走り好きを沸かせたホットハッチを振り返る!小粒でピリリと辛いラテン系・アバルト編 | CARTUNEマガジン
走り好きを沸かせたホットハッチを振り返る!小粒でピリリと辛いラテン系・アバルト編

2018年03月24日 (更新:2020年09月01日)

走り好きを沸かせたホットハッチを振り返る!小粒でピリリと辛いラテン系・アバルト編

実用性と経済性、そしてとびきりのスポーティさを兼ね備え、様々な世代の走り好きたちを沸かせ続けてきたホットハッチ達。今回はそんなホットハッチの中でも、イタリアンホットハッチの定番、アバルトブランドのクルマ達について振り返ります。

アバルトってどんなブランド?

刺激的で美しく、官能的なクルマを作り続ける国、イタリア。そんなイタリアで古くから主にフィアット車をベースとしたスポーツカーを生み出し続けているブランドがアバルトです。創業者カルロ・アバルトの誕生月の星座であるサソリのエンブレムを輝かせるアバルトのクルマ達は、ヨーロッパ中のサーキットを暴れまわり、また世界中のクルマ好きを虜にしてきました。今回はフィアット傘下になった現在でもその輝きを失っていないアバルトの魅力を、「アバルトマジック」をかけられた4台のホットハッチを通して紹介します。

70年代のサソリ-アウトビアンキA112アバルト

アバルト
CARTUNEユーザー ターキーさんのアウトビアンキA112アバルト。きちんと手をかけられた一台です。
引用元:CARTUNE

かつて存在したイタリアの自動車ブランド、アウトビアンキ。フィアット傘下であった同社は、グループ内で小型車の新技術を試験的に市場に導入するパイロットブランドとしての役割を担っていました。そんなアウトビアンキが生み出した小型車がA112です。

ダンテ・ジアコーサ式FFシステムの普及を図るべく、それを採用したフィアット127に先立って市場に導入されたA112でしたが、1973年には当時すでにフィアット傘下にあったアバルトがチューニングを行った「A112アバルト」が登場します。わずか700kgの軽量ボディに最高出力70PSを発揮するアバルトチューンの直4OHVエンジンを搭載し、フィアットグループの市販車としては初めてアバルトの名前が冠されたこのクルマは、新しいFFシステムの評判を確かめるためだけのモデルに過ぎなかったA112シリーズを人気車種へと成長させ、なんと1985年まで製造されました。

またヨーロッパ各国でA112アバルトによるワンメイクラリーが開催されたほか、イタリア国内ラリーを中心にモータースポーツシーンでも活躍しました。70年代イタリアにおいて様々な面でアバルトマジックを見せつけた、アバルトの歴史を語るには外せない一台です。

手軽にアバルトを楽しむなら・・・-プントスポルティングアバルト/プントHGTアバルト

プント
CARTUNEユーザーRyuさんのプントスポルティングアバルト。フルノーマルです。
引用元:CARTUNE
プント
CARTUNEユーザーりんたさんのプントHGTアバルト。近年のアバルト車風のサイドのデコラインがお洒落です。
引用元:CARTUNE

1993年、旧態化が進んでいたフィアット ウーノの後継車として激戦区である欧州Bセグメント市場に導入されたフィアット プント。そんなプントに、先述のA112アバルトの人気などによりアバルトブランドの知名度が比較的高かった日本市場に向けたグレードとして用意されたのが「プントスポルティングアバルト」です。

1.2リッターDOHCエンジンを搭載し、アバルトのエアロパーツをまとったこのクルマは、その中身にこそアバルトの手は入っていなかったものの、小洒落たデザインと小気味良いドライブフィールを持つイタリア車の入門車として人気を集めました。

このプントスポルティングアバルトの人気を受け、1999年に登場した2代目プントにも、イタリア本国におけるスポーツグレード「HGT」をベースとした日本仕様専用グレード「プントHGTアバルト」が用意されました。

フィアット バルケッタと同じ1.8リッターのDOHCエンジンを搭載したこのクルマは、スポルティングアバルトを遥かに超える運動性能を持ち、非定番系欧州ホットハッチとして密かな人気を得ました。

アバルトが単なる「見かけだけのブランド」に成り下がってしまっていたとも言われる時代に登場したこの2台ですが、アバルトブランドが本格的に復活するまでその名を残し続けたという功績は評価されるべきはないでしょうか。

また、この2台は中古車相場も欧州ホットハッチとしては比較的安価なため、欧州車の入門としても最適な一台と言えるでしょう。

アバルトの上級生-アバルト グランデプント/プントエヴォ/プント

プントエヴォ
CARTUNEユーザーNICK7500さんのアバルト プントエヴォ。黒いボディに赤ラインが映えます。
引用元:CARTUNE

2005年、プントは大型化した新プラットフォームとイタルデザインによる流麗なデザインをまとい、「グランデプント」へとモデルチェンジします。

一方、その存在自体が形骸化しつつあったアバルトブランドは、フィアットグループのもと、フィアット車ベースのスペシャルモデルを開発する新部門として再編成され、2007年に公式にアバルトブランドの復活が発表されました。その新生アバルトが最初に生み出したのが「アバルトグランデプント」です。

1.4リッターSOHCエンジンを搭載する標準車に対して、アバルトには排気量は同じでもDOHC化され、さらにターボチャージャーを装着したチューンドエンジンが搭載され、そのパワーを受け止めるべくブレンボのキャリパーを採用した4輪ディスクブレーキやスポーティにセッティングされたサスペンションが装備されました。また、外装も専用のバンパーやスポイラー、デコライン等でスポーティかつお洒落に演出されています。

さらに出力を向上させたエッセエッセ(esseesse、イタリア語で「SS」)バージョンも用意されたグランデプントは、久々のアバルト渾身のホットハッチということもあって大きな注目を集め、標準車のマイナーチェンジに合わせて車名を「アバルトプントエヴォ」、「アバルトプント」と変えつつデザインを含めた細かな改良を続けながら2014年まで生産されました。

流麗なデザインを持った新世代のコンパクトカーをベースに往年のようなチューニングを現代的なクオリティで施した、「アバルトの上級生」と言えるのがこのアバルトグランデプントです。

やっぱりこれが定番!-アバルト500/595/695

アバルト500
CARTUNEユーザーtutuさんのアバルト500。アバルトにはやはりサーキットが似合います。
引用元:CARTUNE
アバルト595
CARTUNEユーザーぼんさんのアバルト595。こんな色も似合います。
引用元:CARTUNE

1960年代、懐かしのフィアット500、600をベースに595や1000TCRといった多数の名車を生み出したアバルト。そんなアバルトが2007年に復活したフィアット500をベースとしたスペシャルモデルを開発するのはもはや自明と言えることでした。2008年に登場したアバルト500には先述のアバルトグランデプントに施されたものと近い内容のチューニングが施されており、その姿は往年のアバルトの名車達を思い起こさせるものでした。

標準車となるフィアット500同様、アバルト500にはより高性能なエッセエッセバージョンやオープンモデルの500Cをはじめとする多数のバリエーションが用意され、どれも高く評価されています。

2017年にはマイナーチェンジとともに車名を「595」に統一し、グレードを「595」「595ツーリズモ」「595Cツーリズモ」「595コンペティツィオーネ」に再編成しました。500ベースのアバルトには「500」「595」シリーズのさらに上を行く「695」シリーズも限定車のみですが存在し、これまでにフェラーリやマセラティとコラボした「695トリブートフェラーリ」「695エディツィオーネマセラティ」、そしてドグミッションやアルミボンネットを採用した公道走行可能なレーシングカー的モデルの「695ビポスト」の3台がこれまでに販売されています。

往年の名車によく似たルックスを持って復活したアバルト500は、その性能とデザイン、そしてバリエーションの豊富さから再びアバルトの定番車種となりました。時代が変わっても、やはりアバルトの定番は可愛らしいルックスと上級車をも食らうパフォーマンスを備えた「500」なのです。

終わりに

いかがでしたでしょうか。イタリアの老舗ホットハッチブランド、アバルトの輝きは今尚色あせていません。是非皆さんもCARTUNEでピリリと辛いイタリアンなアバルト車のカスタムを探したり、投稿してみてください。

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