レーシングカーはウィングやカナードなどのエアロパーツを数多く装着しています。これらのパーツの目的は、高速域での車の空力特性を向上させるためです。ダウンフォースも車の空力の要素の一つです。今回はダウンフォースについて、原理からエアロパーツまで徹底解説していきます。
この記事の目次
空力とは
車が走行していると、当然ながら空気の抵抗を受けます。空気の力が働くのは、前方からの抵抗だけでなく、車体を上に浮かす力、そして横から働く力です。
空気抵抗
空気抵抗とは前方から受ける空気の力のことです。「空気抵抗による影響は80km/h程度から無視できなくなり、以降速度の2乗に比例して大きくなる。つまり速度が2倍で4倍に、3倍では9倍になる。」このように、レーシングカーも市販車も、空気抵抗によるパワーのロスは無視できません。そのため一般的には前方からの空気抵抗を少なくするには車高を低くしたり、車体を流線型にします。
揚力
揚力とは、空気が車体を上方に浮かせようとする力のことです。この力は空気抵抗の大きさと関係します。「空気抵抗の小さいボディは、横から見ると飛行機の主翼のような形状になっていることが多い。このようなボディは上部を流れる空気が下部よりも速くなり、ボディを上方に浮かせようとする力=揚力が発生してしまうという問題が生じる。」車体が上方に浮き上がってしまうと、タイヤのグリップが問題になります。揚力が発生すると、荷重の値が小さくなるので、タイヤのグリップも落ちてしまいます。
横力
車は横からも空気の力を受けます。横力は車の直進性を妨げます。一般的には車高の高い車ほど横力を受けやすいです。
ダウンフォースの原理
揚力が発生すると、タイヤのグリップが低下してしまいます。それを防ぐためには、車体を下方に抑える空気の力が必要になってきます。この力をダウンフォースと呼びます。ダウンフォースを発生させる方法はいくつかあります。代表的なものはGTウィングやカナードによるものです。これらは、板を傾けることで、空気を当て、その圧力で車体を下方に抑えるものです。
もう一つはベルヌーイの定理を応用したものです。先ほど上記に記述したように、上部を流れる空気が下部よりも速くなると、揚力が発生します。これは上部の流速が下部よりも速く、上部にかかる圧力が下部よりも小さくなっているためです。逆に車体下部の流速を上部よりも速くすると、車体下部には負圧が発生し、車を下方に抑えつけてくれます。デフューザーなどが代表例です。
市販車にエアロパーツは必要か?
ではGTウィングやカナードなどのダウンフォースを発生させるエアロパーツは市販車に必要なのでしょうか。市販車は、空力を考えられて作られています。そのため車体の形状や純正パーツで適切なダウンフォースが計算されて作られています。国産車の場合だと、最高速度である180km/h以上出す場合でなければ、特に必要ないでしょう。サーキット等で走行をする場合、180km/h未満の場合でも、コーナリング時のタイヤグリップ向上や、車体の安定性向上のためエアロパーツは重要になってきます。
エアロパーツの種類
ダウンフォースを発生させるエアロパーツは様々です。またダウンフォースを発生させるか否かに関係なく、ドレスアップとしても、エアロパーツは人気です。ここでは、これらのエアロパーツを紹介していきます。
GTウィング
GTウィングはダウンフォースを発生させるパーツの一つです。見た目にインパクトがあるため、装着するだけで、車の雰囲気が大きく変わります。
カナード
車のフロント部に装着するものです。装着することで車フロント部分の印象が変わります。車種専用のものから汎用品まで様々な種類があるのも魅力です。
ディフューザー
フロントディフューザー、リアディフューザーに分かれています。特にリアに装着するディフューザーは、大きく後ろ回りの印象を変えてくれます。
終わりに
いかがでしたでしょうか。ダウンフォースは車に必要不可欠なものですね。そしてエアロパーツをつけて、カスタムした車はとてもかっこよい。レースに出場しなくとも、エアロパーツをつけて、車のカスタムを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
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