車に乗るなら知っておきたい「スリップ」の言葉が付く専門用語

2019年04月28日

車に乗るなら知っておきたい「スリップ」の言葉が付く専門用語

labelタイヤ

「サイドスリップ」と「スリップサイン」車に乗る方なら、一度は聞いたことがある言葉だと思います。どちらも「スリップ」が付くので、タイヤに関わる言葉だということはもちろん想像がつきますよね。今回はこの2つの「スリップ」が付く言葉を解説したいと思います。

サイドスリップとは?

サイドスリップとは?そう、読んで字のごとく「サイド(横に)・スリップ(滑る)」ことです。

サイドスリップの定義

簡単に横に滑ると言いましたが、ハンドルを真っ直ぐにした状態(直進状態)で車を走らせた時、どれだけ横に滑るのか?この横滑り量をサイドスリップと言います。

サイドスリップと車検

サイドスリップは車検での検査項目にも入っています。「直進で1m走行したときにサイドスリップが5mmを超えない」事が、車検クリアの条件です。車検時に測定するのは前輪のサイドスリップのみで、後輪のサイドスリップは5mmを超えても問題ありません。

ちなみに滑る方向はインでもアウトでも(内側に滑るか外側に滑るか)どちらでも大丈夫です。

ただこれは国産車の場合で、輸入車の場合は自動車メーカーの定める基準値内であれば、1mにつき5mmを超えても良いとされています。

サイドスリップの調整方法

タイヤは進行方向に対して真っ直ぐ向いていると思っている方も多いかと思いますが、実はほとんどの場合そうではありません。直進性を高めるためなどの理由で、わずかに角度が付けられています。

車を上から見た時の角度を「トー角」と呼び、このトー角を調整することが基本的なサイドスリップの調整になります。このトー角の調整は、ハンドルの回転をタイヤに伝えるタイロッドという部品の、タイロッドエンドを回すことで行います。

「基本的な」と言ったのは、車検クリアのためのサイドスリップ調整はこれで十分だからです。前輪のサスペンション周りは、トー角以外にも「キャンバー角」「キャスター角」などの角度を調整することでアライメント調整が出来ますが、日常的な走行ではフィーリングにこそ影響するものの、必ず行わなければ危険とまでは考えられていないためです。

勿論、これらを調整することにより、直進安定性の向上、コーナーリング性能の向上、タイヤの変摩耗予防など、総合的な性能向上につながります。

費用は、トー角の調整だけなら3,000〜5,000円、アライメント調整だと10,000円〜30,000円ほどかかります。

スリップサインについて

スリップサインはサイドスリップよりドライバーにとって身近で関わりの深い用語です。

サイドスリップは専用のテスターなどで計測しないとわかりませんが、スリップサインは日頃の目視でチェックすることが出来ます。

スリップサインの定義

一部のレース用タイヤを除けば、どのメーカーのタイヤでも、タイヤと路面の間の水はけを良くする「溝」が必ずあります。この溝をよく確認していくと、何ヶ所かゴムが盛り上がった部分(4〜9ヶ所)が見つかります。このゴムの盛り上がった部分の事をスリップサインと呼びます。

スリップサインを見つけるにはタイヤの側面を見れば簡単です。タイヤの側面に三角形のマーク(△)を見つけることが出来るので、そのマークを接地面に真っ直ぐたどればスリップサインがあります。

タイヤがすり減って溝の深さが1.6mm以下になると、このスリップサインが現れて接地面の端から端までつながったようになります。

(ダンロップタイヤ公式サイト)

スリップサインと車検

では、スリップサインが出たらどうなるのでしょうか?

結論から言うと、スリップサインが出たタイヤでは車検に通りません。これは法令で定められています。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第三節)第167条(走行装置等)

タイヤにスリップサインが出てきたら

スリップサインが出たら車検にも通らないですし、なによりもそのようなタイヤで走行することは危険です。

「スリップサインが出た」=「タイヤの溝がない」ということ。そのようなタイヤで走行したらどうなるか?乾いている路面ならどうにか走行することは出来るでしょう。しかし雨で濡れた路面だったら…?考えただけで怖いですよね。低速でも「ハイドロプレーニング現象」(濡れた路面を高速で走行した際に、タイヤと路面との間に水膜ができることによって浮いた状態になり、ハンドルやブレーキがコントロールできなくなる現象)が起きて、制動距離が長くなります。

スリップサインが出たタイヤはもう寿命、限界が来ているということなので、迷わず交換しましょう!

まとめ

今回はタイヤに関わる2つの用語「サイドスリップ」と「スリップサイン」について解説しました。

タイヤは車と外部(路面)が接触している唯一の部分。エンジンや排気系に手を加えてパワーアップしても、そのパワーを路面にきちんと伝えることが出来なければ宝の持ち腐れになってしまいます。車に乗る時にはタイヤの溝をチェックをし、定期的にサイドスリップなども点検するようにしたいですね。