2019年05月01日 (更新:2020年07月10日)
5mmのスペーサーがワイドトレッドスペーサーと呼ばれない理由とは?
5mmのスペーサーはトレッドを広げるという役割は同じなのですが、ワイドトレッドスペーサーと呼ばれません。その理由はどこにあるのでしょうか?疑問に感じた方もいるはずです。今回は、そんな5mmのスペーサーについてご紹介します。
スペーサーとワイドトレッドスペーサーの違い
5mmのスペーサーもワイドトレッドスペーサーとは言われません。そして、幅が広くなると突然ワイドトレットスペーサーと呼ばれるようになります。この差は一体どこにあるのでしょうか?それは、厚さの違いと構造の違いにあるのです。
スペーサーの厚さ
まずは厚さに注目します。本来、スペーサーとはスペースを埋めるため、つまり、空間を埋めるためのものです。トレッド幅に関して考えると、タイヤとフェンダーの段差がないツライチにするにはホイールとハブの間に隙間が生まれてしまいます。
その隙間を埋めるためのスペーサーなのです。そう考えると、トレッドをワイドにはしますが、5mmはワイドとは呼べず、ほんの少しのスペースを埋めるためということでスペーサーと呼ばれているということが理由の一つです。
ボルトの有無
スペーサーとワイドトレッドスペーサーでは、構造に大きな違いがあります。スペーサーはそのままハブとホイールの間に挟み込むだけですが、ワイドトレッドスペーサーはナットでしっかり固定しなければなりません。
トレッドを広げるということには変わりありませんが、挟み込むだけのスペーサーとしっかり固定し、タイヤを外しても外れないワイドトレッドスペーサーには構造の違いがあることから、呼び方に違いがあるのですね。
この構造の違いは、車側のハブボルトの長さにあります。15mm以上のスペーサーをつけると、ホイールを固定するだけの充分なハブボルトの長さが確保できず、大きな力が加わるとハブボルトが折れてしまうのです。
重いものを掴む時、深く握ったほうが力が入るのと同じです。指先では重いものを持ち上げることはできませんよね?ボルトは固定しているため、タイヤを支えきれなくなると折れてしまうので、非常に危険なのです。
スペーサーとワイドトレッドスペーサーを使い分ける方法
呼び方に違いのあるスペーサーとワイドトレッドスペーサーですが、一体どのような場合に使い分ければ良いのでしょうか。見た目、安全性を考えながら使い分けを考察していきます。
見た目
大きく関わる部分は見た目でしょう。フェンダーにタイヤがどれだけ隠れているかによって使用する幅は変わります。タイヤをなるべく外側に出したいところですが、フェンダーからタイヤがはみ出てしまえば車検非対応となってしまいます。
せっかく15mmのワイドトレッドスペーサーを装着しても、車検非対応となってしまうのはまずいです。この場合はスペーサーで対応しなければいけません。しかし、あまりにも内側にホイールが入っていては見た目としてはイマイチです。
現在、愛車のホイールとフェンダーの段差がどれだけあるかを計測し、適切なスペーサーを入れることが望ましいです。
安全性
ワイドトレッドスペーサーであれば、ボルトでしっかりと固定されていますので安全に思われるかもしれません、しかし、曲がる際には大きな荷重がかかってしまいます。てこの原理を考えると、物体が離れたほうがエネルギーが大きくなるのです。
純正部品は純正タイヤの荷重で安全に走行できるよう設計されていますので、スピンしただけでテンションロッドが曲がってしまうという現象も考えられます。また、ハイパワーな車や重量の多い車であれば、加速したり急に止まった不可に耐えきれず、ワイドトレッドスペーサーが壊れてしまう可能性もあります。
車の使用方法によって分かれますが、スポーツ走行などを行なったり車の特性によってはワイドトレッドスペーサーよりもスペーサーを使用した方が良い場合もあります。
まとめ
ワイドトレッドスペーサーとスペーサーの違いは、厚みと構造の違いがあったのです。自分の愛車に合わせた使い分けが重要です。見た目も大きく変わるスペーサーですが、安全を確保しながら運転することが一番ですね!