いまさら聞けないチューニングのキホンの"キ"〜冷却水編〜 | CARTUNEマガジン
いまさら聞けないチューニングのキホンの"キ"〜冷却水編〜

2018年11月13日 (更新:2020年07月09日)

いまさら聞けないチューニングのキホンの"キ"〜冷却水編〜

整備工場やディーラーで、「クーラント交換」を勧められたことはありませんか?クーラントはどんな役割を果たしているのか、交換時期はいつなのかなどについて気になっている方も多いと思います。今回はそんな「クーラント」について徹底解説します!

クーラントとは

クーラントとは、LLC(ロングライフクーラント)の略で冷却液のことをいいます。ラジエーター液や冷却液、不凍液と呼ばれることもあります。水冷エンジンにおいて、クーラント(冷却液)はエンジン内部、ウォーターポンプ、ラジエーター内を循環しています。主成分はエチレングリコールで通常緑または赤色をしており、水道水と希釈して使用します。

ひろちゃん ~Familiar group~さんのヴォクシーZRR70Wウォーターポンプの画像
ひろちゃん ~Familiar group~さんのヴォクシーZRR70Wウォーターポンプの画像

クーラント(冷却液)の役割

クーラント(冷却液)は、エンジンを冷却する役割を担っています。自動車のエンジンは走行中非常に高温になります。クーラント(冷却液)はウォーターポンプの力でエンジン内部を循環し、エンジンの熱を吸収します。熱されたクーラント(冷却液)はラジエーターに運ばれ、ラジエーターファンの風によって冷却され、再びエンジン内部へと運ばれます。

クーラント(冷却液)の量が不足していたり、ウォーターポンプやラジエーターが故障してクーラント(冷却液)がエンジン内を循環しなくなったりするとエンジンはオーバーヒートしてしまいます。

かつみさんのコペンL880Kの画像
かつみさんのコペンL880Kの画像

クーラント(冷却液)は水と混ぜて使うくらいだから、わざわざクーラント(冷却液)を使わなくても、水道水を入れればいいのでは?という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、クーラント(冷却液)は水が持たない、次にあげるような大事な能力を持っているのです。

錆びにくい

エンジンは金属でできています。そして熱を帯びます。金属に熱が加わり、さらにそこに水が流れていると、あっという間に錆びてしまいます。エンジン内部が錆びてしまったり、冷却液が通る配管やラジエーターが錆びて穴が開いてしまっては、エンジンが使い物にならなくなってしまいます。クーラント(冷却液)には強力な防錆剤が添加されており、長期間金属に触れ、熱にさらされていても錆びにくいようになっています。

シオシオさんのロードスターNA6CEラジエーターの画像
シオシオさんのロードスターNA6CEラジエーターの画像

凍りにくい

みなさんもご存じのとおり、水は0度を下回ると凍ります。しかし、冬に天気予報を見てみると最低気温が0度を下回ることも珍しくありません。寒い地方ではマイナス20度近くになります。冷却液に水だけを使っていては、水が凍りついてしまい、凍って膨張した水(氷)はエンジンを傷つけてしまいます。クーラント(冷却液)には凍結防止剤が含まれていて、濃度を調節することで低温にも対応させることができるようになります。目安としては、「クーラント(冷却液):水」=「3:7」で約マイナス15度、「4:6」で約マイナス30度まで対応するようです。

泡がでにくい

水の入ったペットボトルを振ると、泡がたくさん出てきます。エンジンルーム各部を循環しているクーラント(冷却液)も常に振動しています。泡ができやすい水を使っていると、クーラント(冷却液)を循環させているウォーターポンプが破損し、エンジンがオーバーヒートしてしまいます。クーラント(冷却液)は泡を素早く消す能力をもっていて、ウォーターポンプの破損を防いでいます。

將希さんのフェアレディZS30ウォーターポンプの画像
將希さんのフェアレディZS30ウォーターポンプの画像

クーラント(冷却液)の交換時期

クーラント(冷却液)に含まれている防錆剤や凍結防止剤は時間の経過とともに劣化します。劣化が進んだクーラント(冷却液)を使い続けていると錆の進行や冷却能力の不足によりエンジンを壊してしまうことにもつながります。

そのため、クーラント(冷却液)は定期交換が必要です。最近の市販車の多くには、新車の際に「スーパーロングライフクーラント(冷却液)」が充填されています。こうしたクーラント(冷却液)の場合、4年間または10万キロ毎の交換が推奨されています。通常のロングライフクーラント(冷却液)の場合、2万キロまたは2年毎の交換が推奨されている場合が多いです。

ただし、クーラント(冷却液)を交換しても完全に古いクーラント(冷却液)を抜くのは困難なので、古いクーラント(冷却液)と混ざってしまうことを考えると規定より早めの交換が必要といえるでしょう。走行距離が少ない方は車検毎、たくさん走る方は1年点検毎の交換をお勧めします。

エージさんのフィットGE8の画像
エージさんのフィットGE8の画像

DIYでの交換方法

クーラント(冷却液)の交換は次のように行います。まずはエンジンを完全に冷やします。エンジンを切ってから1時間程度は交換を控えましょう。エンジンが冷えたことを確認したら、必要に応じて車体をジャッキアップし、ラジエーター上部にあるキャップと、下部にあるドレンボルトを外します。ドレンボルトからは古いクーラント(冷却液)が大量に排出されるので、容器で受け止めましょう。

ヨーソローさんのジムニーJA11Vクーラントの画像
ヨーソローさんのジムニーJA11Vクーラントの画像

クーラント(冷却液)が抜けきったらドレンボルトを締め、濃度を調整したクーラント(冷却液)を車種ごとに設定された規定量入れましょう。規定量を入れる前に、おそらくラジエーターキャップからクーラント(冷却液)が溢れてしまいます。それはラジエーターやエンジンの配管内に空気が残っているからです。

ここまできたら車のエンジンをかけ、ヒーターを全開にした状態でラジエーターのファンが2回回るまで(30分~1時間)暖気しましょう。この間ラジエーターキャップからはポコポコと気泡が出てきて、水位が下がってくので、適宜クーラント(冷却液)を補充しましょう。この作業を「エア抜き」といい、作業が完了するころにクーラント(冷却液)が規定量充填できるようになっています。

555 SWRTさんのインプレッサ WRXGC8クーラントの画像
555 SWRTさんのインプレッサ WRXGC8クーラントの画像

終わりに

いかがでしたでしょうか。エンジンの冷却を支えるクーラント(冷却液)の役割や交換の方法について理解していただけたと思います。車好きコミュニティ『CARTUNE』には、車の投稿がたくさん!「クーラント(冷却液)交換」についての記事もあるかも?あなたもアプリをインストールして参加しましょう!

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