夏場は要注意?エンジンのオーバーヒートについて

2019年05月20日

夏場は要注意?エンジンのオーバーヒートについて

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暑い季節がやってくると気になるのが、エンジンのオーバーヒート。この記事では、オーバーヒートの原因や症状、対策方法、オーバーヒート時の対処方法を紹介します。

オーバーヒートの基本情報

最近の車のエンジンではオーバーヒートが発生することは少なくなりましたが、昔の車のエンジンはよくオーバーヒートしました。

そのため、現在では「エンジンのオーバーヒート」といった話を聞いても、どんな症状になるのか分からない人もいると思います。

ただ、最近の車であっても、低いギヤで坂道を走り続けたり、渋滞に巻き込まれてしまい低速で長距離を走り続けたりすると、エンジンがオーバーヒートする可能性が高まります。

また、サーキット走行などでエンジンを限界まで回しての長時間走行も、オーバーヒートが発生する可能性が高まります。もともと冷却性能が劣る輸入車を乗っている人も、オーバーヒートには要注意。

オーバーヒートが発生したとしても、すぐにエンジンが壊れてしまうことは少なく、これから紹介する対処法などを冷静に実行することで、被害を最小限にすることが可能です。

オーバーヒートの定義

水冷エンジンは、冷却水によって冷却することで正常に動くことができます。対して、適正な冷却水の温度を超えてしまい、エンジンが正常に動かなくなるほど熱くなった状態がオーバーヒートです。

オーバーヒートに陥る原因及び発生時の症状

オーバーヒートに陥る原因は概ね6つ。発生時の症状も3段階に分かれるので紹介します。

ラジエーターやホースの中にある冷却水が漏れ出しオーバーヒート

ラジエーターはアルミや真鍮などの素材でできているため、飛来物が当たると穴が開いてしまう場合があります。一方、ホースはゴムでできているため、経時劣化によって穴が開いてしまったり、ホース類を固定しているバンドの装着が不完全な場合があったりします。

このような場合、ラジエーターやホース類から冷却水が漏れ出してオーバーヒートの原因になります。

ウォーターポンプが正常に動かなくなくなりオーバーヒート

ウォーターポンプは冷却水を循環させる役割があります。具体的には、ウィーターポンプga

ベルトを介して回転することで、冷却水に圧力をかけて流れを作り、エンジンやラジエーター内を循環させます。

ウォーターポンプの構成部品は、ボディーをはじめ、フランジ、インペラー、ウォーターポンプベアリング、メカニカルシールなどとなっています。フランジにはプーリーが装着されており、そのプーリーがベルトを介して回転するとボディーの内部にあるインペラーも回転し、冷却水に圧力をかけて流れを作り出します。

ウォーターポンプが故障してしまうと、冷却水の流れが停滞してしまい温度が上昇し、オーバーヒートの原因となります。

冷却用電動ファンが正常に動かなくなりオーバーヒート

冷却用電動ファンはラジエーターを冷却する役割があります。モーター、ファン、シェラウドなどで構成され、ラジエーターに装着されています。

通常、ラジエーターは走行中、風を取り入れることで冷却します。ただ、速度が低くなり、風が取り入れられなくなり、冷却水の温度が上昇すると、冷却用電動ファンが作動することでラジエーターを冷却します。そのため、常に冷却用電動ファンが作動し続けている訳ではありません。

アイドリングの状態で放置し、冷却用電動ファンが故障して正常動かなくなってしまうと、数分後には冷却水の温度は100℃を超えてしまい、オーバーヒートの原因となります。

サーモスタットが正常に動かなくなりオーバーヒート

サーモスタットを冷却水の水路に装着することで、ラジエーターに冷却水を循環させたり、循環させなかったりすることができます。外気が低くエンジンが冷えている場合は、サーモスタットによってラジエーターに冷却水を循環させないことで、暖機を早めrられるのです。

サーモスタットには色々な種類がありますが、自動車のエンジンにはワックスペレット型サーモスタットが使われることがあります。このサーモスタットは、カプセルに入れられたワックスが熱くなると膨張してバルブが開き、ワックスが冷えれば、バルブを閉じるといった仕組みとなっています。

もし、エンジンの暖機が完了した後でも、サーモスタットの故障によって冷却水をラジエーターに循環させることができなくなると、オーバーヒートの原因となります。

ラジエーターに雪やゴミ、枯れ葉などが詰まってオーバーヒート

ラジエーターの中には冷却水が入っており、走行中、ラジエーターに風を当てることによって冷却水を冷やすという仕組みです。そのため、ラジエーターのコアに雪やゴミ、枯れ葉が詰まってしまうと、ラジエーターに風が当たらなくなり、冷却水の温度が上昇し、オーバーヒートの原因となります。

エンジンオイルが漏れ出して不足しオーバーヒート

エンジンオイルはエンジンを冷却する役割があります。そのため、エンジンオイルが漏れ出すことで量が減ってしまうと、エンジンを冷却できなくなり、オーバーヒートの原因になります。ガスケットやシールに不具合が発生すると、エンジンオイルが漏れ出すことがあるので、注意が必要です。

初期のオーバーヒートの症状

初期のオーバーヒートでは、水温計のゲージがH付近を示したり、水温警告灯が点灯したりします。更に、通常通り、車を走行させようと思っても車速が上がらなかったり、エンジンからカタカタというノッキング音が発生したりします。エンジンの回転数が安定しない状況になることもあり、いわゆるハンチングが発生します。

中期のオーバーヒートの症状

中期のオーバーヒートでは、水温計のゲージがHの位置をオーバーしたり、水温警告灯が点灯したりします。更に、ボンネットから水蒸気が立ち上り、エンジンからはキーキーという音が発生することがあります。

後期のオーバーヒートの症状

後期のオーバーヒートでは、オイルが焦げ付いたような匂いがしたり、エンジンから異音が発生したりして、エンジンがストップしてしまいます。

オーバーヒートの対策方法

オーバーヒートを対策する方法には、冷却水の管理、ラジエーターのグレードアップ、オイルクーラーの装着があります。ひとつづつ、紹介していきましょう。

冷却水をしっかり管理する

冷却水を管理する方法は、エンジンが冷えた状態で、リザーバータンクのラインで確認します。FFやFRなど、エンジンが車のフロントに搭載されている場合のほとんどは、ボンネットを開くとリザーバータンクがあります。リザーバータンクの正確な位置はオーナズマニュアルなどに書いてあるので確認してください。

リザーバータンクの側面にあるアッパーとロア―のラインの中間位置に冷却水の液面があれば、正常です。もし、冷却水の液面がロアのライン以下であったら、冷却水を補充します。冷却水を補充してもすぐに減る場合は、エンジンやホースなどから冷却水が漏れ出している可能性があります。

このようなことから、定期的にリザーバータンク内の冷却水をチェックすることで、オーバーヒートを対策することができます。

ラジエーターをグレードアップする

純正のラジエーターの中には1層構造のラジエーターがあります。2層や3層構造にしたり、コアに厚みをもたせたラジエーターにグレードアップさせて交換することで、冷却効率が向上し、オーバーヒートの対策になります。

BLITZ、TRUSTといったメーカーのラジエーターが販売されており、おすすめです。

中でもBLITZ RACING RADIATOR TypeZSは、価格を抑えた軽量オールアルミラジエター。熱容量をアップさせるために、厚コア(42mm)と大容量タンクを採用しました。加工が必要な場合がありますが、純正のファン&シュラウドを装着可能です。バフ仕上げのタンクを採用しており、クオリティにもこだわりが感じられます。

1/8PTサービスホールが付いているので、水温センサーのアウトプットに重宝します。新型アウターフィンが採用されているので、放熱性が向上。車種によって違うチューブピッチを採用しました。ドレンボルトはアルマイト仕上げ、ラジエターキャップはBLITZオリジナルとなっており、こだわりが感じられます。

一方、TRUST GReddy ラジエター TWRは、2 層ワイドチューブコア(オールアルミ製)を採用。2 層ワイドチューブにすることで、3 層構造に匹敵する容量を実現しました。純正と比較して2倍以上の冷却水の容量があり、圧力損失を減らすことが可能。

ハイプ レッシャータイプ ラジエターキャップ(開弁圧力127kPa(1.3kg/cm2))も標準装備(全車種TYPE-S)されています。優れた強度と耐腐食性を両立させるためにアルミ素材になっており、バフ加工を施したタンクを採用したので、エンジンルームに精悍さをプラスすることができます。

サーモスタットの交換

サーモスタット故障によるしエンジンのオーバーヒートへの対策としては、やはりサーモスタットを交換することが有効です。

オイルクーラーの装着

エンジンオイルの役割は、エンジンの潤滑や密封、洗浄の他に、冷却があります。そのため、オイルクーラーを装着してエンジンオイルの温度が高くなり過ぎないようにすることでオーバーヒート対策になります。オイルクーラーはエンジン内のエンジンオイルをオイルクーラーに循環させることで冷却するので、サーキットを走る場合、オイルクーラーを装着することで、オーバーヒートの対策になります。

TRUST、HKSといったメーカーのオイルクーラーが販売されており、おすすめです。

中でも、TRUST GReddyオイルクーラーシリーズのオイルクーラーキット(オイルエレメント移動タイプ)(OIL COOLER KIT (OIL ELEMENT RELOCATION TYPE))は、放熱性に優れ、圧力損失が低いため、オイルの温度を安定させることが可能です。

オフセットフィンを装着した大容量のコアを採用することで、放熱量を高め、圧力損失も低減した理想的な仕上がり。エレメントを移設することでオイルフィルターの交換が簡単になり、メンテナンスも楽になります。更に効果を高めるためには、トラストオイルフィルターを使用しましょう。

オーバーヒートした場合の対処方法

オーバーヒートが発生した場合、その場で行える対処方法を紹介します。オーバーヒートが発生しても、これから紹介する対処方法を冷静に実行すれば、被害を最小限に抑えることができます。

安全なところに車を停車する

オーバーヒートがひどくなると、エンジンがストップしてしまい走れなくなる可能性があります。例えば、追い越し車線などで車が停止してしまうと、後続車に追突される可能性があるので、エンジンがストップする前に、路肩など安全なところに車を停止させる必要があります。

エンジンをつけたままでボンネットを開けて風を取り入れる

イグニッションをオフにしてエンジンをすぐに停止させてしまうと、冷却水やエンジンオイルの循環も止まってしまい、オーバーヒートを悪化させてしまうことがあるので、エンジンを停止させないでください。

次に、エンジンルームは高温になっていることが想定されるので、注意しながらボンネットを開けてエンジンを外気に触れさせることも必要です。エンジンルームをチェックして、冷却水が漏れていたり、冷却用電動ファンが動いていなかったりする場合はエンジンを停止させてください。

自走できるかどうかを判断する

オーバーヒートの症状が緩和されても、道路が渋滞していたり、坂道が続いたりするようであれば、どちらにせよ再度オーバーヒートが悪化することが予想されます。自走はあきらめ、ロードサービスを使用しましょう。

まとめ

オーバーヒートの原因や陥った場合の症状、対策方法、オーバーヒート時の対処方法を紹介しました。オーバーヒートの症状が出たら、紹介した方法に基づいて対処しましょう。日常から、冷却水の量や漏れを点検することで、オーバーヒートの発生を防ぐことができます。

最近、オーバーヒートは少なくなりましたが、もしオーバーヒートが発生しても、あせらずに対処することが重要。オーバーヒートが緩和され、走れそうな状態になっても、道路の状況によっては無理をしないでロードサービスを呼んで、専門家に任せることが必要です。