ホイールナットが緩んでない?正しいタイヤ交換方法を解説!

2019年05月23日

ホイールナットが緩んでない?正しいタイヤ交換方法を解説!

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車を走行させる上で大切な部分は多くの種類がありますが、路面と直接接地している大切な部品は一体何でしょうか?答えは簡単、タイヤです。では、タイヤを固定しているものは?答えはホイールナットではありません。タイヤ自体を固定しているのはホイールで、ホイール自体を固定する部品がホイールナットになります。今回は緩んでしまうと大惨事を招いてしまう大切な部品「ホイールナット」をしっかりと締める為に、正しいタイヤ交換の方法をお伝えしていきたいと思います!

タイヤ交換の時期は?

タイヤ交換といっても、今回は使い古したタイヤをホイールから外して新しいタイヤへ交換する「組替え作業」ではなく夏タイヤから冬タイヤへホイールごと交換したり、タイヤホイールセットを購入した際に行う「脱着作業」についてです。

みなさんはこの脱着作業をどのようなタイミングで行なっていますか?

夏・冬タイヤへの入れ替えだと、非降雪地区では雪が降ってくる2、3日前に交換する方が多くいらっしゃると思いますが、天気予報が外れてしまい慌てて冬タイヤに履き替えた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

時間に余裕がないと作業をするにも慌ててしまいますし、夜間での作業はとても危険です。夏タイヤへ履き替える春なら暖かくて気になりませんが、雪が降る時期なら寒くて手の感覚も薄れてしまいます。

夏タイヤへの履き替えは雪が降らず凍結の恐れがなくなったタイミングで履き替えをすれば良いのですが、冬タイヤの履き替えはより安全に走る為にタイヤ表面の油や汚れを取り除き路面と接するトレッド面をより均一にさせた方が良いので、降雪の1ヶ月前が理想とされています。

具体的なタイミングは気象庁が発表してくれている「霜・雪・結氷の初終日」の情報がとても参考になりますので、参考にしてみてください。

夏タイヤとホイールをセットで購入された方は、今まで使っていたタイヤの溝が1.6mm以下になる前に必ず交換をしてあげてください。

参考にする場所は、タイヤのショルダー部(肩と呼ばれている部分)を一周ゆっくり見て行くと△マークが必ず付いており、△の頂上の延長線付近にスリップサインという段差があります。この段差とトレッド面(路面との接地面)が1カ所でも均等になってしまうと使用ができません。

※スリップサインが1カ所でも出てしまうと使用してはいけないことが法律によって定められています。

タイヤ交換に必要なもの

それでは、タイヤ交換の時期がわかったところで次はタイヤ交換に必要な工具などを準備していきましょう。

正しい工具を使って手順を間違えなければ怪我をする事もありませんし、事故につながる可能性も限りなく少なくなってきますので安心してください。

  • 軍手(怪我防止のために必ず装着してください)
  • 靴(作業がしやすいスニーカーなど)
  • クロスレンチ(車載のレンチがあれば購入の必要はありません)
  • ナットアダプター(ナットを手で回せない時には重宝します)
  • 油圧ジャッキ(車載のパンダジャッキがあれば購入の必要はありません)
  • ジャッキスタンド(ジャッキのみでは危険なため必ず用意してください)
  • タイヤストッパー(車体が転がらないようにするのであるとより安全です)
  • トルクレンチ(正しいタイヤ交換方法では必ず必要です)

上記の8つがあれば正しいタイヤ交換作業を始めることができます。車体は必ず地面が平行になっている場所で行なってください。

坂道になっているとジャッキが外れたりして大変危険です。(手や足の切断などの重篤事故が起きてしまう可能性があります)

正しいタイヤ交換手順

それでは、車体を地面が硬いアスファルトなど平行な場所に停めサイドブレーキを必ず掛け、エンジンを切ったら早速作業に取り掛かってみましょう。

今回は1本ずつ交換することを前提に解説していきます。フロント同時上げやリア同時上げについては触れておりませんのでご了承ください

軍手を付けてタイヤに輪止めをかける

最初は軍手が慣れない方もおられると思いますが、車から降りた時点で軍手をしておいてください。まず初めにジャッキで持ち上げたい方向とは対角の位置に輪止めをかけ、車体が動かないようにしてください。

(右前をジャッキで持ち上げるなら、左後ろのタイヤの後方、バンパー側に輪止めをかける)輪止めはタイヤに軽く触れていれば大丈夫です。

正規のジャッキアップポイントで車を持ち上げる

車には必ずジャッキアップポイントというジャッキを掛けるための場所があります。サイドステップなどで隠れている場合もありますが、車体の底部(ボディの下側、サイドシルとシャーシを接合している部分)に切り欠きがある部分がジャッキアップポイントです。サイドステップに矢印が書いてある場合もありますが、正直目視した方が早く見つけることが出来ます。

※車体によっては切り欠きがない場合もあります。

ジャッキアップポイントにジャッキをかけたら車体を持ち上げるのですが、タイヤを全部浮かさずに、車体が少し持ち上がった程度の状態にしタイヤはまだ接地させておいて下さい。

前輪にはサイドブレーキがかかりませんので、完全に上げてしまうと人力ではナットを緩めることができません(レオーネにお乗りの方はリアを緩める時にこの手順で行なって下さい)

パンタジャッキを使用する際は、ジャッキのスリット部にプレスラインを挟むようにしてあげて下さい。油圧ジャッキの場合は必ずジャッキパッドの中心で車体を持ち上げて下さい。

毎年この段階で車がジャッキから滑り落ちる事故が起こっています。

少しだけジャッキアップをしたらナットを緩める

少し車体が浮く位ジャッキアップしたところでレンチを使いナットを少しだけ緩めてください。

もし、完全にハブボルトに荷重が乗ってしまっている状態でナットを緩めてしまうと、ハブボルトに物凄い負荷がかかってしまいハブボルトが折れてしまう事があります。ハブボルトが破損してしまうとタイヤ交換どころではなく、即レッカー移動になってしまいます。

なので、ジャッキアップしてハブボルトへの負荷を少なくしたところでナットを緩めるというのが正しい方法になります。少し手間になってしまいますが安全は全てに優先しますので、不安になった時はあえて手間をかけてください。とにかく安全に作業できるようにする事がベストです。

※タイヤはまだ接地しているのでジャッキスタンドが入らなくても、ジャッキだけで上げた状態でも車体の下やタイヤ付近に体が近づいていなければ怪我の心配はあまりありません。

ナットが緩んだら完全にナットを外すのではなく、「緩んだな」程度で止めておいて下さい。ここでナットを全て外してしまうとハブボルトへの負荷だけでなくホイールのナットホールにも傷が入る恐れがあります。車体にもよりますが、最初にナットが締まっている状態から180度〜270度くらいレンチが回ればあとはほとんど力は必要ありませんので、その段階で止めてあげて下さい。

ナットを緩める際、4穴の場合は1本緩めたら2本目は対角、「十」の字を書くような順番で外しましょう。5穴の場合は1本緩めたら緩めたところを基準に「☆」の記号を書くような順番で外しましょう。6穴の場合は1本緩めたら緩めたところを基準に「△」と「▽」を書くような順番で外しましょう。締め付けの際もこの順番を守ってください。

完全にジャッキアップしてタイヤを外す

ナットが全て緩んだと感じられたら、今度はタイヤが完全に浮くまでジャッキアップをしてください。ジャッキアップが完了したらこの段階で必ずジャッキスタンドをかけましょう。ここではタイヤを外す作業になりますが、タイヤを外した後に車体が落ちてしまうとクッションが全く無い鉄の部品(主にブレーキ関連やプレスライン)が落ちてくるので手足が挟まれると大惨事になってしまいます。

ジャッキスタンドをかけたらナットを外すのですが、先程緩めているのでそんなに力を入れる必要はありません。ナットが回りにくいようでしたら緩める方向にレンチを叩いてあげて下さい。外れたナットは無くならないようにひとまとめにしておくと後半の作業が楽になります。ナットが全て外れたらブレーキやボディに当たらないようタイヤホイールをまっすぐ引き抜いてあげましょう。

新たに装着するタイヤホイールの仮締め

タイヤが外れたら次は装着です。取り外しの時と同じ要領でブレーキやボディに当たらないよう注意し、まずはハブボルトにナットホールをかけましょう。ハブボルト1本を一番高い位置にし、ホイールのナットホールも一番高い位置に合わせておくと最初は作業しやすいかもしれません。

ハブボルトとナットホールが全て合ったらナットを「手」で締めてあげて下さい。最初から工具を使ってしまうと微調整ができずハブボルトを破損してしまう可能性がありますし、ナットホールも傷だらけになってしまいます。手が入らないデザインの場合はあらかじめ用意しておいたナットアダプターを使ってゆっくり手で回してあげて下さい。

ホイールがグラグラしない程度に全てのナットを締めたらレンチを使ってホイールが空転しない程度でレンチを使いナットを締めてください。

仮締めができたらタイヤを少し接地させトルクレンチで本締め

仮締めが完了したら取り外しとは反対の手順、タイヤが少し浮いている状態で本締めをしてあげましょう。この時に使う工具は必ずトルクレンチに持ち替えて下さい、車載のレンチやクロスレンチでは正しい力でナットを締め付ける事ができません。特に、足でレンチを踏んで本締めを終わらせるのはNGです。

足で踏んでしまうと、規定の力よりも締め付けてしまいハブボルトが折れてしまったり、ハブボルトのスプラインという部分が舐めてしまったり、ネジ山を破損してしまう事になってしまいます。奇跡的にこのような事が起こらなかったとしても、次にタイヤを外そうとした時にはナットが締まり過ぎて外れないなんてこともしばしば起こっていますので、締めすぎには注意してください。

トルクレンチでホイールナットを締める場合には車種にもよりますが軽自動車では8.0Nm〜10.0Nm、普通車では10.0Nm〜12.0Nm程度が規定のトルクとなっています。

新車の場合だと、ハブボルトが馴染みきってなく規定のトルクで締め付けた際に突然破損してしまうこともあるのでゆっくりと少し低めのトルクを当て、いつもより安全運転で100kmほどの距離を走行した後、再度増し締めを行なってください。

新車でない場合も、走行の振動でナットが緩んでしまう可能性があります。この場合も新車と同様に100kmほど走行した後再度増し締めを行なった方が安全です。トルクレンチの使い方は、力任せに締め付けるのではなくジワジワと力を入れていく形になります。一気に力を入れてしまうとトルクレンチが破損したり、締めすぎの原因となってしまいます。

本締めが終わったらジャッキを下げ、タイヤを完全に地面に接地してあげましょう。同じ要領で残りの3本を交換し、全ての作業が終わったら忘れずにトルクレンチを使って再度4本ともちゃんとナットが全て締まっているかどうかを確認しておきましょう。(この時必ずサイドブレーキは掛けたままで作業を行ってください)

※ここからは、タイヤ交換時に少しだけ役に立つ裏技になります。

裏技その1 仮締め段階でナットがボルトにかかってくれない

ナットホールの深さによって指でナットを回せないホイールは多数存在します。そんな時はアダプターを使うのですが、それでもナットがハブボルトにかかってくれない時があります。そんな時はアダプターにティッシュを詰め込んでください。人差し指を入れて第一関節までしか指が入らないくらいまでティッシュが詰まっていれば、どのようなナットでもほとんどの物がハブボルトにかかってくれるようになります。

裏技その2 ナットホールにアダプターが当たって傷が入りそう

お気に入りのホイールを購入したけど、ナットホールとアダプタが当たって傷が入りそうな時は、あえて社品の外の径が小さいナットを購入しましょう。21HEXが19HEXになるだけでナットホールへの傷が軽減されます。但し、テーパー面が合うかどうかを確認しておかないと正しいトルクで締めてもホイールが外れてしまう恐れがあります。

裏技その3 どうやってもナットが緩んでくれない

自分のありとあらゆる力を使ってもタイヤが外れない方、あっさり諦めて整備工場で外してもらってください。無理をして外そうとすると力が入りすぎてハブボルトを破損したり、突如緩んでギックリ腰になってしまったりする可能性があります。また、どれだけジャッキスタンドを正しくかけても車体が揺れて落ちてしまったりする可能性もあります。怪我をすることが作業の本質ではないので、とにかく怪我をしない方法を選んでください。

※整備工場に依頼をすればエアツールを使用し外してくれますし、最悪の場合でもハブボルトを用意している場所もあり何らかの対策をしてくれます。

まとめ

今回は実際に作業を伴う正しいタイヤ交換方法について解説をしましたが、いかがだったでしょうか?

途中にも書いているのですが、整備士さんの合言葉で「安全は全てに優先する」という言葉があります。サンダルで作業しててナットが足の小指に落ちた程度なら笑い話にできますが、実際には間違った方法で作業すると思わぬ怪我につながってしまいます。

せっかくの楽しいカーライフでも、怪我をしてしまうことで楽しめなくなってしまうのは勿体ないですし、何よりとても悲しいことです。正しい知識や技術を身に付けて安全なカーライフを楽しんでみてください。