https://toyota.jp

TOYOTA GAZOO Racing WRTのWRカーであるヤリスWRC。その正体は上記でもお伝えしているように、トヨタの主力コンパクトカーであるヴィッツです。

老若男女に親しまれている実用車のヴィッツとハイパフォーマンスカーのヤリスWRCには大きな違いがありますが、具体的にはどのような点が異なっているのでしょうか。今回はヤリスWRCとヴィッツの違いを外観・内装・パワートレインごとに紹介します。

外観の違い

引用元:https://toyota.jp

まずは、ヤリスWRCとヴィッツの外観の違いについてご紹介します。ヤリスWRCには多数のエアロパーツが採用されています。そのため、エアロパーツの類をすべて取り外すことで、ヴィッツのようにカッコよさと可愛さを両立した外観になるでしょう。

また、ヴィッツは5ドアハッチバックボディを採用しています。ところが、ヤリスWRCは欧州市場を中心に販売されている車両をベースにしているので、3ドアハッチバックボディとなっています。

現時点では新車で3ドアハッチバックのヴィッツを購入することはできません。中古車市場であれば、かつて販売されていたヴィッツの3ドアハッチバックモデルを購入することができます。ヤリスWRCのレプリカを製作したいなら、中古ヴィッツの購入を検討しましょう。

内装の違い

引用元:https://toyota.jp

続いてヤリスWRCとヴィッツの内装の違いについてご紹介します。ヴィッツの内装はシンプルかつ使い勝手の良いインパネを採用していますが、ヤリスWRCは内装と呼ばれる類の パーツが一切ありません。

軽量化を図るために、スポーツドライビングに必要のない部品をすべて排除しているからです。そのため、インパネはもちろん、ドアトリムや後部座席など、競技において必要のないものはすべて取り外されています。

ヤリスWRCにあってヴィッツにないものといえば、ロールケージです。ロールケージとは乗員保護を目的とした補強パーツのことで、過激な走りがもたらす衝撃から車自体を守るだけでなく、ドライバー、コ・ドライバーの安全を確保することができます。

ラリー競技に限らず、モータースポーツをする上での必需品です。さらに、ヴィッツは運転・助手席が車内空間の前方にあります。ところが、ヤリスWRCは運転席・助手席を車内空間の中央付近に配置。これにより、重量配分を最適化しています。

パワートレインの違い

最後にヤリスWRCとヴィッツのパワートレインの違いについてご紹介します。上記でもお伝えした通り、ヤリスWRCが搭載しているのは1.6 L 直列4気筒直噴ターボエンジンです。最高出力は380馬力以上、最大トルクは425Nm異常を発生します。

トランスミッションは油圧式6速シフト、つまり6速シーケンシャルセミATです。ステアリングホイールの奥に配置されたパドルシフトで変速操作を行います。 それに対して、ヴィッツは1.0L直列3気筒エンジンもしくは1.3L直列4気筒エンジンを搭載。

ハイブリッドシステムを搭載したヴィッツハイブリッドは1.5L直列4気筒エンジンを搭載しています。スポーツグレードのヴィッツGR SPORT GRは1.5L直列4気筒エンジンを搭載。すべて自然吸気エンジンです。

最高出力、最大トルク共に必要十分の数値となっていて、ヤリスWRCのようなパフォーマンスは持ち合わせていません。トランスミッションは電気式無段変速機(CVT)もしくは5速MTを採用しています。

まとめ

引用元:https://toyotagazooracing.com

WRC第6戦「ラリー・チリ」時点で順調にポイントを積み重ねているTOYOTA GAZOO Racing WRT。これからも堅実にポイントを積み重ねていくことで、マニュファクチャラーズタイトル獲得への道は見えてくるはずです。

同様に、エースドライバーのオット・タナックも暫定ドライバーズチャンピオンまであと1歩のところまで迫っています。マニュファクチャラー部門、ドライバー部門ともに上位をキープしているのでダブルタイトル獲得は決して険しい道のりではありません。

日本勢がWRCランキング上位を席巻した1990年代のように、2019年シーズンは最低でもマニュファクチャラーズタイトルを獲得して2連覇を成し遂げて欲しいところ。欲を言えば、ドライバーズタイトルも獲得して日本の底力を世界に見せつけてほしいですね。