トヨタ・ヴィッツの新型は「ヤリス」に車名変更?

2019年06月12日

トヨタ・ヴィッツの新型は「ヤリス」に車名変更?

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1999年の初代モデル登場から、約20年に渡って世界中で愛され続けているトヨタのコンパクトカー、ヴィッツ。3代目モデルとなる現行ヴィッツは2010年に登場してから、早くも9年が経過しています。そんな現行ヴィッツもついにフルモデルチェンジするという噂を耳にするようになりました。噂によると、ヴィッツではなくヤリスという車名で販売されるのだとか。今回はその真相に迫るとともに、新型ヤリスの情報をお届けします。

大人気コンパクトカー、ヴィッツ

老若男女から親しまれているコンパクトカーヴィッツ。ヴィッツはトヨタが1999年から製造および販売を手がけている小型乗用車です。欧州市場のカテゴリではBセグメントに位置しており、実用車として根強い人気を獲得しています。

トヨタの人気コンパクトカーといえばアクアが頭に思い浮かびますが、アクアの登場は2011年です。アクアが登場する以前は世界中でヴィッツが人気を博していました。もちろん、現在でも欧州市場を中心に高い人気を集めています。

その人気は凄まじく、多数のモデルが販売されているトヨタ車の中で5本指に入るほど。販売台数においては世界的なロングセラーモデルであるカムリやプリウスよりも上です。

まずはそんなヴィッツの歴史を簡単にご紹介します。

ヴィッツの歴史

ヴィッツが登場する以前のトヨタの小型車といえばスターレットでした。スターレットは1973年から1999年にかけて販売されたのち、長い歴史に終止符を打ちます。そんなスターレットの事実上の後継車種として新たに登場した小型車がヴィッツなのです。

初代ヴィッツが登場した1999年当時、コンパクトカーに求められる要素はリーズナブルな車両価格でした。当時人気を集めていたマツダ・デミオや日産・マーチなどのコンパクトカーは車両価格の安さに重点を置き、車としての完成度は二の次だったのです。

初代ヴィッツはそんな「安さ=正義」といったコンパクトカー特有のイメージを払拭し、コンパクトカーに新たな時代を到来させました。車内空間の広さや優れた安全性能、経済性の高さ、そして革新的なデザインは大勢の人たちを魅了することになります。

コンパクトカーのスタンダードとなった

当時の日本は、以前よりもセダン人気が薄れつつあり、ミニバンやクロスオーバーSUVといった次世代の車が人気を博していました。初代ヴィッツはミニバンやクロスオーバーSUVの購買層、つまり、本来であれば小型車に見向きもしない層すらも獲得します。

国内外で爆発的なヒットを記録した初代ヴィッツは5ドアコンパクトカーブームを巻き起こし、世界の小型車に大きな影響を与えました。初代ヴィッツに触発されたことで、ホンダフィットや日産ノートなど、完成度の高いコンパクトカーが続々と登場したのです。

現行ヴィッツはどんな車なのか

現在販売されているヴィッツは3代目モデルにあたります。初代ヴィッツのキープコンセプトとして登場した2代目ヴィッツが5年間にわたって販売されたのち、フルモデルチェンジを実施して現行ヴィッツへとバトンタッチしました。

初代ヴィッツや2代目ヴィッツの大きな特徴であった、使い勝手の良いサイズ感、小型車としては広大な車内空間、経済性の高さは現行ヴィッツにも受け継がれています。従来のヴィッツのデザインを根底から覆すスタイリッシュなデザインも魅力のひとつです。

良くも悪くもヴィッツらしさのないエクステリアデザインは発売当時、賛否両論となりました。しかし、発売から9年が経過した現在は現行ヴィッツのデザインも世間に浸透。今では老若男女から高く評価されるほどになっています。

2014年に実施されたビッグマイナーチェンジによって、ヴィッツのデザインは大きく進化しました。近年のトヨタが積極的に採用している次世代デザイン「キーンルック」を採用したことで、先進的かつ親しみやすいフロントマスクに変貌を遂げています。

現行ヴィッツの主要スペック

引用元:https://toyota.jp

現行ヴィッツには大きく分けて、ガソリン車とハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車の2種類が設定されています。ヴィッツの魅力を存分に堪能できるガソリン車と経済的かつ環境性能に優れたハイブリッド車、それぞれが人気の高いモデルです。

続いて、ガソリン車とハイブリッド車の主要スペックを簡単にご紹介します。同じヴィッツでも大きな違いがあることがわかりますよ。

ガソリン車 ハイブリッド車
全長(mm) 3,945
全幅(mm) 1,695
全高(mm) 1,500
駆動方式 2WD 2WD/4WD
エンジン 1.5L直列4気筒 1.3L直列4気筒
最高出力(PS/rpm) 74/4,800 99/6,000
最大トルク(kgm/rpm) 11.3/3,600~4,400 12.3/4,400
トランスミッション CVT
JC08モード燃費(km/L) 34.4 25.0

※ガソリン車は「U"Sporty パッケージ"」、ハイブリッド車は「HYBRID U"Sporty パッケージ"」の主要諸元表を参考にしています。

ベースは同じヴィッツなので、ボディサイズに違いはありません。最大の違いは搭載するパワートレインと燃費性能でしょう。ハイブリッドシステムを搭載しているため、やはりハイブリッド車はガソリン車よりも優れた燃費性能を実現しています。

もちろん、ガソリン車にはガソリン車の魅力が存在しています。例えば、車両価格の安さ。ハイブリッド車の車両価格は約180~208万円ですが、ガソリン車なら約118~179万円から購入することができるのです(スポーツグレードを除く)。

新型ヴィッツは「ヤリス」に車名変更?

発売からすでに9年が経過している現行ヴィッツ。本来であればもうすでにフルモデルチェンジを実施していてもおかしくないモデルサイクルに突入しています。フルモデルチェンジの時期が遅れている理由はともかく、新型ヴィッツへの移行はそう遠くない未来に訪れるはずです。

新型ヴィッツに関する気になる噂がひとつあります。それはフルモデルチェンジ以降、現在販売されている「ヴィッツ」という車名が廃止され、「ヤリス」に変更されるというものです。そもそもヤリスとは日本国外で販売されているヴィッツの車名になります。

ヴィッツという車名は日本でしか用いられていません。そのため、ヴィッツの主力マーケットである欧州市場や北米市場ではヴィッツではなくヤリスとして販売されています。なぜ日本で浸透しているヴィッツという車名をわざわざ廃止してまで、欧州や北米で用いられているヤリスに統一するのでしょうか。

なぜヤリスに統一するのか

そもそもヤリスという車名にはどのような意味が込められているのでしょうか。 「Vitz(ヴィッツ)」は英語の「Vivid(鮮やかな)」とドイツ語の「Witz(機知)」を掛け合わせた造語です。

それに対して、「Yaris(ヤリス)」は ギリシャ神話の女神「Charites(カリス)」の単数形である「Charis」からの造語となっています。日本では「ヤリス」という響きがあまり好ましくないため、ヤリスではなくヴィッツという車名になりました。

ヴィッツはお買い物カーとしての側面が強いです。しかし、トヨタのWRカーであるヤリスWRCが世界ラリー選手権(WRC)で活躍していることもあって、ヤリスは欧州市場を中心にスポーティーなイメージが強くなっています。

トヨタは日本でもヤリスという車名を用いることで、ヴィッツにスポーティーな印象を与えて販売上での起爆剤にしたいと考えている、という見方があるです。たしかに、近年は競合車種の台頭によってヴィッツのブランド力が薄まっているため、イメージを一新させる機会としてはちょうど良いかもしれません。

新型ヤリスはどんな車になる?

引用元:https://www.toyota.com

新型ヴィッツ改め新型ヤリスは一体どんな車に生まれ変わるのでしょうか。実は北米市場ではすでに先行して新型ヤリスが投入されています。つり上がったヘッドライトと台形状の大型フロントグリルを採用しており、カローラスポーツ風の顔つきです。

新型ヤリスの北米仕様車はマツダ・デミオのOEM車となっています。そのため、フロントマスクのデザインは大きく異なっているものの、サイドビューやリア周りのデザインはデミオとほぼ同じ。異なっているのはリアゲートに配置されているメーカーエンブレムおよび車名エンブレムだけです。

インテリアやパワートレインに関してもデミオと変わりありません。欧州・日本市場でもデミオOEMの新型ヤリスを投入すると思いきや、ヤリスおよびヴィッツの人気が高い欧州・日本市場では北米仕様車とは異なる仕様で発売されると予想されています。

そこで今回は新型ヤリスに関する信ぴょう性の高い情報を元に、エクステリアデザイン・インテリアデザイン・主要スペックについて予想してみました。引き続きラインナップされる可能性が高いハイブリッド車とスポーツモデルについてもご紹介します。

これからご紹介する情報はあくまで予想が中心です。それでも構わないという人はどうぞご覧ください。それでは新型ヤリスの詳細について迫ってみましょう。

新型ヤリスのエクステリアデザイン

引用元:https://www.toyota.com

新型ヤリスのエクステリアは、現行ヴィッツよりもさらにスポーティーかつ攻撃的なデザインを採用すると予想されています。これには間違いなくヤリスWRCの活躍が大きく影響しているでしょう。

具体的には、トヨタ車の多くに採用されている統一デザイン「キーンルック」が現行ヴィッツに引き続き採用されます。より先進的かつ精悍な顔つきとなり、従来のヴィッツの魅力のひとつであった可愛らしいイメージは少し薄れてしまうかもしれません。

ボディラインはこれまでのヴィッツと同様、丸みを帯びた形状であることに変わりはありませんが、キャラクターラインなどによって伸びやかな印象がプラスされます。リア周りのデザインに関しては、テールランプが攻撃的な形状となる可能性が高いです。

新型ヴィッツのボディタイプは3/5ドアハッチバックとなります。ただし、3ドアハッチバックが日本市場に投入される可能性は低いです。スポーツグレードのみの設定か、GRMNなどの台数限定車のみの設定ならあり得るかもしれません。

新型ヤリスのインテリアデザイン

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新型ヤリスのインテリアは、現行ヴィッツの内装とは一線を画す上質なデザインが採用されることになります。現行ヴィッツのインストルメントパネルは曲線を用いて構成されていて、良くも悪くもコンパクトカーらしいデザインです。

シンプルで使い勝手の良いインテリアだとは思いますが、発売から9年も経過しているため、やや古臭い印象も否めません。新型ヤリスでは良い意味でコンパクトカーらしくない、先進的かつ高級感のあるインストルメントパネルが採用されるでしょう。

近年のトヨタ車のトレンドである、カーナビがインパネ上部に配置された欧州車風インテリアに仕上がる可能性もあります。グレードによっては、トヨタのコネクティッド・サービスを利用できるかもしれません。

新型ヤリスの主要スペック

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続いて新型ヤリスの主要スペックについてお伝えします。まずはパワートレイン。新型ヤリスに搭載されるパワートレインは複数ありますが、ガソリン車への搭載が予想されているのは1.0L直列3気筒エンジンおよび1.5L直列3気筒エンジンです。

どちらも自然吸気エンジンでトヨタが新たに開発したエンジンとなります。前者の最高出力は72馬力、後者の最高出力は105馬力だと現時点では予想されているようです。街乗り中心の実用車としては必要十分なエンジンパワーでしょう。

トランスミッションは全車CVTとなります。一部の廉価グレードには5速MTが採用されるかもしれません。ただし、新型ヤリスにスポーツグレードが設定されるのは明らかなので、 5速MTの廉価グレードはスポーツ走行向けではないでしょう。

ボディサイズはほぼ据え置きで日本市場での5ナンバー枠を維持します。欧州市場向けは3ナンバーサイズに拡大される可能性もありますが、現時点では何とも言えません。プラットフォームは新プラットフォームを根幹としたシステム総称であるTNGAが採用されます。

ハイブリッド車の詳細

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日本市場での販売台数増加に大きく貢献するハイブリッド車。現行ヴィッツに引き続き新型ヤリスにもハイブリッド車の設定があります。新型ヤリスのパワートレインは1.5L直列4気筒エンジン+ハイブリッドシステム(電気モーター)です。

トランスミッションにはCVTを採用します。現時点では現行ヴィッツやアクアに設定されているパワートレインをそのまま流用する可能性が高いです。

とはいえ、アクアのフルモデルチェンジが迫っていることもあり、小型車向けの新たなハイブリッドシステムを採用する可能性もないとはいえません。現行ヴィッツハイブリッドの燃費性能は、JC08モード・34.4km/Lを記録しています。

新型ヤリスではJC08モード・40.0km/Lに迫る優れた燃費性能を実現するでしょう。ただし、新型アクアと新型ヤリスの競合を避けるために、新型ヤリスのハイブリッド車は投入時期が遅くなるかもしれません。

GRヤリスの詳細

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ヴィッツ改めヤリスにスポーティーなイメージをプラスしたいトヨタ。現行ヴィッツにもスポーツグレードのGRが設定されているように、新型ヤリスでもスポーツグレードが間違いなく設定されることになります。

現行ヴィッツのスポーツグレードはエントリースポーツの「RS」と「GR SPORT」、スポーツ走行を想定した「GR SPORT GR」、本格的なスポーツ走行を実現可能な台数限定モデル「GRMN」の4種類です。

新型ヤリスにも複数のスポーツグレードが設定されますが、ハイパフォーマンスモデル以外は駆動方式がFFになります。ハイパフォーマンスモデルはヤリスWRCのベース車両となるため、4WDが採用される可能性が高いです。

現時点でこれらの詳細は明らかになっていませんが、ハイパフォーマンスモデルには1.6L直列4気筒直噴ターボエンジンを採用して、最高出力250馬力を叩き出すという噂があります。また、ワイドフェンダーを装着することで全幅を拡大するという説も有力です。

トヨタ・ヤリスは世界で活躍している

引用元:https://toyotagazooracing.com

ヤリスという名称に統一されることで、ヴィッツという名称はトヨタのラインナップから消滅することになります。ヴィッツは馴染み深い車名なので、人によってはヤリスではなくヴィッツのままがいいと思っている人も大勢いることでしょう。

実際に現行ヴィッツを取り扱っているネッツ店では、車名を変更することに反対する声が多いようです。それでも、ヴィッツがヤリスに統一されることはほぼ間違いありません。日本でもヤリスという名称を用いることで、ヴィッツはイメージを一新することができます。

ヤリスは主にWRCを通じて、世界で活躍しているコンパクトカーです。そんな車名を用いれば、より幅広いユーザーに訴求することができるようになります。そうなれば、トヨタはヤリスの開発にますます力を注いで、ヤリスはさらに魅力的な車種となるでしょう。

トヨタのワークスチームである「TOYOTA GAZOO Racing WRT」は、ヤリスWRCを用いてすでに輝かしい成績を収めています。欧州市場でのヤリスに対する注目も高いです。さらなる販売台数増加を見込める新型ヤリスが、トヨタの看板車種になることは間違いありません。

まとめ

今回は新型ヴィッツ改め、新型ヤリスの情報についてお伝えしましたがいかがだったでしょうか。現行ヴィッツは普段使いからサーキットまで、幅広い用途に用いられている魅力的な車種ですが、新型ヤリスは現行ヴィッツよりもさらに 魅力的な車種となります。

使い勝手が良く経済的で、走りの性能も徹底的に追求した新型ヤリスの登場が待ち遠しいと感じている人もいるでしょう。現行ヴィッツは発売から9年が経過している古株なので、フルモデルチェンジまでのタイミングはそう遠くありません。

2019年下半期から2020年末までに発売されると予想されています。個人的には2019年中に何らかの新型ヤリスに関する情報が公式発表されると考えています。新型ヤリスの情報公開の場としてふさわしいのが10月に開催される東京モーターショー2019です。

東京モーターショー2019で新型ヤリスのコンセプトモデルもしくは市販車が発表される可能性は十分にあります。もしくは2020年にスイスで開催されるジュネーブモーターショーです。これらの場で、さらに魅力的な新型ヤリスが登場することを期待しましょう。