2019年07月10日 (更新:2022年10月24日)
ポルシェ986ボクスターを買おう!グレードや中古車価格を解説!
年々進化を遂げていくポルシェの「ボクスター」。現行型となる982型ボクスターのデビューが記憶に新しいところですが、初代986型ボクスターの存在も忘れてはいけません。そこで、今回はポルシェ986ボクスターについて、パフォーマンスやスペック、現在の中古車相場までご紹介します。
ポルシェ・986ボクスターってどんな車?
ポルシェ・986ボクスターは、1993年に開催されたデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカーを元に、市販車として1996年にデビューしたポルシェが製造・販売を手掛けるロードスターモデルです。
ポルシェ968の後継モデルに位置付けられていますが、直列4気筒FR方式は引き継がれず、新開発された水平対向の6気筒エンジンを搭載しています。
このエンジンは名前の由来にもなっており、「水平対向」を表す〝Boxer(ボクサー)〟と、同ブランドにおけるオープンカーの呼称である〝Speedster(スピードスター)〟を掛け合わせて「ボクスター」と名付けられました。
価格やエンジンスペックにより、ポルシェのラインアップの中ではエントリーモデルとなっているのが986ボクスターなのです。
基本スペック
ポルシェ・ボクスター986は、第2世代へモデルチェンジされた2004年までに、合計4回のマイナーチェンジを受けています。ここでは、最も大幅な変更が加えられた2003年のマイナーチェンジを受けて登場した、最終型986ボクスターの基本スペックをご紹介します。
車体寸法(全長/全幅/全高) | 4,320mm/1,780mm/1,290mm |
---|---|
ホイールベース | 2,415mm |
トレッド幅(フロント/リア) | 1,465mm/1,530mm |
車両重量 | 1,340kg |
エンジン種類 | 水平対向6気筒24バルブ |
総排気量 | 2,687cc |
エンジン最高出力 | 228ps(168kW)/6,300rpm |
エンジン最大トルク | 26.5kg・m(260N・m)/4,700rpm |
986ボクスターの見た目は
ポルシェ986ボクスターは、1993年開催のデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカーを元に市販車としてデザインされています。一際目を惹くのがオープントップデザイン。構成部品のほとんどを共有する兄弟車・ケイマンはハードトップになっているのに対して、986ボクスターは走行中にオープンエアを楽しむことができるようになっています。
また、ヘッドライトも丸形ではなく俗に「目玉つながり」と呼ばれるウインカー一体式の個性的な形状。、ボディサイドに刻まれた大型のエアインテークデザインが、一目で986ボクスターだと分かる造形です。
それに対して、4代目982型ボクスターは、3代目981ボクスターから採用されたスーパースポーツ的なスタイリングに仕上げられています。また、ボディサイドに大きく空けられたエアインテークや、一目で「ボクスター」と分かる、幌のオープントップは代々引き継ぎながらも、ウインカー一体型となっていたヘッドライトにも981型よりデザイン変更が加えられています。
986ボクスターのパフォーマンスは?
モデルチェンジを経て上がっていったエンジン性能
986ボクスターは、ミドシップエンジンの2シーターモデル。ポルシェの中でもエントリーグレードに位置づけられたモデルではありますが、それでも高い走行性能を秘めています。
2.5L水平対向6気筒エンジン(最高出力204ps・最大トルク25kgm)が搭載され、5MTもしくはマニュアルモード付き5速トルコン式ティプロトニックが組み合わせられ、最高速度は240km/h、100km/h加速は6.9sを誇りました。
1999年のマイナーチェンジで、エンジン排気量が2.7Lに拡大。220psに引き上げられ、同時に3.2Lエンジンを搭載する「ボクスターS」が追加されます。MT仕様は、「ボクスター」が最高速度250km/h、「ボクスターS」が最高速度260km/h、となっています。
最終型となる2003年モデルからは、カムシャフトの回転角を最大40度まで調節することが出来る新型のバリオカムが採用され、エンジン最大出力は2.7Lエンジンで228psへ、3.2Lエンジンは260psとなっています。
他のモデルにひけをとらないパフォーマンス
このエンジン出力を、軽い車重と993型911カブリオレの1.5倍ものねじれ剛性があるといわれるボディで発揮するわけですから、走行性能が低いわけがありません。全幅も993型911に比べ10mm伸びているため、直進安定性やコーナー突入時の安心感があるのもいわずもがなでしょう。
100キロ到達までの時間もわずか5.9秒と、普通乗用車からは考えられない速度。986ボクスターもまた、正しくポルシェの血統を受け継いでいるのです。
986ボクスターの中古車価格
新車時価格
986ボクスターは、2003年に追加された「550スパイダー」のデビュー50周年記念限定モデル「ボクスターS 550スパイダーエディション」と、ベースグレードの「ボクスター」。その高性能グレードである「ボクスターS」の3グレードが存在しています。最終型の新車価格はMTとATモデルで価格が異なっており、以下のようになっていました。
グレード | AT | MT |
---|---|---|
ボクスター | 6,405,000円 | 5,775,000円 |
ボクスターS | 7,455,000円 | 6,825,000円 |
スパイダーエディション | 8,326,500円 | 7,696,500円 |
中古車価格
新車価格では5,775,000円~という価格だった986ボクスターですが、1996年のデビューから今年で23年を数えます。そのため、中古車の価格もかなり落ち着いています。
本体価格が90万円前後の個体も相当数が流通しているのが見られます。最高額でも、程度の良い「ボクスターS 550エディション」で300万円前後。この価格でポルシェに乗ることができるなら、かなりお買い得ではないでしょうか。
グレード | 年式 | 価格 |
---|---|---|
ボクスター | 1997年 | 89万円 |
ボクスターS | 1999年 | 150万円 |
まとめ
フラットシックスと呼ばれる水平対向6気筒エンジンの高い出力と、軽量かつ高剛性から発揮されるパフォーマンスは、決してポルシェのエントリーモデルだとひと括りにしていいようなものではないでしょう。
2004年の終売から、すでに15年以上経過している986ボクスターは、ポルシェのレストアサービス「ポルシェクラシック」に名前を連ねており、まだまだ現役で走ることができます。
4代目982型718に現行モデルが移り変わっているボクスターですが、986には現行車にはない魅力があります。100万円台で購入できる今だからこそ、986ボクスターは更に輝いて見えるのではないでしょうか。