暖房は燃費に影響しない!?車の暖房の仕組みや正しい使い方教えます! | CARTUNEマガジン
暖房は燃費に影響しない!?車の暖房の仕組みや正しい使い方教えます!

2019年04月09日 (更新:2022年07月20日)

暖房は燃費に影響しない!?車の暖房の仕組みや正しい使い方教えます!

車の暖房は燃費に影響しないってご存知ですか?車の暖房の不思議なカラクリをご紹介します!

車の暖房は燃費に影響しない?

ながさんさんのWRX STIの画像
ながさんさんのWRX STIの画像

現在の自動車には暖房と冷房の機能があり、まとめてエアコン(エアコンディショナー)と呼ばれています。現在の主流である水冷式エンジンは、熱を帯びたエンジンを冷却するためにクーラント(冷却水)という水を使用します。このクーラントがエンジンの内部を循環することで、エンジンの熱を奪い、冷却します。暖房は、このエンジンから発生する熱を利用するため、「タダ」なんです。

暖房の仕組み

エンジンの熱によって温められたクーラントは、パイプやホースを使い車内まで引き込まれ、ヒーターコアに貯められます。ヒーターコアは、熱伝導率が高いアルミや真鍮でできており、中に水が通る網のような部品です。この部分にファンで風を当てることで温風を発生させます。

このとき、クーラントは80℃以上で保持されます。ヒーターコアをクーラントで完全に満たしてしまうと温風の温度が高くなり過ぎるので、ウォーターバルブによって、ヒーターコアに入るクーラントの量を調節します。適度な温度になったヒーターコアにブロアの風を当てることによって、車内に温かい風を送り込むことができるようになります。

車を乗っている人なら経験があると思いますが、エンジンを始動させて間もない時は、エアコンの吹き出し口から温かい風が出てこないことがあります。この原因は、エンジンを始動させて間もない時は、まずエンジン本体の温度を上げるために、クーラントをヒーターコアに循環させないようにしているからです。

暖房を使うときACボタンは押さなくて良い!

スペスポ改さんのスペーシアカスタムの画像
スペスポ改さんのスペーシアカスタムの画像

ACボタンは冷房のためのスイッチです。まず冷房の仕組みについて紹介します。冷房の構成部品には、エアコンベルトを介してエンジンの駆動力によって回転するコンプレッサーがあります。

コンプレッサーによって圧縮された冷媒は、半液体になった後、コンデンサーに充てんされファンによって冷却されることで液化が進みます。更に、冷媒はレシーバーを経由させることで、液化できなかった冷媒を分離した上で、水分や不純物などを取り除きます。

車内に引き込まれた冷媒は、エキスパンションバルブによって霧状になり、エバポレーターに送り込むことで気化させます。気化する際に熱交換によって冷やされたエバポレーターにブロアの風を当てることによって、車内に冷たい風を送り込むことができるようになります。

更に、エバポレーターでは急激に冷された周囲の空気中に含まれていた水蒸気が水滴となります。この水を車外に排出することで、車内を除湿することができます。冷房には、エンジンの負荷となるコンプレッサーを装着しています。冷房が必要がない時はACボタンをオフにして、コンプレッサーを停止させてください。冷房を使うことで、燃費が10~20%悪くなるといわれています。

暖房を使うときもACボタンを押すべき場合は?

tatsuyaさんのミニジョンクーパーワークスの画像
tatsuyaさんのミニジョンクーパーワークスの画像

車の暖房は、車内の温度を上げるために使われる以外に、デフロスターという機能に使われます。デフロスターモードにして暖かい風をフロントガラスなどに当てて、曇りを除去します。フロントガラスなどが曇る原因は、ガラスによって冷やされた車内の水分が水滴となり、ガラスに付着するためです。

ACボタンを使用すると曇りを素早く除去できる

マニュアルエアコンの場合は、デフロスターモードに切り替えて風の温度や風量を上げると、ガラス付近に設置されたエアコンの吹き出し口から暖かい空気が勢いよく出て、曇りを除去します。

雨の日など湿気が多い場合には、外気導入モードから内気循環モードに切り換えた後に、ACボタンをオンにして車内を除湿することで、ガラスの曇りを素早く除去することが可能となります。

まとめ

オートエアコンの場合は、デフロスターのスイッチを押すだけで、ACボタンがオンになり、エアコンの吹き出し口から暖かい空気がでてガラスの曇りを除去します。ただ、自動的に外気導入モードになってしまう車もあるので、雨の日など湿気が多い場合は手動で内気循環モードにするとガラスの曇りを素早く除去できます。

車の暖房の仕組みや正しい使い方について紹介しました。車の暖房はエンジンで温められ熱くなったクーラントを有効活用しています。そのため、エンジンに対して負荷をかけていないので、燃費に影響はありません。

車の暖房と冷房の仕組みは異なるので、暖房だけを使う場合はACスイッチをオンにする必要がなく、逆にACスイッチをオンにしてコンプレッサーを動かしてしまうと、エンジンの負荷となってしまい、燃費が悪くなるので注意しましょう。

デフロスター機能を使い、暖かい空気をガラスに当てつつ、ACスイッチをオンにして除湿することで、ガラスの曇りを早く除去することができます。

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