2019年07月04日 (更新:2022年10月24日)
初めてポルシェを買うならおすすめはケイマン?それともボクスター?
車好きなら誰しもが憧れたことのあるポルシェ。ポルシェは複数のスポーツカーをラインナップしていますが、その中でもポルシェ入門におすすめしたいモデルがあります。それがケイマンとボクスターです。今回はケイマンとボクスターについてご紹介するとともに、どっちがおすすめなのかについてもお話したいと思います。
ポルシェ・ケイマンってどんな車?
車好きの永遠の憧れであるポルシェ。特にスポーツカーが好きなら誰しもがぜひ1度は乗ってみたいと感じる高級スポーツカーブランドの代名詞です。ポルシェのラインナップの多くは1,000万円をはるかに上回る高価格帯で販売されている車ばかり。
しかし、中には1,000万円を下回る価格帯でスポーツカーも存在します。ポルシェのラインナップの中で最もリーズナブルな価格を実現しているのがケイマンです。元々はポルシェのオープンカーであるボクスターから派生した2ドアクーペになります。
トランスミッションやサスペンションなど、多くのパーツをボクスターと共用しており、いわば姉妹車にあたる存在です。2代目モデルまではボクスターの上級モデルとして販売されていましたが、3代目モデル以降はポルシェのエントリーモデルに位置しています。
ポルシェ・ボクスターってどんな車?
スポーツカーブランドであるポルシェは、運動性能を重視した車の製造を得意としています。ポルシェに限らずとも、スポーツカーとしてのスペックを追求した車といえば、やはりクローズドボディを採用している車種が多い傾向にあります。
ところがポルシェが1996年から製造及び販売を手がけているボクスターは、快適なドライブを楽しめるオープンカーでありながら優れた走行性能を実現しました。用途によって様々な走りを楽しめる本格的なオープンスポーツカーです。
現在は4代目モデルが販売されていますが、3代目モデルまではポルシェのエントリーモデルに位置していました。しかし、2016年以降はラインナップの位置づけが改められたことで、エントリーモデルであるケイマンの上級モデルとして販売されています。
ポルシェ・ケイマンとボクスターの違いってなに?
ポルシェのラインナップの中でも比較的リーズナブルな価格で購入することができるケイマンとボクスター。これらの車種の違いは何なのでしょうか。ケイマンとボクスター、それぞれの最大の特徴はオープンボディを採用しているか否かになります。
クローズドボディを採用しているケイマンは、ボクスターよりも本格的なスポーツ走行に適したモデルです。その一方、ボクスターはオープンボディを採用しているため、公道でのドライブの快適性や走りの楽しさを重視しています。
もちろん、ボクスターが本格的なスポーツ走行に適していないわけではありません。その逆も然り、ケイマンの公道走行が楽しくないわけでもないです。ただし、それぞれ得意分野が異なっているため、あなたの用途に適したモデルを購入する必要があります。
デザインの違いはある?
多くのパーツを共用しているケイマンとボクスターですが、それぞれのデザインに違いはあるのでしょうか。結論からいうと、ケイマンとボクスターのデザインに大きな違いはありません。元々は多少の差別化が図られていましたが、現在はほぼ同じ意匠を用いています。
外観デザイン上の最大の違いは、やはりルーフとリア周りでしょう。クローズドボディを採用しているケイマンはルーフからリアに向かって流れる美しいスタイリングを実現していますが、オープンボディのボクスターはルーフにソフトトップ(幌)を採用しています。
オープンカーである以上仕方のないことではありますが、ルーフからリア周りにかけてのデザインはケイマンの方が魅力的です。とはいえ、ボクスターはクローズ時とオープン時で異なる雰囲気を楽しめるため、ボクスターが劣っているというわけではありません。
グレードの違いは?
従来のケイマンとボクスターはグレードに違いがありました。例えば、ボクスターの手動ソフトトップモデルである「スパイダー」はケイマンには設定されていませんでした。ケイマンのフラッグシップモデルである「R」も、 ボクスターには設定されていません。
従来のケイマンとボクスターは非常に類似した車種でありながら、それぞれのコンセプトに基づいたグレードが展開されていました。しかし、現行モデルの718ケイマンと718ボクスターに関しては、今のところグレード構成に違いは一切ありません。
718シリーズのグレード構成は「ベースモデル」、エンジンの排気量を拡大したことでより本格的なスポーツモデルに仕上がった「S」、Sをベースにさらなるチューニングを施したハイパフォーマンスモデルである「GTS」、以上の3種類が設定されています。
エンジンは同じ?
クローズドカーとオープンカー、全く異なるキャラクター性でありながらも多くの部品を共用しているケイマンとボクスター。もちろん、搭載しているエンジンも共通しています。現行モデルの718ケイマンと718ボクスターが搭載しているエンジンは2種類です。
ひとつはベースモデルに設定されている2.0L水平対向4気筒ターボエンジン。もうひとつはSとGTSに設定されている2.5L水平対向4気筒ターボエンジンになります。排気量が異なっているため、最高出力と最大トルクの差は顕著です。
スポーツ走行での使用を想定している人は、やはりサーキットでこそ真価を発揮する2.5L水平対向4気筒ターボエンジン搭載車を購入すべきでしょう。街乗りやドライブが中心の人は、2.0L水平対向4気筒ターボエンジン搭載車でも十分だと思います。
ベースモデルのエンジン
718シリーズのベースモデルのエンジンスペックを以下に記載します。
エンジン | 2.0L水平対向4気筒ターボ |
---|---|
最高出力(PS/rpm) | 300/6,500 |
最大トルク(Nm) | 380 |
718シリーズのベースモデルが搭載する2.0L水平対向4気筒ターボエンジンは、最高出力300馬力、最大トルク380Nmを発生します。ターボチャージャーが搭載されているとはいえ、2.0Lという排気量のエンジンとしては驚異的なスペックです。
街乗りやドライブなど、公道での使用が中心の人は2.0L水平対向4気筒ターボエンジンでも全く問題ありません。380Nmというビッグトルクのおかげで、高速道路やバイパスでの合流時、急な登坂路でも力強く加速してくれるでしょう。
Sのエンジン
続いて718シリーズのSのエンジンスペックを以下に記載します。
エンジン | 2.5L水平対向4気筒ターボ |
---|---|
最高出力(PS/rpm) | 350/6,500 |
最大トルク(Nm) | 420 |
718シリーズの上位モデルにあたるSが搭載するエンジンは、2.5L水平対向4気筒ターボエンジンです。ベースモデルと比べて、排気量が0.5Lほど拡大されています。たかが0.5Lでも、十分すぎるほどのスペックアップを果たしているのです。
2.5L水平対向4気筒ターボエンジンの最高出力は350馬力、最大トルクは420Nmにものぼります。公道走行に向いていないわけではありませんが、少なくとも街乗りやドライブでは上記のエンジンのパフォーマンスを持て余してしまうはずです。
GTSのエンジン
最後に718シリーズのGTSのエンジンスペックを以下に記載します。
エンジン | 2.5L水平対向4気筒ターボ |
---|---|
最高出力(PS/rpm) | 365/6,500 |
最大トルク(Nm) | 430 |
718シリーズのフラッグシップモデルにあたるGTSが搭載するエンジンは、2.5L水平対向4気筒ターボエンジンです。エンジンの種類自体は上位モデルのSと同一ですが、GTSのエンジンはさらなるチューニングが施されています。
最高出力は365馬力、最大トルクは430Nm(6MTモデルは420Nm)を達成。ベースモデルとSほどの大きな差はありませんが、Sから確かにスペックアップしています。足回りなどの完成度も相まって、本格的なサーキット走行に対応してくれるはずです。
価格の違いは?
現行モデルの718ケイマンと718ボクスターは姉妹車ですが、ボディの構造が大きく異なっているため、価格帯にも違いがあります。従来のケイマンとボクスターはケイマンの方が上位モデルのため、より高価な価格帯で販売されていました。
しかし、718シリーズに関してはケイマンがエントリーモデルで、ボクスターが上位モデルにあたるため、ボクスターの方が高価な価格帯で販売されています。具体的には718ケイマンが673万円、718ボクスターが712万円という価格です。
- 718ケイマン:6,730,000円
- 718ケイマンS 8,620,000円
- 718ケイマンGTS:9,990,000円
- 718ボクスター:7,120,000円
- 718ボクスターS:9,010,000円
- 718ボクスターGTS:10,380,000円
こちらが718シリーズ全体の価格帯になります。ケイマン、ボクスターの購入を検討している人は参考にしてください。
ポルシェ・ケイマンとボクスターはどっちがおすすめ?
クロスオーバーSUVであるマカンを除くと、1,000万円以下の価格帯で購入することができる2種類のポルシェ、ケイマンとボクスター。多くの部品を共用しながらも異なるキャラクター性を有している2車種ですが、一体どっちの方がおすすめなのでしょうか。
運動性能に大きな違いはありませんが、本格的なスポーツ走行に対応しているかどうかという点に関しては、クローズドボディを採用しているケイマンに軍配が上がります。しかし、ポルシェを購入する人全員がスポーツ走行を楽しむわけではありません。
むしろ、街乗りやドライブを中心に楽しむという人の方が多いと思います。そういう意味では、より気軽かつ快適に優雅なドライブを満喫できるボクスターの方がおすすめです。ボクスターなら過激な走りものんびりとしたドライブも楽しむことができると思います。
まとめ
今回はポルシェのエントリースポーツカーに位置するケイマンとボクスターについてご紹介しました。多くのパーツを共用しているケイマンとボクスターですが、それぞれ異なる魅力が備わっているため、どっちを購入すべきか迷っている人も多いと思います。
上記でもお伝えしたように、サーキットでポルシェが追求した走りを楽しむつもりがなければ、ボクスターの方が無難な選択となるはずです。ただし、ボクスターはソフトトップを採用しているオープンカーなので、サーキットを走行することはできません。
どうしてもボクスターでサーキットを走行したいなら、ハードトップを装着するかロールケージを取り付ける必要があります。サーキットでハイパフォーマンスカーの走りを堪能したいのであれば、 ボクスターではなくケイマンを購入すると良いでしょう。